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18 暗躍できない妹
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数日後、私とアズ、そして、トーリ様は、隣国ソラウに向かって旅を開始した。
隣国との国境までは馬車で9日くらいかかり、そこからソラウの王城まで5日かかった。
ルピノとノーラル様には挨拶せずに出発した。
別れの挨拶もする必要はないと思ったし、しようとすれば揉めるのではないかと思ったから。
もちろん、お兄様には挨拶した。
ノーラル様に気持ちを拒否されて、かなり凹んでいらしたけれど、目が覚めたようでもあったので、少しだけホッとした。
どうして目が覚めたかと思ったかというと、許されることではないけれど、と前置きして、私を独房に閉じ込めたりした事を謝ってくれたからだ。
許す、許さないは、今後のお兄様の行動を見て考えようと思っているけれど、お兄様がトニア家を継ぐ事はない事だけは確かだ。
そして、無事に王城に着いてからは、慌ただしく1日が過ぎていった。
まずは、両陛下との謁見。
お二人共、私が来た事をとても喜んでくれて、これからの事についても詳しく説明してくださった。
それから、国民への通知。
これに関しては、私は何もしなくて良かったんだけれど、国民からの希望があれば、顔見せをしないといけないらしかった。
私がソラウの公爵令嬢ならまだしも、他国の公爵令嬢だから、余計にどんな人物か見たいという人が多いのではないかと思われた。
それに関しては、覚悟は決めている。
元々、自国でも王太子妃になる予定だったのだから。
そして、私は侍女の1人になるという、アザレア・ミノン伯爵令嬢を紹介された。
腰まである艶のあるストレートの黒髪に鳶色の瞳を持っていて、可愛らしい顔立ちをしていた。
「アザレア・ミノンと申します。ルリ様にお仕え出来る事を、大変、光栄に存じます」
アザレアさんは動きやすい様になのか、黒色のメイド服に似た膝下丈のワンピースの裾を持ち、優雅にカーテシーをしてくれた。
「これからよろしくお願いしますね」
「誠心誠意、お仕えさせていただきます」
雰囲気的に性格の良さそうな感じの人なので、ホッとした。
トーリ様の婚約者なのだからきっと大丈夫だとは思っていたけれど…。
そして、また日にちが過ぎ、最初はアザレアさんと呼んでいた彼女の事も、侍女なのだからアザレアで良いと言われたので、アザレアと呼ぶようになり、彼女とは同じ年という事もあって、すぐに仲良くなった。
彼女には縁を切ってはいるけれど、血は繋がっている姉がいて、その姉は、今、アズの妹である、元第一王女殿下の家に使用人として働いているとの事だった。
アザレアはその人の事を思い出したくなさそうだったので、なぜ縁を切ったかなどに関しては深く聞かない事にした。
王妃教育を受けながらも、順調な日々を過ごしていた、ある日の事だった。
アズから呼び出されて、彼の執務室に向かうと、トーリもいて、2人共、とても厳しい顔をしていた。
ちなみに、トーリ様と呼んでいたけれど、様をつけてはいけないと言われたので、トーリと呼ぶ様になった。
そんな2人に尋ねてみる。
「どうかされましたか?」
「…実は、気になる話がある。一応、手は打つつもりだけど、君には伝えておこうと思って…」
「どういう事でしょう?」
「アザレアの姉のマーニャという女性の事なんだが…」
「アザレアから聞いてますわ。縁を切っていると…」
私が首を傾げて言うと、アズはトーリと顔を見合わせてから、話を続けてくれる。
「マーニャはアザレアを逆恨みしてる。そして、ルリ、ルピノ嬢も君を逆恨みしている」
「……?」
遠回しに言われているので、何が言いたいのかわからずに眉を寄せると、トーリが教えてくれる。
「最近、ある下男とマーニャが親しくなったのですが、その下男はもしかすると、ルピノ嬢の手先かもしれません」
「……ルピノはアザレアを巻き込もうとしているの?」
私を狙うのなら、受けて立つつもりだけれど、アザレアは関係ない。
苛立つ気持ちをおさえてトーリに聞くと、彼は静かに頷いた。
隣国との国境までは馬車で9日くらいかかり、そこからソラウの王城まで5日かかった。
ルピノとノーラル様には挨拶せずに出発した。
別れの挨拶もする必要はないと思ったし、しようとすれば揉めるのではないかと思ったから。
もちろん、お兄様には挨拶した。
ノーラル様に気持ちを拒否されて、かなり凹んでいらしたけれど、目が覚めたようでもあったので、少しだけホッとした。
どうして目が覚めたかと思ったかというと、許されることではないけれど、と前置きして、私を独房に閉じ込めたりした事を謝ってくれたからだ。
許す、許さないは、今後のお兄様の行動を見て考えようと思っているけれど、お兄様がトニア家を継ぐ事はない事だけは確かだ。
そして、無事に王城に着いてからは、慌ただしく1日が過ぎていった。
まずは、両陛下との謁見。
お二人共、私が来た事をとても喜んでくれて、これからの事についても詳しく説明してくださった。
それから、国民への通知。
これに関しては、私は何もしなくて良かったんだけれど、国民からの希望があれば、顔見せをしないといけないらしかった。
私がソラウの公爵令嬢ならまだしも、他国の公爵令嬢だから、余計にどんな人物か見たいという人が多いのではないかと思われた。
それに関しては、覚悟は決めている。
元々、自国でも王太子妃になる予定だったのだから。
そして、私は侍女の1人になるという、アザレア・ミノン伯爵令嬢を紹介された。
腰まである艶のあるストレートの黒髪に鳶色の瞳を持っていて、可愛らしい顔立ちをしていた。
「アザレア・ミノンと申します。ルリ様にお仕え出来る事を、大変、光栄に存じます」
アザレアさんは動きやすい様になのか、黒色のメイド服に似た膝下丈のワンピースの裾を持ち、優雅にカーテシーをしてくれた。
「これからよろしくお願いしますね」
「誠心誠意、お仕えさせていただきます」
雰囲気的に性格の良さそうな感じの人なので、ホッとした。
トーリ様の婚約者なのだからきっと大丈夫だとは思っていたけれど…。
そして、また日にちが過ぎ、最初はアザレアさんと呼んでいた彼女の事も、侍女なのだからアザレアで良いと言われたので、アザレアと呼ぶようになり、彼女とは同じ年という事もあって、すぐに仲良くなった。
彼女には縁を切ってはいるけれど、血は繋がっている姉がいて、その姉は、今、アズの妹である、元第一王女殿下の家に使用人として働いているとの事だった。
アザレアはその人の事を思い出したくなさそうだったので、なぜ縁を切ったかなどに関しては深く聞かない事にした。
王妃教育を受けながらも、順調な日々を過ごしていた、ある日の事だった。
アズから呼び出されて、彼の執務室に向かうと、トーリもいて、2人共、とても厳しい顔をしていた。
ちなみに、トーリ様と呼んでいたけれど、様をつけてはいけないと言われたので、トーリと呼ぶ様になった。
そんな2人に尋ねてみる。
「どうかされましたか?」
「…実は、気になる話がある。一応、手は打つつもりだけど、君には伝えておこうと思って…」
「どういう事でしょう?」
「アザレアの姉のマーニャという女性の事なんだが…」
「アザレアから聞いてますわ。縁を切っていると…」
私が首を傾げて言うと、アズはトーリと顔を見合わせてから、話を続けてくれる。
「マーニャはアザレアを逆恨みしてる。そして、ルリ、ルピノ嬢も君を逆恨みしている」
「……?」
遠回しに言われているので、何が言いたいのかわからずに眉を寄せると、トーリが教えてくれる。
「最近、ある下男とマーニャが親しくなったのですが、その下男はもしかすると、ルピノ嬢の手先かもしれません」
「……ルピノはアザレアを巻き込もうとしているの?」
私を狙うのなら、受けて立つつもりだけれど、アザレアは関係ない。
苛立つ気持ちをおさえてトーリに聞くと、彼は静かに頷いた。
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