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ランズ王国執務室改築計画
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この日もまた、フィリップスは頬杖をつき、目の前で繰り広げられる兄弟のお茶会を恨めしそうに見つめていた。
…だからね、ここは茶飲み場じゃないんだよ。
男ばかりでむさ苦しい空気を入れ替えるよう、フィリップスは窓を開けて新しい空気を入れた。
そこへガチャリと扉が開く。振り返らずとも、フィリップスには誰が入ってくるか理解できた。
静かに振り返ると、そこにはまるでずっとそこに居たかのように、ソファで寛ぐテオドール。
…だからな、側近ならば後ろに控えろ!
フィリップスの心の声を楽しむかのように、テオドールはニヤリと笑う。
「フィリップス、ごめんなさいね。何だかお邪魔だったかしら」
「義姉上、お待ちしておりましたよ」
フィリップスの心知らず、ヨハネスはクラリスにお茶をおねだりしている。
フィリップスは怪訝そうに見つめるも、ランズ王国の王子たちは楽しそうに話し込んでいた。
…
「ところでクラリス、何を持っている?」
アルフレッドがクラリスの手にある大きな巻物を見て問うと、クラリスは破顔してテーブルに広げた。
「これは、ここの改築工事の図面よ」
…改築工事?
皆はフリードリヒに視線を流すも、
「うん、ここは少し手狭になってきたからね?」
…いやいや、私と二人なら十分広いですが?
フィリップスはぐるりと、お茶を楽しむ面々を眺める。
「だからね、ほら!見てみて!フィリップスもね?」
目の前に広げられた図面と完成図を見て、一同は驚きのあまり固まった。
「中央には殿下と私のデスクね」
それ以上の説明は不要だ。誰が見ても理解できる。
左サイドにデスク二つ、右サイドに二つ、中央手前に二つ。デスクが合計八つ。誰がどう見ても、ここに集まる面々のデスクだ。
…いやいや、何もお引越しまでされなくても。
「これならわざわざここに出向かなくても、いつでもお茶ができるわよ?それに決裁も滞りなく進む。派閥間の入れ知恵をする貴族たちも、これじゃやりにくいわよ♬」
嬉しそうなクラリス。しかし、王子たちが一箇所に集まるのはどうか。
フィリップスが口を開こうとした瞬間、アルフレッドが言った。
「なるほどな。なかなか名案だ」
…どこがだよ?
「いつでも義姉上のお茶が飲めるんだね?」
…あんたはそこかい!
ヨハネスを睨むフィリップスだが、側近たちは恐れ多そうに口を開いた。
「私たちまでよろしいのですか?」
…そうだ、その通り。お前は伯爵家の次男坊。王太子と同じ部屋で執務なんて、恐れ多いよな。分かる分かる。
納得のフィリップス。
「アンドラは執務がやりにくくなるか?」
フリードリヒの言葉に、アンドラは答える。
「いえ、光栄の極みでございます」
…そうだ、ファビウス。お前は困るよな。孤高な侯爵令息の名において、こんな仲良しこよしの執務室じゃ仕事もできまい。
フィリップスがファビウスに視線を流すと、ファビウスは嬉しそうに図面を覗き込んでいる。
フィリップスは頭を抱え、最後の頼みの綱であるテオドールを見た。
テオドールは珍しく無言で図面を見つめ、何やら悩んでいる。
…おぉ、流石は我が国の筆頭公爵家嫡男だ。
フィリップスは思わずテオドールの肩を抱くと、テオドールは視線を返し微笑み、小さな声で囁いた。
「じゃじゃ馬のお守りの負担が軽減されてラッキーだよ。頼むな」
フィリップスはガクンと肩を落とし、広げられた完成図を眺めてため息をついた。
…集団行動は苦手なんだ。
…だからね、ここは茶飲み場じゃないんだよ。
男ばかりでむさ苦しい空気を入れ替えるよう、フィリップスは窓を開けて新しい空気を入れた。
そこへガチャリと扉が開く。振り返らずとも、フィリップスには誰が入ってくるか理解できた。
静かに振り返ると、そこにはまるでずっとそこに居たかのように、ソファで寛ぐテオドール。
…だからな、側近ならば後ろに控えろ!
フィリップスの心の声を楽しむかのように、テオドールはニヤリと笑う。
「フィリップス、ごめんなさいね。何だかお邪魔だったかしら」
「義姉上、お待ちしておりましたよ」
フィリップスの心知らず、ヨハネスはクラリスにお茶をおねだりしている。
フィリップスは怪訝そうに見つめるも、ランズ王国の王子たちは楽しそうに話し込んでいた。
…
「ところでクラリス、何を持っている?」
アルフレッドがクラリスの手にある大きな巻物を見て問うと、クラリスは破顔してテーブルに広げた。
「これは、ここの改築工事の図面よ」
…改築工事?
皆はフリードリヒに視線を流すも、
「うん、ここは少し手狭になってきたからね?」
…いやいや、私と二人なら十分広いですが?
フィリップスはぐるりと、お茶を楽しむ面々を眺める。
「だからね、ほら!見てみて!フィリップスもね?」
目の前に広げられた図面と完成図を見て、一同は驚きのあまり固まった。
「中央には殿下と私のデスクね」
それ以上の説明は不要だ。誰が見ても理解できる。
左サイドにデスク二つ、右サイドに二つ、中央手前に二つ。デスクが合計八つ。誰がどう見ても、ここに集まる面々のデスクだ。
…いやいや、何もお引越しまでされなくても。
「これならわざわざここに出向かなくても、いつでもお茶ができるわよ?それに決裁も滞りなく進む。派閥間の入れ知恵をする貴族たちも、これじゃやりにくいわよ♬」
嬉しそうなクラリス。しかし、王子たちが一箇所に集まるのはどうか。
フィリップスが口を開こうとした瞬間、アルフレッドが言った。
「なるほどな。なかなか名案だ」
…どこがだよ?
「いつでも義姉上のお茶が飲めるんだね?」
…あんたはそこかい!
ヨハネスを睨むフィリップスだが、側近たちは恐れ多そうに口を開いた。
「私たちまでよろしいのですか?」
…そうだ、その通り。お前は伯爵家の次男坊。王太子と同じ部屋で執務なんて、恐れ多いよな。分かる分かる。
納得のフィリップス。
「アンドラは執務がやりにくくなるか?」
フリードリヒの言葉に、アンドラは答える。
「いえ、光栄の極みでございます」
…そうだ、ファビウス。お前は困るよな。孤高な侯爵令息の名において、こんな仲良しこよしの執務室じゃ仕事もできまい。
フィリップスがファビウスに視線を流すと、ファビウスは嬉しそうに図面を覗き込んでいる。
フィリップスは頭を抱え、最後の頼みの綱であるテオドールを見た。
テオドールは珍しく無言で図面を見つめ、何やら悩んでいる。
…おぉ、流石は我が国の筆頭公爵家嫡男だ。
フィリップスは思わずテオドールの肩を抱くと、テオドールは視線を返し微笑み、小さな声で囁いた。
「じゃじゃ馬のお守りの負担が軽減されてラッキーだよ。頼むな」
フィリップスはガクンと肩を落とし、広げられた完成図を眺めてため息をついた。
…集団行動は苦手なんだ。
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