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「アレックス、気を利かせてくれてありがとう」
「ふっふーん。久しぶりのミレリア嬢はどうだった?」
「………………可愛かった」
ニヤニヤした顔をしたアレックス。
これ以上揶揄われたくなかったので、クロヴィスはアレックスの執務室を後にした。
久しぶりにミレリアに再会をしてから幾日経っただろうか。
片手では数え切れない程会っている。
ミレリアには婚約者がいないようだ。
それに、昔のように私に笑顔を見せてくれるし、これは期待しても良いのだろうか。
覚悟を決めたクロヴィスは、後日ミレリアをバラが咲き誇る庭園に呼び出した。
「クロヴィス殿下、連れてきて下さってありがとうございます」
「喜んでもらえたなら良かった」
クロヴィスはミレリアの笑顔を見られて一安心する。
「ミレリア嬢、もし君が私の事を許してくれるのであれば、君とやり直したい」
「えっ、えっと、それは」
不思議そうな顔をしてクロヴィスを見上げたミレリア。
「夫婦として、君とやり直したい。やはり難しいだろうか」
やはり、ミレリアを傷つけた自分に好意を伝えられても困るよな。
クロヴィスの顔が強張った。
「夫婦……」
ミレリアは驚いた様子で目を見張った。
「すまない。驚かせるつもりはなかったんだ。今のは聞かなかった事にして欲しい。出来れば今までのように会って欲しいのだが。いや、虫が良すぎる話だな。未練がましくて自分が恥ず」
「お待ち下さい」
早口でまくしたてていたクロヴィスの言葉を、ミレリアは遮った。
「クロヴィス殿下。貴方に許していただけるのなら、私もやり直したいです。もう一度、私をクロヴィス殿下の妻にしていただけないでしょうか」
「本当に? 私は半年という長い間、君を傷つけた。本当にいいのか」
「はい。クロヴィス殿下がいいです。ずっとお慕いしておりました」
「私もミレリア嬢だけを想っていた」
ミレリアは頬を赤く染めた。
クロヴィスはミレリアの頬にそっと手を伸ばす。
「触っていいだろうか」
「はい」
「抱きしめてもいいだろうか」
「はい」
はにかむ様子のミレリアを、クロヴィスはそっと抱きしめた。
それから、二度目の結婚式を挙げて子どもも生まれた。
そして、クロヴィスにとっての一番の問題だったアレックスは、今の所真面目に働いている。
国王もアレックスに期待をするようになり、王位を譲る日もそんなに遠くないかもしれない。
「アレックス。あの日ミレリアと会わせてくれてありがとう」
「いや。兄上には王位を譲って貰ったからさ。少しでも役に立ちたいと思ったんだ」
「アレックスは王妃様の息子なんだから、元々王太子になるのはアレックスだっただろう? もとの形に戻っただけだから気にするな」
アレックスは困った顔をしてクロヴィスを見た。
「とにかく、兄上が幸せそうで良かったよ。じゃあ、僕はこれからレオンを連れて叔父上に会いに行くから」
「そうか。引き止めてすまない」
そう言うとアレックスは息子のレオンの部屋へ向かって行った。
クロヴィスは仕事を片付けて、少しでも早くミレリアに会う為に仕事に集中したのだった。
(クロヴィス視点おわり)
「ふっふーん。久しぶりのミレリア嬢はどうだった?」
「………………可愛かった」
ニヤニヤした顔をしたアレックス。
これ以上揶揄われたくなかったので、クロヴィスはアレックスの執務室を後にした。
久しぶりにミレリアに再会をしてから幾日経っただろうか。
片手では数え切れない程会っている。
ミレリアには婚約者がいないようだ。
それに、昔のように私に笑顔を見せてくれるし、これは期待しても良いのだろうか。
覚悟を決めたクロヴィスは、後日ミレリアをバラが咲き誇る庭園に呼び出した。
「クロヴィス殿下、連れてきて下さってありがとうございます」
「喜んでもらえたなら良かった」
クロヴィスはミレリアの笑顔を見られて一安心する。
「ミレリア嬢、もし君が私の事を許してくれるのであれば、君とやり直したい」
「えっ、えっと、それは」
不思議そうな顔をしてクロヴィスを見上げたミレリア。
「夫婦として、君とやり直したい。やはり難しいだろうか」
やはり、ミレリアを傷つけた自分に好意を伝えられても困るよな。
クロヴィスの顔が強張った。
「夫婦……」
ミレリアは驚いた様子で目を見張った。
「すまない。驚かせるつもりはなかったんだ。今のは聞かなかった事にして欲しい。出来れば今までのように会って欲しいのだが。いや、虫が良すぎる話だな。未練がましくて自分が恥ず」
「お待ち下さい」
早口でまくしたてていたクロヴィスの言葉を、ミレリアは遮った。
「クロヴィス殿下。貴方に許していただけるのなら、私もやり直したいです。もう一度、私をクロヴィス殿下の妻にしていただけないでしょうか」
「本当に? 私は半年という長い間、君を傷つけた。本当にいいのか」
「はい。クロヴィス殿下がいいです。ずっとお慕いしておりました」
「私もミレリア嬢だけを想っていた」
ミレリアは頬を赤く染めた。
クロヴィスはミレリアの頬にそっと手を伸ばす。
「触っていいだろうか」
「はい」
「抱きしめてもいいだろうか」
「はい」
はにかむ様子のミレリアを、クロヴィスはそっと抱きしめた。
それから、二度目の結婚式を挙げて子どもも生まれた。
そして、クロヴィスにとっての一番の問題だったアレックスは、今の所真面目に働いている。
国王もアレックスに期待をするようになり、王位を譲る日もそんなに遠くないかもしれない。
「アレックス。あの日ミレリアと会わせてくれてありがとう」
「いや。兄上には王位を譲って貰ったからさ。少しでも役に立ちたいと思ったんだ」
「アレックスは王妃様の息子なんだから、元々王太子になるのはアレックスだっただろう? もとの形に戻っただけだから気にするな」
アレックスは困った顔をしてクロヴィスを見た。
「とにかく、兄上が幸せそうで良かったよ。じゃあ、僕はこれからレオンを連れて叔父上に会いに行くから」
「そうか。引き止めてすまない」
そう言うとアレックスは息子のレオンの部屋へ向かって行った。
クロヴィスは仕事を片付けて、少しでも早くミレリアに会う為に仕事に集中したのだった。
(クロヴィス視点おわり)
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