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授業中も放課後も、昨日の出来事のせいで、どうしても理光を避けてしまっていた。
だけど理光は、まるで何事もなかったかのように振る舞っている。
朝、俺がまだ起きていないうちに、彼はランニングを終えて戻ってきて、朝ごはんを買ってきてくれた。
起き上がると、湯気の立つ豆乳と蒸しパンが、ちょうどいい温度でテーブルに並んでいる。
教室へ向かう途中、俺は振り返って彼に言った。
「理光、あのさ……毎日一緒にいるけど、そんな調子じゃ彼女できないよ?」
彼は口の端をぴくりと上げ、嘲るように笑った。
「お前もずっと俺と一緒にいたろ? それでも彼女できたじゃん。
つまり……くっついてても、浮気する奴はするってことだろ?」
その言葉に、思わず眉をきつく寄せた。何を言ってるんだ、彼は。
まるで俺たちが付き合っているみたいじゃないか。
「俺たち、違うだろ……」
そう言いかけたところで、理光が手をひらりと振って遮った。
「もう着いた。昼に迎えに来るから、俺は授業行ってくる」
そう言うと、彼は風のように駆けて行ってしまった。
教室に入ると、女の子たちの囁き声が聞こえてきた。
「校草がまた光希を送ってきたって! いや、尊すぎる~」
「金融学部と情報学部でキャンパス離れてるのに、半学期も休まずに通ってるなんて信じられない」
「いい男はいい男に奪われるのね……なんか急に恋愛を信じたくなってきた」
チャイムが鳴り、先生が壇上に上がって講義を始める。
だが俺の頭の中は、昨日のあの声でいっぱいだった。
――「光希、好きだ」
温かく落ちた唇の感触を思い出して、頬がじんわりと熱くなる。
理光、もうやめてくれ。
これ以上続いたら、俺は「嫌い」ってふりをしていることすら、できなくなる。
だけど理光は、まるで何事もなかったかのように振る舞っている。
朝、俺がまだ起きていないうちに、彼はランニングを終えて戻ってきて、朝ごはんを買ってきてくれた。
起き上がると、湯気の立つ豆乳と蒸しパンが、ちょうどいい温度でテーブルに並んでいる。
教室へ向かう途中、俺は振り返って彼に言った。
「理光、あのさ……毎日一緒にいるけど、そんな調子じゃ彼女できないよ?」
彼は口の端をぴくりと上げ、嘲るように笑った。
「お前もずっと俺と一緒にいたろ? それでも彼女できたじゃん。
つまり……くっついてても、浮気する奴はするってことだろ?」
その言葉に、思わず眉をきつく寄せた。何を言ってるんだ、彼は。
まるで俺たちが付き合っているみたいじゃないか。
「俺たち、違うだろ……」
そう言いかけたところで、理光が手をひらりと振って遮った。
「もう着いた。昼に迎えに来るから、俺は授業行ってくる」
そう言うと、彼は風のように駆けて行ってしまった。
教室に入ると、女の子たちの囁き声が聞こえてきた。
「校草がまた光希を送ってきたって! いや、尊すぎる~」
「金融学部と情報学部でキャンパス離れてるのに、半学期も休まずに通ってるなんて信じられない」
「いい男はいい男に奪われるのね……なんか急に恋愛を信じたくなってきた」
チャイムが鳴り、先生が壇上に上がって講義を始める。
だが俺の頭の中は、昨日のあの声でいっぱいだった。
――「光希、好きだ」
温かく落ちた唇の感触を思い出して、頬がじんわりと熱くなる。
理光、もうやめてくれ。
これ以上続いたら、俺は「嫌い」ってふりをしていることすら、できなくなる。
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