むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス

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23話 オープンキャンパスへ

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 七月の風が屋敷の庭を通り抜け、窓から差し込む日差しが机の上のノートを照らしていた。
 テスト一か月前。
 焦る気持ちはあるものの、心のどこかで夏休みの気配を感じ始めていた。

「……よし、これで今日の課題は終わりね」
 篠原美優さんがペンを置く音が、勉強終了の合図のように聞こえた。

 俺は深く息をつき、椅子にもたれた。
 正面の美優さんは、涼しげな黒髪を耳にかけながらノートを整えている。
 その横顔はいつ見ても落ち着いていて、大人の余裕を感じさせた。

「最近、だいぶ集中力がついてきたわね。これならテストも期待できそう」
「本当ですか? でも、まだ英語がちょっと苦手で……」
「ふふ、苦手意識を持たないこと。覚えるより慣れる方が大事なのよ」

 いつもの柔らかい声。
 優しくて、どこか心地いい。
 けれどその日――美優さんはふと話題を変えた。

「ねえ、健斗くん」
「はい?」
「そろそろ、進学先とか考えてる?」

「……進学、ですか」
 その言葉に、一瞬だけ思考が止まる。

「まだ一年だから、早いかもしれないけど。夏って、意外と“考える季節”なのよ」
 美優さんは鞄から一冊のパンフレットを取り出した。
 表紙には「オープンキャンパス2025」の文字。

「これ、私の通ってる大学の資料。オープンキャンパスがあるの」
「へえ……」
 初めて見る美優さんの“大学生”としての一面。
 大人びた彼女が通う場所――それだけで、なぜか胸が高鳴る。

「健斗くんも、いつか大学に進むでしょ? だったら、雰囲気を見ておくのも悪くないわ」
「確かに……。でも、俺なんかが行っても場違いじゃないですか?」
「そんなことないわよ」
 美優さんは微笑んで、資料を差し出した。
「むしろ、勉強のモチベーションになるかも。大学って、ただ“難しい”場所じゃなくて、“未来を描く”場所でもあるから」

 その言葉に、胸の奥が少し熱くなる。
(……未来、か)
 なんとなく漠然としていた“将来”が、少しだけ現実味を帯びて見えた。

「美優さんの大学って、どんなところなんですか?」
 そう尋ねると、彼女は少し考えてから、優しく笑った。

「うーん……そうね。静かで、緑が多くて、でも中身は意外と熱いの。教授も学生も、それぞれの目標をちゃんと持ってる。私も、そんな人たちに刺激をもらってるわ」

「なんか……いいですね。俺もそんな環境で勉強してみたいな」
「ふふ。じゃあ――一緒に見に行く?」

「えっ」
 思わず固まる俺に、美優さんはパンフレットを軽く振ってみせた。


「で、でも……」
「大丈夫よ。あなたを案内するの、楽しそうだし、それとも私と二人で一緒は恥ずかしい?」


 さらりと言われたその一言が、妙に胸に刺さった。
 “楽しそう”――それは先生として? それとも……。
 考えすぎだとわかっていても、心拍数が上がっていく。

 そこへ――。
 扉の向こうから、穏やかな声が聞こえた。

「まぁ……デートのお誘いですか?」

「さ、沙耶香さん!?」
 メイド服姿の沙耶香さんが、紅茶のトレイを持って入ってきた。
 柔らかな笑みを浮かべているが、瞳の奥は少しだけ意地悪そうだ。

「先生と生徒で大学見学……ふふ、どう聞いてもデートのように思えますね」
「そ、そういうんじゃないです!」
 慌てて否定する俺。
 その隣で、美優さんが小さく吹き出した。

「ふふっ。沙耶香さん、からかいすぎですよ」
「まぁ、可愛い反応が見られますから。つい」

 紅茶の香りが部屋に広がる。
 沙耶香さんはカップを置きながら、俺の方をちらりと見た。

「それにしても、健斗さん。最近、少し頼もしくなりましたね」
「え?」
「以前は“勉強いやだー”なんて言ってましたのに。今では先生の大学に興味を持たれるなんて」
「そ、そんなこと……!」
「ふふ、素直でよろしいです」

 そのやり取りを眺めていた美優さんが、微笑を浮かべて言った。
「ねぇ、健斗くん。今度の土曜日、予定はある?」
「い、いえ……特には」
「じゃあ決まりね。午前中から行けば、午後の模擬授業も見られるの。お昼は学食でも案内してあげる」

 軽くメモを取りながら段取りを決めていく美優さん。
 その手際の良さと落ち着いた声が、まるで本物の先生みたいで――いや、実際先生なんだけど。
 なんというか、いつもの勉強時間とは少し違う空気が流れていた。

「……あの、ほんとに俺なんかが行っていいんですか?」
「もちろん。あなたの“これから”のためだもの」
 そう言って、優しく微笑む。
 彼女の眼差しは、まるで柔らかな夏の光みたいに穏やかだった。

 ――その時、沙耶香さんが紅茶を口に運びながら小さく呟いた。
「ふふ……お二人とも、すっかり息が合ってきましたね。まるで恋人のよう」

「こ、恋人って……!」
 再び真っ赤になる俺。
 だが、美優さんは否定せず、わずかに頬を染めたまま笑うだけだった。

「……じゃあ、そういうことにしておきましょうか」

 その微笑みに、何かをからかわれている気もしたけれど――
 胸の鼓動は、不思議と心地よく鳴り続けていた。

 こうして俺は、夏のオープンキャンパスに行くことになった。
 それが“勉強のモチベーション”になるなんて、
 このときの俺はまだ知らなかった。
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