【完結】異世界召喚されたのはこの俺で間違いない?

苔原りゐ

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神器の選定

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神父はさらに説明を続けた。「聖杯だけではなく、この地には影の王に対抗するために作られた神器が他にも存在する。武器としての神器だ。」

「武器……?」俺は興味を引かれながら神父を見つめた。

「そうだ。これらの神器はかつて影の力と戦うために作られたものだが、扱える者は限られている。それぞれの神器は持つ者の意志と力を試し、それに応じた力を引き出す。君たちが訓練を受ける間に、その中のいくつかを選び、影の王との戦いに備えて欲しい。」

神父は教会の奥へと案内し、厚い鉄扉を開いた。その中には、厳重に保管された武器や装備が並んでいる部屋が広がっていた。壁には剣、槍、弓、杖といった様々な武器がかかっており、それぞれが薄い光を放っている。まるで、その武器自体が生きているかのようだった。

「これが……神器?」エリザが息を呑む。

「そうだ。それぞれの神器には特殊な能力が秘められている。ただし、持つ者を選ぶ。無理に触れれば命を奪われることもあるだろう。」神父が優しい眼差しで俺たちを見つめた。

「試す価値はありそうだな。」俺は目の前の武器を見つめながら剣を手に取ろうと手を伸ばした。その瞬間、剣が薄い光を放ち、俺の手を試すかのように熱を感じさせた。

「この剣……俺に応えている?」俺は剣を握ると、手の中にしっくりと収まる感覚を覚えた。剣の刃には赤と金の文様が浮かび上がり、静かに輝いている。

「それは『暁の断罪』と呼ばれる剣だ。」神父が近づきながら説明する。「浄化の力を持ち、影の力に対して絶大な効果を発揮する神器の一つだ。」

一方、エリザは壁にかけられていた杖に手を伸ばした。その杖は青と銀の光を放ち、触れた瞬間に彼女の手に馴染むように収まった。

「これも選ばれたのね……、何か書いてあるわ、『天翔の灯火』。」

エリザが杖を掲げると、その先端から小さな光の粒が舞い上がり、周囲を優しく照らした。

ユリスのためには、神父が壁にかけられた一本の槍を指し示した。その槍は黒い柄に白銀の刃がついており、全体から淡い青い光が放たれている。

「これは『黎明の槍』。影に染まったものを貫き、その闇を消し去る力を持つ。」神父が説明する。

「槍……?」俺はその武器を見つめながら尋ねた。「ユリスに槍が使えるのか?」

「彼女の迅速で正確な動きに適している。短剣も合うだろうが、より大きな力を扱うためには、この槍が最適だ。」神父は自信を持ってそう言った。

「ユリスに似合いそうね。」エリザが微笑む。

リリには、弓が選ばれていた。「これは……『黎明の弓』だ。」神父が説明する。「これもまた、影の力を狙い撃つために作られたものだ。」

ユリスがまだ療養中で直接手に取ることはできなかったが、神父はその槍をそっと彼女のそばに置いた。「この槍は彼女を守る。そして、彼女がその力を引き出せるときが来るだろう。」

槍は青い光を柔らかく輝かせ、まるでユリスの回復を待ち望むかのように静かに脈動していた。
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