価値がないと言われた私を必要としてくれたのは、隣国の王太子殿下でした

風見ゆうみ

文字の大きさ
23 / 50

19.5 浅はかなルピノ視点

しおりを挟む
 マーニャとかいう女性に連絡を取って、私の策にのってもらえる様になったのは良かったのだけれど、中々、話が進まなかった。

 私達が直接動くと、すぐにバレてしまうから、私はマーニャが不幸にしたがっているアザレアという女性を、マーニャはお姉様を傷つけるという事にした。

 マーニャ自身とお姉様は無関係だし、私とアザレアという女性は会った事もないのだから、犯人として疑われる事もない。

 私はマーニャに、お姉様を他の男に襲わせるように指示をした。
 すると、マーニャは同じようにアザレアを他の男に襲わせるように指示してきた。

 だから、私の執事を隣国へ赴かせて、アザレアとかいう女性を襲わせようとした。
 なのに、一向に任務が達成したという連絡がこない。
 
 本当に役立たずだわ。

 セイン殿下にこの話をしたところ、彼はこの計画を止めてきた。

「ルリはこのままだと王太子妃になるんだぞ!? 計画が失敗して、お前が画策したとわかったら、どうなるかわかっているのか!?」
「何を言っているんですか。お姉様を王太子妃にさせない為にそうするんです。セイン殿下はお姉様に戻ってきてほしくないのですか?」
「戻ってきてはほしい…。だけど、そのやり方は良くないんじゃ…」
「もう決めた事です。セイン殿下はお姉様が戻ってきた時の事を考えておいた方が良いのではないですか?」
「お前にそんな事を言われたくない! 大体、君の父は出て行ったんだろ!? いつまで公爵令嬢ぶっているつもりだ!?」
「ぶっているんじゃありません! 公爵令嬢なんです!」

 お父様とお母様の離婚は裁判に持ち込まれる事になった。

 お母様に聞くと、このままじゃ裁判に負けて、お父様とは離婚になるとの事だった。

 こんな事になったのは全部、お姉様のせいだわ。
 ちゃんと罰を与えないと。

 お姉様が誰かに襲われて、顔に傷をつけるなりなんなりされたら、アズだって見限るはず!

 お姉様はショックを受けるだろうし、十分なバツだわ。

 そして、アズは私を選んでくれるのよ!



***

 ルピノはアズアルドが自分を迎えに来てくれる日が近付いてきたと勝手に喜んでいたが、彼女はアザレアとマーニャの事情を知らなかった。

 アズ達がルピノやマーニャの動きに気づいているという事もだ。

 そして、彼女は都合の悪い事は忘れるタイプだった。

 だから、ルリが剣術や護身術を学んでいるという事なんて、彼女の頭からすっかり抜け落ちていたのだった。




 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫「お前は価値がない女だ。太った姿を見るだけで吐き気がする」若い彼女と再婚するから妻に出て行け!

佐藤 美奈
恋愛
華やかな舞踏会から帰宅した公爵夫人ジェシカは、幼馴染の夫ハリーから突然の宣告を受ける。 「お前は価値のない女だ。太った姿を見るだけで不快だ!」 冷酷な言葉は、長年連れ添った夫の口から発せられたとは思えないほど鋭く、ジェシカの胸に突き刺さる。 さらにハリーは、若い恋人ローラとの再婚を一方的に告げ、ジェシカに屋敷から出ていくよう迫る。 優しかった夫の変貌に、ジェシカは言葉を失い、ただ立ち尽くす。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます

tartan321
恋愛
最後の結末は?????? 本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。

結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。

佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。 結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。 アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。 アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

王命により、婚約破棄されました。

緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。

母が病気で亡くなり父と継母と義姉に虐げられる。幼馴染の王子に溺愛され結婚相手に選ばれたら家族の態度が変わった。

佐藤 美奈
恋愛
最愛の母モニカかが病気で生涯を終える。娘の公爵令嬢アイシャは母との約束を守り、あたたかい思いやりの心を持つ子に育った。 そんな中、父ジェラールが再婚する。継母のバーバラは美しい顔をしていますが性格は悪く、娘のルージュも見た目は可愛いですが性格はひどいものでした。 バーバラと義姉は意地のわるそうな薄笑いを浮かべて、アイシャを虐げるようになる。肉親の父も助けてくれなくて実子のアイシャに冷たい視線を向け始める。 逆に継母の連れ子には甘い顔を見せて溺愛ぶりは常軌を逸していた。

地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。

処理中です...