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断罪後のステラ=トウプチ=エイレン次期侯爵夫人
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何もかも諦めた様な。
絶望を見た様な。
こんな顔をしたリーネを見たのは初めてだった。
生徒会主催のパーティーに教師の出る幕はない。
そう思い、自分の教員室に戻ればリーネがいて驚いた。
「具合でも悪くなったの?ひどい顔だわ!」
パーティーに参加しているはずだった。
てっきり楽しんでいるものだと思っていた。
「大丈夫よ、ステラおば様。メイクを落とすわ。」
リーネは力なく微笑むと洗面台の方へ行ってしまった。
あのメイクをしていると言う事はアラン様と一緒だったのね。
なのにあんな顔色のリーネを1人で帰したの?
もともとあのメイクは気に入らなかった。
リーネにまったく合っていない。
そんなメイクを喜んでいるアラン様にも良い感情を持てずにいた。
(リーネの婚約者になるまでは、むしろ真面目な生徒のイメージだったけれど。こと女性の好みに関してはわからないものだわね。)
似合わないメイクで背伸びして毎朝モリス侯爵令息に会いに行っている婚約者。
そして婚約者にすら塩対応のクール王子
教師の間でも皆知っている事だ。
もっとあなたに似合うメイクがあるわ。
そんな風に言ったことがある。
「でもアラン様がとても喜んでくださるの!」
信じ難いと思っている私にアラン様からの手紙を見せてくれた。
確かにモリス侯爵家の封蝋の封筒、侯爵家の便箋にリーネのメイクや朝の訪問を喜ぶ言葉が綴られていた。
確かに喜んでいるらしい。
同じクラスのセレーナ嬢達と毎日おしゃべりをしながらのメイクの時間も楽しい様だった。
辺境の学園に行っていた頃のリーネは孤立していたそうだ。
それもそのはず、中等部で単位を全て取ってしまう様な秀才は学校に来ない。
要は話が合う子がいなかったのだ。
王都の学園に来る事になった時も、友達ができるかどうか人一倍気にしていた。
そのリーネに友達ができたのだから邪魔はできない。
言いたい事は沢山あれど、言わずに見守っていた。
それでも婚約者との交流の為に通わなくても良い王都の学園に通っているというのに、正式な顔合わせは勉強会を理由にキャンセル。それだけじゃなくランチにすらも誘わないなんて!
交流する気あるの?!
そう抗議を入れようとはしたけれど……夫のロバートに止められる。
あまり口を出すなと言って。
結果、気付けば毎日アラン様とランチも食べる様になっており、言わなくてよかったと胸を撫で下ろしていた。
順調に学園生活を送っている様に思っていたのだけれど。
可愛い素顔を見せて戻ってきたリーネを椅子に座らせ、水を飲ませる。
「少し休んでもう帰りましょうか。それにしても、アラン様は送ってはくださらなかったの?」
そう聞くと水を飲んでいたリーネの顔が強張った。
これは何かあった?
見つめる私に耐えられなくなった様にリーネが口を開いた。
「恥ずかしい話なのだけれど…きっとおば様にも迷惑をかけてしまうから……」
そう言って話し始めた話はとんでもない話だった。
侯爵夫人に相応しくない?
公衆の面前で婚約破棄ですって?
ふざけたことを!!
(よくも!!可愛い姪っ子に碌でもない事をしてくれたわね!)
はらわたが煮えくり返っているのをリーネには隠しながら
(帰れば直ぐに抗議文を送り付けてやるわ)
そう誓った。
次の日には謝罪に伺いたいというモリス侯爵からの先触れが届いた。
とはいえ、リーネに会わせる気など無かった。
「いいえ、私お会いするわ。最後だもの。」
モリス侯爵がリーネに謝罪したいと言っている事を知るとリーネはそう言った。
私達は止めたけれども、リーネの意思が変わる事はなかった。
結局、エイレン侯爵邸に謝罪に訪れるモリス侯爵達をリーネと共に迎える事になった。
絶望を見た様な。
こんな顔をしたリーネを見たのは初めてだった。
生徒会主催のパーティーに教師の出る幕はない。
そう思い、自分の教員室に戻ればリーネがいて驚いた。
「具合でも悪くなったの?ひどい顔だわ!」
パーティーに参加しているはずだった。
てっきり楽しんでいるものだと思っていた。
「大丈夫よ、ステラおば様。メイクを落とすわ。」
リーネは力なく微笑むと洗面台の方へ行ってしまった。
あのメイクをしていると言う事はアラン様と一緒だったのね。
なのにあんな顔色のリーネを1人で帰したの?
もともとあのメイクは気に入らなかった。
リーネにまったく合っていない。
そんなメイクを喜んでいるアラン様にも良い感情を持てずにいた。
(リーネの婚約者になるまでは、むしろ真面目な生徒のイメージだったけれど。こと女性の好みに関してはわからないものだわね。)
似合わないメイクで背伸びして毎朝モリス侯爵令息に会いに行っている婚約者。
そして婚約者にすら塩対応のクール王子
教師の間でも皆知っている事だ。
もっとあなたに似合うメイクがあるわ。
そんな風に言ったことがある。
「でもアラン様がとても喜んでくださるの!」
信じ難いと思っている私にアラン様からの手紙を見せてくれた。
確かにモリス侯爵家の封蝋の封筒、侯爵家の便箋にリーネのメイクや朝の訪問を喜ぶ言葉が綴られていた。
確かに喜んでいるらしい。
同じクラスのセレーナ嬢達と毎日おしゃべりをしながらのメイクの時間も楽しい様だった。
辺境の学園に行っていた頃のリーネは孤立していたそうだ。
それもそのはず、中等部で単位を全て取ってしまう様な秀才は学校に来ない。
要は話が合う子がいなかったのだ。
王都の学園に来る事になった時も、友達ができるかどうか人一倍気にしていた。
そのリーネに友達ができたのだから邪魔はできない。
言いたい事は沢山あれど、言わずに見守っていた。
それでも婚約者との交流の為に通わなくても良い王都の学園に通っているというのに、正式な顔合わせは勉強会を理由にキャンセル。それだけじゃなくランチにすらも誘わないなんて!
交流する気あるの?!
そう抗議を入れようとはしたけれど……夫のロバートに止められる。
あまり口を出すなと言って。
結果、気付けば毎日アラン様とランチも食べる様になっており、言わなくてよかったと胸を撫で下ろしていた。
順調に学園生活を送っている様に思っていたのだけれど。
可愛い素顔を見せて戻ってきたリーネを椅子に座らせ、水を飲ませる。
「少し休んでもう帰りましょうか。それにしても、アラン様は送ってはくださらなかったの?」
そう聞くと水を飲んでいたリーネの顔が強張った。
これは何かあった?
見つめる私に耐えられなくなった様にリーネが口を開いた。
「恥ずかしい話なのだけれど…きっとおば様にも迷惑をかけてしまうから……」
そう言って話し始めた話はとんでもない話だった。
侯爵夫人に相応しくない?
公衆の面前で婚約破棄ですって?
ふざけたことを!!
(よくも!!可愛い姪っ子に碌でもない事をしてくれたわね!)
はらわたが煮えくり返っているのをリーネには隠しながら
(帰れば直ぐに抗議文を送り付けてやるわ)
そう誓った。
次の日には謝罪に伺いたいというモリス侯爵からの先触れが届いた。
とはいえ、リーネに会わせる気など無かった。
「いいえ、私お会いするわ。最後だもの。」
モリス侯爵がリーネに謝罪したいと言っている事を知るとリーネはそう言った。
私達は止めたけれども、リーネの意思が変わる事はなかった。
結局、エイレン侯爵邸に謝罪に訪れるモリス侯爵達をリーネと共に迎える事になった。
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