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断罪後のニコラス
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「なんてことを仕出かしてくれたんだ!!!」
これが怒鳴らずにいられようか!
こともあろうに生徒会主催のパーティーでアランはとんでもない断罪劇を始めたのだ!
「生徒会の面目丸潰れだ!どうしてくれる!!」
婚約破棄の声が会場に響き渡り、慌てて駆け寄ったが間に合わなかった。
ハーフナー伯爵令嬢は婚約破棄を受け入れ会場を出て行ってしまった。
『今流行りの悪役令嬢の断罪劇の余興だ!お楽しみいただけただろうか!』
空元気をフル回転させて笑顔で言うも、拍手はまばらだ。
怪しまれない程度に強引にアベルを会場から引っ込めさせた。
そして外に出るや奴の胸ぐらを掴み壁に押し付け怒鳴りつけた。
「離せ!この劇はきちんと申請してあるだろう!!」
アランは俺の手を振り解くと負けじと怒鳴り返してきた。
「許可するわけないだろう!こんな悪趣味な催しなど!!」
「なんだって?」
俺の言葉が信じられないかのようにアランは片目を眇める。
俺は手を大きく横に薙いだ。
「申請は受けた!だが却下したと言ったんだ!聞こえたか!!」
アランはバッと妹のセレーナ嬢を見る。
つられるように俺も彼女を視界にとらえる。
彼女は青ざめた顔をして少し離れた場所で震えている。
兄の視線を受けてブルブルと震える唇を上下させるものの声は出ない。
そんなセレーナ嬢の様子にアランはサッと顔色を変えた。
「許可、されていない?」
青ざめ小さく呟く。
「許可が下りていたところでだ!そもそもハーフナー伯爵令嬢は何も知らなかったんじゃないのか!!」
ハーフナー伯爵令嬢の何もかも諦めたようなあの顔。
きっと何も知らなかった。
アランは黙り込む。
視界の隅でセレーナ嬢がガクガクと足が覚束なくなっているのが見える。
後ろに控えている令嬢達はとうとう座り込んでしまった。
きっと彼女たちは軽く考えていたのだろう。
却下されたが強引にやってしまえばいいと。
少し注意されるくらいで済むと高を括っていたに違いない。
そんなわけはないだろう!
「どうする気だ?アラン。あの場ではなんとか取り繕ったが、お前がハーフナー伯爵令嬢を疎んじていた事は有名だ。今の断罪劇を冗談だと受け取るものはどれだけ居るだろうな。お前は一体どうしたかったんだ?本気で婚約を破棄したいと?こんな令嬢を貶めるようなやり方で?!こんなお前らしくない卑怯な……」
矢継ぎ早に話すが、悔しさのあまり声が震えそうになったことに気付き黙り込んだ。
(まさか……まさか気付いていなかったなんて!)
きっとアランは小リス令嬢と結ばれたいがためにハーフナー伯爵令嬢との婚約を破棄したかったのだ。
こんな強引なやり方で。
2人が同一人物だと気付かずに。
だがいつものお前なら、こんな子供じみた愚かな事はしなかった筈だ。
ああ、こんなにも恋は人を狂わせるのか。
アランは顔色を失くし立ち尽くしている。
「アラン……残念だ……本当に残念だよ……。」
俺は目を背けた。
この話はすぐにアランの父親の耳に入るだろう。
モリス侯爵がどういう判断を下すかはわからない。
しかし決してぬるい判断にはならないはずだ。
そしてハーフナー伯爵令嬢……小リス令嬢との婚約は本当に破棄されるだろう。
アランの有責で。
いつ気付くんだろうな……
自分の手で何もかも潰したことを
きっとその瞬間からが
地獄の始まりだ。
これが怒鳴らずにいられようか!
こともあろうに生徒会主催のパーティーでアランはとんでもない断罪劇を始めたのだ!
「生徒会の面目丸潰れだ!どうしてくれる!!」
婚約破棄の声が会場に響き渡り、慌てて駆け寄ったが間に合わなかった。
ハーフナー伯爵令嬢は婚約破棄を受け入れ会場を出て行ってしまった。
『今流行りの悪役令嬢の断罪劇の余興だ!お楽しみいただけただろうか!』
空元気をフル回転させて笑顔で言うも、拍手はまばらだ。
怪しまれない程度に強引にアベルを会場から引っ込めさせた。
そして外に出るや奴の胸ぐらを掴み壁に押し付け怒鳴りつけた。
「離せ!この劇はきちんと申請してあるだろう!!」
アランは俺の手を振り解くと負けじと怒鳴り返してきた。
「許可するわけないだろう!こんな悪趣味な催しなど!!」
「なんだって?」
俺の言葉が信じられないかのようにアランは片目を眇める。
俺は手を大きく横に薙いだ。
「申請は受けた!だが却下したと言ったんだ!聞こえたか!!」
アランはバッと妹のセレーナ嬢を見る。
つられるように俺も彼女を視界にとらえる。
彼女は青ざめた顔をして少し離れた場所で震えている。
兄の視線を受けてブルブルと震える唇を上下させるものの声は出ない。
そんなセレーナ嬢の様子にアランはサッと顔色を変えた。
「許可、されていない?」
青ざめ小さく呟く。
「許可が下りていたところでだ!そもそもハーフナー伯爵令嬢は何も知らなかったんじゃないのか!!」
ハーフナー伯爵令嬢の何もかも諦めたようなあの顔。
きっと何も知らなかった。
アランは黙り込む。
視界の隅でセレーナ嬢がガクガクと足が覚束なくなっているのが見える。
後ろに控えている令嬢達はとうとう座り込んでしまった。
きっと彼女たちは軽く考えていたのだろう。
却下されたが強引にやってしまえばいいと。
少し注意されるくらいで済むと高を括っていたに違いない。
そんなわけはないだろう!
「どうする気だ?アラン。あの場ではなんとか取り繕ったが、お前がハーフナー伯爵令嬢を疎んじていた事は有名だ。今の断罪劇を冗談だと受け取るものはどれだけ居るだろうな。お前は一体どうしたかったんだ?本気で婚約を破棄したいと?こんな令嬢を貶めるようなやり方で?!こんなお前らしくない卑怯な……」
矢継ぎ早に話すが、悔しさのあまり声が震えそうになったことに気付き黙り込んだ。
(まさか……まさか気付いていなかったなんて!)
きっとアランは小リス令嬢と結ばれたいがためにハーフナー伯爵令嬢との婚約を破棄したかったのだ。
こんな強引なやり方で。
2人が同一人物だと気付かずに。
だがいつものお前なら、こんな子供じみた愚かな事はしなかった筈だ。
ああ、こんなにも恋は人を狂わせるのか。
アランは顔色を失くし立ち尽くしている。
「アラン……残念だ……本当に残念だよ……。」
俺は目を背けた。
この話はすぐにアランの父親の耳に入るだろう。
モリス侯爵がどういう判断を下すかはわからない。
しかし決してぬるい判断にはならないはずだ。
そしてハーフナー伯爵令嬢……小リス令嬢との婚約は本当に破棄されるだろう。
アランの有責で。
いつ気付くんだろうな……
自分の手で何もかも潰したことを
きっとその瞬間からが
地獄の始まりだ。
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