必要ないと判断したのはそちらでしょう?

風見ゆうみ

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11 どういうことですか?

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 国家間の問題になりそうだということと、わたしとランとの婚約についての返事をするという理由もあったため、陛下との謁見はすぐに認められた。

 お父様が陛下に話をしてくれている間、陛下の許可を取り、わたしとチワーは、ランがいると思われる、王太子殿下の執務室に向かった。

 チワーは他の人にバレないように、バスケットの中で大人しくしている。

 ランは普段は彼の兄である王太子殿下の付き人をしていて、王太子殿下が国王に即位されたあとも、そのまま付き人として働く予定だと聞いた。

 メイドが執務室をノックし、わたしの来訪を告げてくれると、横にある側近用の部屋で待っていてくれと言われた。メイドに案内された部屋で、チワーと大人しく待っていると、少ししてから、ランが入ってきた。

「待たせて悪い」
「気にしないで。こちらこそ、突然、押しかけてしまってごめんなさい」
「ランディス~!」

 わたしとランしかいないので、チワーはバスケットから飛び出し、尻尾をぶんぶん振りながらランに飛びついた。

「何だよ、えらく甘えん坊だな」
「われに会いたかったじゃろ?」
「んー。どうだろうな」
「何じゃと!?」
「まだ離れて1日も経ってないだろ」

 ランが呆れた顔をして身をかがめ、チワーの体を撫でながら言った時だった。
 バタバタと足音が聞こえ、足音が止まると同時に、部屋の扉がノックされた。

 慌てて、チワーをバスケットの中に隠してから、ランが返事をする。

「誰だ?」
「テラエルです」

 返ってきた声はお父様の声だった。

 ランが頷いたのを確認して、わたしが慌てて扉を開けると、お父様は部屋の中に入ってくるなり、焦った顔で言う。

「リンファ、家から連絡が来たんだが、サウロン陛下が家に来ているらしい」
「サウロン陛下が!?」
「ああ。どうやら、魔物が結界の張られていない場所から出てきたらしく、なぜか、サウロン陛下だけを狙っているらしい」
「どういうことですか?」

 サウロン陛下だけを狙っているという意味が分からなくて聞き返すと、お父様は渋い顔をして答える。

「私にもよくわからないが、とにかくリンファを出せと言っている。他国とはいえ国王陛下だ。命令をいつまでも無視するわけにはいかない。しかも、家に来ているのでは余計にな」
「わかりました」

 頷くと、お父様だけだとわかったチワーはバスケットの中から飛び出して叫ぶ。

「たしか、サウロンという奴はリンファの元婚約者じゃったな!? よし、ランディス! お主も一緒に行って、リンファへの愛を叫ぶのじゃ!」
「一緒には行くけど、愛は叫ばん!!」
「なぜじゃ!? ランディスはリンファのことが好きなんじゃろ!? ま、まさか、お主、好きでもないおなごと婚約するつもりなのか!?」
「違う! そっちの話じゃない! サウロン陛下に愛は叫ばないって意味だよ!」
「別に、われはサウロンとかいう男への愛を叫べとは言っておらん! リンファへの愛を叫べと!」
「ああ、もういい! とにかく俺も行きます!」

 ランはチワーを片手で持ち上げてバスケットの中に押し込むと、お父様に向かって叫んだのだった。






※長編から短編に変更いたしました。あと3話~4話で終わる予定です。(新作を書いてまして、そちらに頭がもっていかれてしまっており、書きたかったエピソードはあるのですが、筆が止まる前に完結させます。申し訳ございません!)
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