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ヤミイ

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 準備が済むまで?
 なんのことだろう?
 荒々しくドアを閉め、遠ざかっていくジュリの足音を聞きながら、僕はぼんやりと考えた。
 ジュリはまだ、僕に何か仕掛けてくるつもりなのだろうか。
 これ以上恥ずかしいことが、まだ残っているというのだろうか・・・。
 それにしても、ジュリはどうしてここまで僕に辛く当たるのか。
 あの憎しみを込めた目つき、そして声・・・。
 悶える僕を見守る時に浮かべる、歓喜に満ちた表情・・・。
 僕とジュリは初対面である。
 先生に妹がいることさえ、ここへ来るまで知らなかったのだ。
 なのに、この仕打ちはなんだろう?
 ジュリは僕のことを、先生に写真を見せられて知った、と言っていた。
 ただそれだけなのに、赤の他人にここまで酷い仕打ちができるものなのだろうか?
 全裸に剥かれた未成年の男の子を、尿瓶と手首であんな・・・。
 フィストファック。
 忌まわしくも淫靡な響きに満ちた言葉。
 もう一度経験したいかと訊かれれば、僕は即座に「うん」とうなずくはずだ。
 正直、ジュリに対する怒りは湧いてこなかった。
 むしろ、その逆に、感謝したい気持ちすらあった。
 酷い仕打ちを被れば被るほど、僕は快楽に溺れてしまう。
 Sの側面の裏に潜むどうしようもないマゾのペルソナが、表面にあらわれてくるからだ。
 気怠い多幸感が、僕の全身を浸していた。
 まるで南国の浜辺に寝そべり、温かい波に身を委ねているような気分だった。
 胎児のように膝を抱えて横たわった僕の股間からは、萎びたペニスが突き出ている。
 ここまでシオシオになると、ペニスより陰茎という呼び方のほうがぴったりだ。
 更に言えば、突き出ているのではなく、死んだ蚯蚓みたいに床にだらしなく伸びているのである。 
  

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