価値がないと言われた私を必要としてくれたのは、隣国の王太子殿下でした

風見ゆうみ

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19.5 浅はかなルピノ視点

 マーニャとかいう女性に連絡を取って、私の策にのってもらえる様になったのは良かったのだけれど、中々、話が進まなかった。

 私達が直接動くと、すぐにバレてしまうから、私はマーニャが不幸にしたがっているアザレアという女性を、マーニャはお姉様を傷つけるという事にした。

 マーニャ自身とお姉様は無関係だし、私とアザレアという女性は会った事もないのだから、犯人として疑われる事もない。

 私はマーニャに、お姉様を他の男に襲わせるように指示をした。
 すると、マーニャは同じようにアザレアを他の男に襲わせるように指示してきた。

 だから、私の執事を隣国へ赴かせて、アザレアとかいう女性を襲わせようとした。
 なのに、一向に任務が達成したという連絡がこない。
 
 本当に役立たずだわ。

 セイン殿下にこの話をしたところ、彼はこの計画を止めてきた。

「ルリはこのままだと王太子妃になるんだぞ!? 計画が失敗して、お前が画策したとわかったら、どうなるかわかっているのか!?」
「何を言っているんですか。お姉様を王太子妃にさせない為にそうするんです。セイン殿下はお姉様に戻ってきてほしくないのですか?」
「戻ってきてはほしい…。だけど、そのやり方は良くないんじゃ…」
「もう決めた事です。セイン殿下はお姉様が戻ってきた時の事を考えておいた方が良いのではないですか?」
「お前にそんな事を言われたくない! 大体、君の父は出て行ったんだろ!? いつまで公爵令嬢ぶっているつもりだ!?」
「ぶっているんじゃありません! 公爵令嬢なんです!」

 お父様とお母様の離婚は裁判に持ち込まれる事になった。

 お母様に聞くと、このままじゃ裁判に負けて、お父様とは離婚になるとの事だった。

 こんな事になったのは全部、お姉様のせいだわ。
 ちゃんと罰を与えないと。

 お姉様が誰かに襲われて、顔に傷をつけるなりなんなりされたら、アズだって見限るはず!

 お姉様はショックを受けるだろうし、十分なバツだわ。

 そして、アズは私を選んでくれるのよ!



***

 ルピノはアズアルドが自分を迎えに来てくれる日が近付いてきたと勝手に喜んでいたが、彼女はアザレアとマーニャの事情を知らなかった。

 アズ達がルピノやマーニャの動きに気づいているという事もだ。

 そして、彼女は都合の悪い事は忘れるタイプだった。

 だから、ルリが剣術や護身術を学んでいるという事なんて、彼女の頭からすっかり抜け落ちていたのだった。




 

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