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ヤミイ

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 よろめきながら立ち上がり、椅子に腰を落ち着けた僕は、見た。
「こ、これは…」
 カウンターの向こうで腕を組んだジュリがにたりと笑う。
「あんたのしたいことは、だいたいお見通しだよ。道具をそろえてるうちにピンときた」
「さすがですね」
 僕は素直に感心した。
 ジュリには集めてきてほしい道具の名前を告げただけで、計画の中身については話してなかったのだ。
 なのに、”彼女”の言う通り、準備は万端のようだった。
 カウンターの上に、少し間隔を置いて、二本のバイブレーターが立ててある。
 どちらも基部に台座が取りつけられ、よほどのことがない限り倒れないように固定されている。
 黒光りするフォルムは、ごつごつしていて見るからに猛々しい。
 その太さといい、長さといい、明らかに日本人男性ではなく、黒人男性のイチモツを模したもののようだ。
 しかも、真珠を埋め込んだバージョンなのか、海綿体の凹凸具合が尋常ではない。
「さあ、ふたりとも、カウンターに上がって」
 そう言うと、ジュリは容器になみなみと注いだローションらしきものを、二本のバイブに等分に垂らし始めた。
 その手元に置いてあるもうひとつの筒状のモノは、僕が頼んだもうひとつのグッズ、貫通型オナホールだろう。
 手動オナニー用のオナホールはひとつしかない。
 でも、それでいい。
 それがこの計画のミソなのだから。 
「こんなもので、どうしようというんだ…?」
 やっと気がついたのか、床から這いあがり、椅子にもたれかかると、先生がたずねた。
「いいから、まずカウンターの上に立ちましょう」
 僕は先にカウンターによじ登ると、先生に手を貸した。
「それぞれ、バイブを挟むようにして、立つんです」
 ちょうど、股間の真下に極太バイブがくる位置に立つと、僕は先生と向き合った。
 このマンションは天井がかなり高いので、カウンターの上に立っても、頭がつかえるということはない。
「このように向かい合ったら、お互いに肩を組みます」
 僕は両手を伸ばし、先生の両肩をつかんだ。
「こうか?」
 先生が僕に倣い、僕の肩に両手を置いてきた。
「このまま、少しずつしゃがみこんで行って、バイブを肛門に挿入します」
 僕が言うと、先生がハッとしたように僕を見た。
「なんだって? この体勢から、バイブを肛門に?」


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