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プール開き おまけ
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プール授業が終わり、女子更衣室にはシャワーの音とドライヤーの風の音が混じっていた。
壁際の鏡には、水気を拭き取りながら笑い合う女子たちの姿。
その中で――橘玲奈はタオルで髪を拭きながら、少しぼんやりしていた。
「ねぇねぇ玲奈~! さっき健斗と隣のレーンだったでしょ?」
明るい声で話しかけてきたのはクラスの友達、咲良だ。
「え、あー……うん」
「うん、じゃねぇよ! 二人めっちゃ息ぴったりだったし、なんか青春って感じだったんだけど!」
「やめてよ、そんな大げさな……」
橘は苦笑しながらも頬が熱くなるのを感じた。
「でもさ、玲奈がプールから上がったとき、健斗くんガン見だったよ?」
「っ……!」
「ねー、マジで見てた見てた! あれは絶対、意識してる目だったわ~!」
「なっ……ちょ、やめなってば!」
友達たちは一斉に笑い声を上げ、橘の肩を軽く叩く。
「ほらー、玲奈ちゃん照れてる~!」
「照れてないし!」
そう言いながらも、タオルで顔を隠してごまかす。
(うそ……ほんとに見てたの、あいつ……?)
思い出すのは、あのプールの水面。
隣のレーンで息継ぎするたびに、視線が合ったような気がした瞬間――。
胸の奥がくすぐったくなって、泳ぎながら少しだけペースを上げてしまった。
「ねぇ、玲奈ってさ、健斗くんのこと、ちょっと気になってるでしょ?」
「ないない! あんな真面目くん、絶対ない!」
「ふーん? でもさっき“綺麗”って褒められてたじゃん」
「そ、それは泳ぎの話でしょ!? 泳ぎの!」
「はいはい~、“泳ぎ”ね~?」
咲良はにやにやと笑い、タオルを丸めて橘の肩にぽんっと当てた。
橘はため息をつき、ロッカーを開けて制服を取り出す。
「もー、あんたらほんとウザい」
「照れてるのが悪いんじゃん~」
「照れてないっつの!」
そう言いつつも、心臓はまだ少し早く打っていた。
(……ほんとに、なんであんな顔見ただけでドキドキすんの)
鏡越しに自分を見る。
濡れた髪の隙間から、うっすらと赤い頬がのぞいていた。
ギャルメイクで隠してるつもりでも、表情には出てしまっている。
「玲奈ってさ、見た目チャラいけど、けっこう一途そうだよね~」
「はぁ!? 何その偏見!」
「だって、好きになったら一途で重そう」
「そんなことないし! ……多分」
強がって笑い飛ばしたけれど、
胸の奥では、なにか温かいものがくすぶっていた。
(……“綺麗”って言われたの、あいつが初めてかも)
小さく呟いたその声は、シャワーの音にかき消されて、
誰の耳にも届くことはなかった。
壁際の鏡には、水気を拭き取りながら笑い合う女子たちの姿。
その中で――橘玲奈はタオルで髪を拭きながら、少しぼんやりしていた。
「ねぇねぇ玲奈~! さっき健斗と隣のレーンだったでしょ?」
明るい声で話しかけてきたのはクラスの友達、咲良だ。
「え、あー……うん」
「うん、じゃねぇよ! 二人めっちゃ息ぴったりだったし、なんか青春って感じだったんだけど!」
「やめてよ、そんな大げさな……」
橘は苦笑しながらも頬が熱くなるのを感じた。
「でもさ、玲奈がプールから上がったとき、健斗くんガン見だったよ?」
「っ……!」
「ねー、マジで見てた見てた! あれは絶対、意識してる目だったわ~!」
「なっ……ちょ、やめなってば!」
友達たちは一斉に笑い声を上げ、橘の肩を軽く叩く。
「ほらー、玲奈ちゃん照れてる~!」
「照れてないし!」
そう言いながらも、タオルで顔を隠してごまかす。
(うそ……ほんとに見てたの、あいつ……?)
思い出すのは、あのプールの水面。
隣のレーンで息継ぎするたびに、視線が合ったような気がした瞬間――。
胸の奥がくすぐったくなって、泳ぎながら少しだけペースを上げてしまった。
「ねぇ、玲奈ってさ、健斗くんのこと、ちょっと気になってるでしょ?」
「ないない! あんな真面目くん、絶対ない!」
「ふーん? でもさっき“綺麗”って褒められてたじゃん」
「そ、それは泳ぎの話でしょ!? 泳ぎの!」
「はいはい~、“泳ぎ”ね~?」
咲良はにやにやと笑い、タオルを丸めて橘の肩にぽんっと当てた。
橘はため息をつき、ロッカーを開けて制服を取り出す。
「もー、あんたらほんとウザい」
「照れてるのが悪いんじゃん~」
「照れてないっつの!」
そう言いつつも、心臓はまだ少し早く打っていた。
(……ほんとに、なんであんな顔見ただけでドキドキすんの)
鏡越しに自分を見る。
濡れた髪の隙間から、うっすらと赤い頬がのぞいていた。
ギャルメイクで隠してるつもりでも、表情には出てしまっている。
「玲奈ってさ、見た目チャラいけど、けっこう一途そうだよね~」
「はぁ!? 何その偏見!」
「だって、好きになったら一途で重そう」
「そんなことないし! ……多分」
強がって笑い飛ばしたけれど、
胸の奥では、なにか温かいものがくすぶっていた。
(……“綺麗”って言われたの、あいつが初めてかも)
小さく呟いたその声は、シャワーの音にかき消されて、
誰の耳にも届くことはなかった。
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