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33.5 怯えるルピノ視点
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やっと外に出られたと思ったのに、また狭い場所に移されてしまった。
住みやすい環境にはなったけれど、窓は開かないようになっているし、部屋から一歩も出られない。
それに、今までみたいに、私の身の安全は確保されているわけではなさそうだった。
私をいつも助けてくれていた、お母様は、どうなったのかわからない。
収容所から伯父様に連れて行かれそうになった時に、私を助けようとしてくれて、伯父様に何度も殴られていた。
死んでしまっていたらどうしよう。
そう思うと、怖くて涙が出てきた。
動かなくなったお母様を伯父様は、シーツがいっぱい入ったカートの中に入れて、シーツで隠して一緒に外へ出た。
買収されていた人も多かったし、門の所では疑われたけれど、出ることが出来たのは、この国の公爵令息が手を貸したからなんだそう。
アズだったら良かったのに!
というか、アズは何をしているのよ!?
私がこんなにピンチなんだから、今すぐに助けに来るべきじゃないの!?
って、アズは私が生きている事を知らないのよね。
どうしたら、アズに会えるの?
ううん。
それよりも、お母様だわ。
今、お母様しか私を助けてくれる人はいないんだから。
その時、私がいる部屋に向かって近付いてくる足音が聞こえた。
それは1つではなく2つだった。
1人はお母様でありますように!
そう祈って、扉が開かれるのを待っていると、案の定、扉の前で足音が止まり、鍵が開けられた。
中に入ってきたのは、伯父様と見覚えのない若い男性だった。
伯父様はニヤニヤと笑みを浮かべて、ベッドの上に座っている私に近付いてくる。
「さあ、ルピノ。伯父さんと一緒に来ようねぇ?」
「待て! ルピノ嬢は俺のものだ。お前には渡さん」
中肉中背で金髪碧眼の若い男性は、腰に携えていた剣の柄に触れた。
「物騒な事はしないでくれ!」
「ルピノ嬢を逃がすことが出来たのは俺のおかげなんだ! お前の力では収容所からルピノ嬢を連れ出せなかったんだぞ! しかも、彼女の母親にまで暴力を!」
「あ、あのっ!」
男性の口から、お母様の話題が出たので、どうなったのか聞いてみる。
「私のお母様はどうなったのですか!?」
「……生きてはいるよ。今はベッドから起きられない状態だけどな。それよりも、はじめまして、俺はフィールと言うんだ」
「は、はじめまして、ルピノ・ヤイネバと申します。あの、お母様に会いたいんですけど……、どうすれば会えますか?」
フィールという男性に尋ねると、彼は笑顔で言う。
「会わせる事は出来るよ。だけど、1つお願いがあるんだ」
「お願い……?」
「ああ。会わせるし、君達の面倒も一生見るから、俺の妾になってくれ」
「駄目だ! ルピノは渡さない!」
私が答える前に伯父様がフィール様につかみかかった。
「やめろ!」
取っ組み合いになったその時、慌てて駆け寄ってきた騎士が伯父様の背中を斬りつけた。
伯父様は悲鳴を上げて、フィール様から離れた。
傷は浅いようで、服は破けているけれど、血はそんなには流れていなかった。
フィール様はそんな伯父様を見て言う。
「死ぬような傷じゃない。治療してやるよ。だけど、ルピノ嬢を俺に渡す事が条件だ」
「そ……、そんな……! やっと、手に入ると思ったのに……!」
伯父様は私を見て叫んだ。
やめてよ、見ないでよ、気持ち悪い!
私がそんな事を口に出す前に、フィール様が口を開く。
「ヤイネバ家が今、どうなっているか知らないのか?」
「どういう事だ?」
「ルピノ嬢を収容所から連れ出した容疑者の家なんだから、家宅捜索されてるよ。あんたには戻る場所はない」
「な、なんだって!?」
「そんな事、考えなくてもわかるだろ。頭が悪すぎる」
フィール様は笑ってから私に視線を向ける。
「どうする、こいつは君にとって必要?」
伯父様を指差して聞いてくるフィール様の顔は本当に恐ろしかった。
住みやすい環境にはなったけれど、窓は開かないようになっているし、部屋から一歩も出られない。
それに、今までみたいに、私の身の安全は確保されているわけではなさそうだった。
私をいつも助けてくれていた、お母様は、どうなったのかわからない。
収容所から伯父様に連れて行かれそうになった時に、私を助けようとしてくれて、伯父様に何度も殴られていた。
死んでしまっていたらどうしよう。
そう思うと、怖くて涙が出てきた。
動かなくなったお母様を伯父様は、シーツがいっぱい入ったカートの中に入れて、シーツで隠して一緒に外へ出た。
買収されていた人も多かったし、門の所では疑われたけれど、出ることが出来たのは、この国の公爵令息が手を貸したからなんだそう。
アズだったら良かったのに!
というか、アズは何をしているのよ!?
私がこんなにピンチなんだから、今すぐに助けに来るべきじゃないの!?
って、アズは私が生きている事を知らないのよね。
どうしたら、アズに会えるの?
ううん。
それよりも、お母様だわ。
今、お母様しか私を助けてくれる人はいないんだから。
その時、私がいる部屋に向かって近付いてくる足音が聞こえた。
それは1つではなく2つだった。
1人はお母様でありますように!
そう祈って、扉が開かれるのを待っていると、案の定、扉の前で足音が止まり、鍵が開けられた。
中に入ってきたのは、伯父様と見覚えのない若い男性だった。
伯父様はニヤニヤと笑みを浮かべて、ベッドの上に座っている私に近付いてくる。
「さあ、ルピノ。伯父さんと一緒に来ようねぇ?」
「待て! ルピノ嬢は俺のものだ。お前には渡さん」
中肉中背で金髪碧眼の若い男性は、腰に携えていた剣の柄に触れた。
「物騒な事はしないでくれ!」
「ルピノ嬢を逃がすことが出来たのは俺のおかげなんだ! お前の力では収容所からルピノ嬢を連れ出せなかったんだぞ! しかも、彼女の母親にまで暴力を!」
「あ、あのっ!」
男性の口から、お母様の話題が出たので、どうなったのか聞いてみる。
「私のお母様はどうなったのですか!?」
「……生きてはいるよ。今はベッドから起きられない状態だけどな。それよりも、はじめまして、俺はフィールと言うんだ」
「は、はじめまして、ルピノ・ヤイネバと申します。あの、お母様に会いたいんですけど……、どうすれば会えますか?」
フィールという男性に尋ねると、彼は笑顔で言う。
「会わせる事は出来るよ。だけど、1つお願いがあるんだ」
「お願い……?」
「ああ。会わせるし、君達の面倒も一生見るから、俺の妾になってくれ」
「駄目だ! ルピノは渡さない!」
私が答える前に伯父様がフィール様につかみかかった。
「やめろ!」
取っ組み合いになったその時、慌てて駆け寄ってきた騎士が伯父様の背中を斬りつけた。
伯父様は悲鳴を上げて、フィール様から離れた。
傷は浅いようで、服は破けているけれど、血はそんなには流れていなかった。
フィール様はそんな伯父様を見て言う。
「死ぬような傷じゃない。治療してやるよ。だけど、ルピノ嬢を俺に渡す事が条件だ」
「そ……、そんな……! やっと、手に入ると思ったのに……!」
伯父様は私を見て叫んだ。
やめてよ、見ないでよ、気持ち悪い!
私がそんな事を口に出す前に、フィール様が口を開く。
「ヤイネバ家が今、どうなっているか知らないのか?」
「どういう事だ?」
「ルピノ嬢を収容所から連れ出した容疑者の家なんだから、家宅捜索されてるよ。あんたには戻る場所はない」
「な、なんだって!?」
「そんな事、考えなくてもわかるだろ。頭が悪すぎる」
フィール様は笑ってから私に視線を向ける。
「どうする、こいつは君にとって必要?」
伯父様を指差して聞いてくるフィール様の顔は本当に恐ろしかった。
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