書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ

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第九章 邪神降臨

第313話 三回回ってワンと鳴け

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「よぉ!久し振りだな」
 蒼字は女神ティケに向かって軽い感じで声をかけた。

「はぁ?あんた誰!」
 
「…………………」
 はぁ~やっぱり覚えてないか。
 ま~期待もしていなかったけどね!

 女神テュケは駄女神である。
 俺を自分で異世界に呼び出しておいてまったく覚えていない様子、確か間違って呼び出しちゃったみたいなことを言っていたっけか、正直当時はふざけんなよ!と憤慨していたことを覚えている。

 しかし今はそれどころではない。過去のことは忘れてコイツに力を借りなければならない。ここは丁寧に対応しなければいけない。低姿勢低姿勢…我慢我慢……。


「テュケ様お待ちしておりました。今大変なことが起きております。どうか私達をお救いください」
 俺は深々と頭を下げ懇願する。

 
「誰じゃー駄女神ゆうたんわー!」

 …………聞いてぇねぇー!
 このー駄女神!周りが見えていないのか!
 俺はまだしも邪神が傍に居るんだぞ!
 ちったぁー気にしろよ!バカ!

 
「あの~女神サマ、私の話を聞いて頂きたいのですが」
 低姿勢低姿勢…我慢我慢……。


「はぁ?あんた誰!」
 
 …………デジャヴ~!?
 この駄女神!さっきのこと覚えてないのかよ!

「あの私蒼字(そうじ)と言う者です。宜しくお願いします。それでですね…」

「はぁぁ~ねむい、帰ろっかな」
 
 この野郎!いい加減に話聞けやぁ!
 そもそも来たばっかりだろうが!
 俺のイライラゲージが溜まっていく。

「すいません!テュケ様お待ちください!お願いです助けてください!」

 俺は聞こえるように出来るだけ大声で声をかけたのだが駄女神は面倒くさそうにこちら見る。
 

「なんであんたを言うことを聞かないといけないのよ!」

 ん?……あれ?おかしいぞ!
 女神って地上の人達を守る存在じゃないのか?
 確かに普通の人なら見ず知らずの人を危険を犯してまで助けないかもしれないけど、え!?え!?女神だよね!


「あ!あの~なんで助けてくれないのですか?テュケ様って女神様ですよね」

「そうよ!どこからどう見ても美の女神でしょ!」
 クルッと回って決めポーズ!
 この女神調子に乗りやがって!
 さりげに美の女神に格上げしてやがる。
 ま~実際美人なのは認めるが、中身がアホそうなので俺には全然響かなかった。


「あっ……そうですか、ハハッ」
 ついつい乾いた笑いが出てしまった。

「ああぁ!なにその笑い!私のことバカにしているわけ~」

 ヤバっ!?今は機嫌を損ねるのはマズイ!
 どうにかして機嫌を取らないと!


「えーーっとテュケ様は美人です!」
 安直ではあるが取り敢えず褒めた。
「ふっふ~ん!そうよ!私はチョ~美人で賢いの!誰もが敬う女神テュケなのよ!さ~崇めなさい!愚民」
 コイツあっさりと調子に乗ったな。やっぱアホだ!
 それと誰が愚民じゃ!この駄女神!

「ははぁ~、それではテュケ様お助けください」

「え!イヤよ!めんどくさい」

 ………呆れるしかない。
 断る理由めんどくさいだと!
 

「私あなたのこと知らないの、私の信者でもなさそうだし助ける理由ある?」

「女神様は地上の民を助ける存在ではないのですか?」

「ああぁ…そうね~。サラキアがいつもそんなこと言ってたわ。でもね!私は違うの、私は私が好きな子達のために動くの!だからあんたなんかに構ってられないわけ、おわかり?」


 なぜかすごく腹落ちが出来た。

 コイツ、自己中だ!

 でも分からなくはない。コイツの考え方は女神と言うよりかは人間に近いと言える。だから間違っているとは思わない。好きな人、大切な人達のために動くのなら。俺はコイツと一緒に戦える。


「テュケ様分かりました。しかしそれでもお願いしたい。私の大切な人の願いを叶えたい。みんなを守りたいんです!どうかお願いします」

 恥も外聞もない。俺は土下座して頼み込む。

「ふ~ん……そう。そこまでなんだ。ま~話くらいは聞いてあげてもいいわよ!」

「本当ですか!ありがとうございます!」
 やった!土下座してまで頼んだかいがあった!
 これでみんなを助けられる!

 俺は心の中で歓喜する。
 そして安堵したゆえに油断もした。


「ただし!三回回ってワンと鳴くのよ!面白かったら聞いてあげるわ~」

 ブチッ!

「オマエが三回回ってワンと鳴けや!ボケ!」
 
 あ!……やっちまった。

「はぁぁー!?なんですってあんた誰に…アレレ!?」

 そんなことを言われたら当然駄女神は怒る。
 しかし様子がおかしい。
 なぜかゆっくりと回り出した。

「あっ!あっ!えっ!あっ!…………ワン!」
 駄女神はキッチリ三回回ってからワンと鳴く。
 こればどう言うことだ?………まさか!?

「ちょ…ちょ…どう言うことよ!身体が勝手に動いたんだけど!」

「はぁはぁ~ん。そう言うことか、分かったぞ!」

「え!あんた何かしたの!ふざけるんじゃないわよ!」
 駄女神は激昂して勢いよくこっちに向かって飛んで来たので試してみることにした。

「まー待て!駄女神」
 キュッと急ブレーキで空中で駄女神は止まり、怒った顔から驚いた顔に変わる。

「ど!ど!ど!…どういうことよ!」

 俺はニヤリと笑う。

「駄女神驚くのも無理はない。しかし事実は受け止めなければいけない」

「あーー!あんたが駄女神って言ったのねぇー!」
 キィーーとまた駄女神は怒り出す。
 まったく感情が豊かで忙しいヤツだ。
 
 しかしこれで確定したな。これでやっと駄女神の力を借りて邪神と戦える。

「落ち着け駄女神、話がズレているぞ」

「あーーー!また駄女神って言ったーー!もう~許さないんだから」

 プンプンと地団駄して怒る駄女神を見て、俺は全然違うことを考えていた。こんなヤツと一緒に戦って勝てるのか?
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