24 / 50
20 報告書
しおりを挟む
私がマーニャ嬢の事を調べている事をアザレアに気取られない様に、彼女が休みの日にトーリから、マーニャ嬢の性格とアザレアとの確執を簡単に教えてもらった。
妹のものを奪うものが好きな姉で、アザレアが長年好きだった男性を、彼女自身は結婚していたのに奪うような真似をしたのだそう。
アザレアは素直な良い子だし、きっと傷付いたでしょうね…。
でも、今となってはトーリのような婚約者が出来たのだから、良かったと思えているかもしれないけれど。
あと、アズが言っていた、トーリのアザレアへの態度は面白いくらいにわかりやすかった。
「ルリ様、アズアルド殿下からの資料をお持ちしました」
「ありがとう」
何の資料かと思ったけれど、今度、出席する予定のお茶会についての詳しい内容が書かれていたので、アザレアには見られないように受け取り、ソファーに座って目を通す事にした。
せっかくなので、トーリに声を掛けておく。
「トーリ、時間があるなら、アザレアとお話してもいいわよ」
「ありがとうございます」
「いけません、ルリ様! 私は仕事中でございます!」
「主が良いと言っているのだから良いのよ。アズにお返事したいから、その返事を書き終わるまで待っててもらいたいし」
アザレアは本当にそれで良いのか迷っていたみたいだけれど、トーリが話しかける。
「せっかくなんだし話そう。アザレアは元気だったか?」
「……はい。といっても、3日前にお会いしたじゃないですか」
「3日前だろ?」
ちらりとトーリの顔を見ると、彼は普段は見せない優しい表情でアザレアを見つめていた。
アザレアもなんだかんだと嬉しそうで、ニヤニヤといったら言葉が悪いけれど、笑みがこぼれてしまいそうなのを何とかこらえる。
あまり、見ているのも失礼なので、資料に集中する事にした。
やはり、マーニャ嬢とルピノは繋がっていて、私をマーニャ嬢が狙い、ルピノがアザレアを狙う事によって、お互いに関与せずに、私やアザレアという邪魔者を排除しようとしている感じで動いているみたいだった。
ルピノは自分の執事を使って、アザレアと接触しようとしているみたいだけれど、ルピノ自身は家からは動いていない。
偶然を装って、ルピノは何らかの形でアザレアに何かをしようとしていて、マーニャ嬢は私の事を傷付けようとしている。
それが、今わかる事らしい。
ルピノが考えそうな事といったら、私の顔に傷を付ける、もしくは貞操を奪わせるとかでしょうね。
となると、私が1人にならなければ基本は大丈夫。
ただ、お茶会の時はわざと1人になるべきかしら…。
マーニャ嬢、キトロフ夫妻の事も恨んでいるようだから、お茶会で私が襲われる事により、キトロフ家の不祥事になるから、それも考えているのかも。
トーリはマーニャ嬢を賢くないと言っていたから、そこまでの考えはない?
難しいところね。
「ルリ様……」
資料とにらめっこをしていた時間が長すぎたのか、アザレアが心配そうな顔で私に声をかけてきた。
「ごめんなさい。少し考え事をしてたの。もう、2人共満足した? って…、こんな短い時間じゃ満足なんかできないわよね?」
「ルリ様!」
笑う私に、アザレアが顔を赤くして抗議してくる。
トーリは苦笑して、アザレアを宥めたあと、私に言う。
「ルリ様、あまり、アザレアをからかわないで下さいね?」
「そうね。アザレア、からかったりしてごめんなさい」
「そんな! こちらこそ、ムキになってしまって申し訳ございません!」
アザレアは、深々と頭を下げてきた。
こんな良い子の姉なのに、マーニャ嬢はそんなに悪い人なのかしら?
正直、トーリの話が信じられないところでもあったけれど、実際に目の前にして、私は彼の言っていた事が正しいと知る事になる。
妹のものを奪うものが好きな姉で、アザレアが長年好きだった男性を、彼女自身は結婚していたのに奪うような真似をしたのだそう。
アザレアは素直な良い子だし、きっと傷付いたでしょうね…。
でも、今となってはトーリのような婚約者が出来たのだから、良かったと思えているかもしれないけれど。
あと、アズが言っていた、トーリのアザレアへの態度は面白いくらいにわかりやすかった。
「ルリ様、アズアルド殿下からの資料をお持ちしました」
「ありがとう」
何の資料かと思ったけれど、今度、出席する予定のお茶会についての詳しい内容が書かれていたので、アザレアには見られないように受け取り、ソファーに座って目を通す事にした。
せっかくなので、トーリに声を掛けておく。
「トーリ、時間があるなら、アザレアとお話してもいいわよ」
「ありがとうございます」
「いけません、ルリ様! 私は仕事中でございます!」
「主が良いと言っているのだから良いのよ。アズにお返事したいから、その返事を書き終わるまで待っててもらいたいし」
アザレアは本当にそれで良いのか迷っていたみたいだけれど、トーリが話しかける。
「せっかくなんだし話そう。アザレアは元気だったか?」
「……はい。といっても、3日前にお会いしたじゃないですか」
「3日前だろ?」
ちらりとトーリの顔を見ると、彼は普段は見せない優しい表情でアザレアを見つめていた。
アザレアもなんだかんだと嬉しそうで、ニヤニヤといったら言葉が悪いけれど、笑みがこぼれてしまいそうなのを何とかこらえる。
あまり、見ているのも失礼なので、資料に集中する事にした。
やはり、マーニャ嬢とルピノは繋がっていて、私をマーニャ嬢が狙い、ルピノがアザレアを狙う事によって、お互いに関与せずに、私やアザレアという邪魔者を排除しようとしている感じで動いているみたいだった。
ルピノは自分の執事を使って、アザレアと接触しようとしているみたいだけれど、ルピノ自身は家からは動いていない。
偶然を装って、ルピノは何らかの形でアザレアに何かをしようとしていて、マーニャ嬢は私の事を傷付けようとしている。
それが、今わかる事らしい。
ルピノが考えそうな事といったら、私の顔に傷を付ける、もしくは貞操を奪わせるとかでしょうね。
となると、私が1人にならなければ基本は大丈夫。
ただ、お茶会の時はわざと1人になるべきかしら…。
マーニャ嬢、キトロフ夫妻の事も恨んでいるようだから、お茶会で私が襲われる事により、キトロフ家の不祥事になるから、それも考えているのかも。
トーリはマーニャ嬢を賢くないと言っていたから、そこまでの考えはない?
難しいところね。
「ルリ様……」
資料とにらめっこをしていた時間が長すぎたのか、アザレアが心配そうな顔で私に声をかけてきた。
「ごめんなさい。少し考え事をしてたの。もう、2人共満足した? って…、こんな短い時間じゃ満足なんかできないわよね?」
「ルリ様!」
笑う私に、アザレアが顔を赤くして抗議してくる。
トーリは苦笑して、アザレアを宥めたあと、私に言う。
「ルリ様、あまり、アザレアをからかわないで下さいね?」
「そうね。アザレア、からかったりしてごめんなさい」
「そんな! こちらこそ、ムキになってしまって申し訳ございません!」
アザレアは、深々と頭を下げてきた。
こんな良い子の姉なのに、マーニャ嬢はそんなに悪い人なのかしら?
正直、トーリの話が信じられないところでもあったけれど、実際に目の前にして、私は彼の言っていた事が正しいと知る事になる。
95
あなたにおすすめの小説
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
夫「お前は価値がない女だ。太った姿を見るだけで吐き気がする」若い彼女と再婚するから妻に出て行け!
佐藤 美奈
恋愛
華やかな舞踏会から帰宅した公爵夫人ジェシカは、幼馴染の夫ハリーから突然の宣告を受ける。
「お前は価値のない女だ。太った姿を見るだけで不快だ!」
冷酷な言葉は、長年連れ添った夫の口から発せられたとは思えないほど鋭く、ジェシカの胸に突き刺さる。
さらにハリーは、若い恋人ローラとの再婚を一方的に告げ、ジェシカに屋敷から出ていくよう迫る。
優しかった夫の変貌に、ジェシカは言葉を失い、ただ立ち尽くす。
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
余命3ヶ月と言われたので静かに余生を送ろうと思ったのですが…大好きな殿下に溺愛されました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のセイラは、ずっと孤独の中生きてきた。自分に興味のない父や婚約者で王太子のロイド。
特に王宮での居場所はなく、教育係には嫌味を言われ、王宮使用人たちからは、心無い噂を流される始末。さらに婚約者のロイドの傍には、美しくて人当たりの良い侯爵令嬢のミーアがいた。
ロイドを愛していたセイラは、辛くて苦しくて、胸が張り裂けそうになるのを必死に耐えていたのだ。
毎日息苦しい生活を強いられているせいか、最近ずっと調子が悪い。でもそれはきっと、気のせいだろう、そう思っていたセイラだが、ある日吐血してしまう。
診察の結果、母と同じ不治の病に掛かっており、余命3ヶ月と宣言されてしまったのだ。
もう残りわずかしか生きられないのなら、愛するロイドを解放してあげよう。そして自分は、屋敷でひっそりと最期を迎えよう。そう考えていたセイラ。
一方セイラが余命宣告を受けた事を知ったロイドは…
※両想いなのにすれ違っていた2人が、幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いいたします。
他サイトでも同時投稿中です。
王命により、婚約破棄されました。
緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる