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第九章 セレナの信じる想い ③
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「特に、おまえの政治手腕。あれほどの者は他にいない。おまえはよくやってきた。ずっと、この国の礎を築いてきたのだ。」
クラウディオ殿下の瞳が、かすかに揺れる。
そのとき──
国王は、そっとクラウディオの手を取り、もう片方の手でカイルの手を取った。
そして二人の手を重ね合わせるようにして言った。
「クラウディオ。おまえが本気でカイルを皇太子に据えるというのなら……──おまえが摂政になれ。」
「……っ!」
クラウディオの目が見開かれる。
「摂政……ですか。つまり、カイルの補佐役ということ……?」
王は首を横に振る。
「いや。“補佐”ではない。おまえはカイルと“並び立つ”のだ。」
その言葉に、クラウディオは息を呑んだ。
そしてカイルもまた、驚きの面持ちで兄を見た。
「兄上……」
「王位とは、時代によって姿を変える。剣と勇気で民を守る者。そして、知恵と交渉で国を導く者。おまえ達二人ならば、それが同時に叶う。」
国王の声には、深い愛と信頼があった。
二人の皇子を、どちらかではなく“共に”歩ませようとする、親としての最後の願いだった。
クラウディオはしばし沈黙したあと、小さく息を吐き、カイルの手を強く握った。
「ならば、俺はおまえの“片翼”になろう。もうおまえを一人にはしない。」
カイルの瞳に、光が宿る。
「兄上……ありがとうございます。」
二人の手が、しっかりと重なり合ったその瞬間。
王宮の天窓から光が差し込み、未来を照らすように二人を包み込んだ。
王国に、新しい“二本の柱”が立った日だった。
広間に差し込む午後の光は穏やかで、カイルの執務室に静けさをもたらしていた。
その日、珍しく摂政となったクラウディオ殿下が訪れたのは、何か特別な用事があるのだと、すぐに察せられた。
「殿下……お越しいただき、光栄です。」
セレナが丁寧に頭を下げると、クラウディオは微笑みながら手を軽く振った。
「いいよ、そんな堅苦しくしなくても。カイルとセレナ、二人にどうしても話しておきたいことがあるんだ。」
少しだけクラウディオが視線を逸らした、その時だった。
コツン、コツンと響く足音とともに、ドアが開く。
「ティアナ……?」
カイルが、目をぱちくりさせながら名前を呼んだ。
その後ろに、クラウディオが立ち上がり、ティアナの手をとった。
「実は──摂政になったのをきっかけに結婚しようとなったんだ。」
「……えっ⁉」
私の声が、思わず上ずる。
カイルも思わず席を立ち、驚いたように二人を見る。
「そんな……いつから……?」
ティアナは少し頬を赤らめながらも、しっかりとクラウディオの腕を取りながら答えた。
「旅の前から……ほんの少しだけ。でも、浄化の任に就く中で、私たちの想いは深まっていきました。」
「兄上……ティアナと……?」
カイルが呆然とする中、クラウディオは珍しく照れたような笑みを見せた。
クラウディオ殿下の瞳が、かすかに揺れる。
そのとき──
国王は、そっとクラウディオの手を取り、もう片方の手でカイルの手を取った。
そして二人の手を重ね合わせるようにして言った。
「クラウディオ。おまえが本気でカイルを皇太子に据えるというのなら……──おまえが摂政になれ。」
「……っ!」
クラウディオの目が見開かれる。
「摂政……ですか。つまり、カイルの補佐役ということ……?」
王は首を横に振る。
「いや。“補佐”ではない。おまえはカイルと“並び立つ”のだ。」
その言葉に、クラウディオは息を呑んだ。
そしてカイルもまた、驚きの面持ちで兄を見た。
「兄上……」
「王位とは、時代によって姿を変える。剣と勇気で民を守る者。そして、知恵と交渉で国を導く者。おまえ達二人ならば、それが同時に叶う。」
国王の声には、深い愛と信頼があった。
二人の皇子を、どちらかではなく“共に”歩ませようとする、親としての最後の願いだった。
クラウディオはしばし沈黙したあと、小さく息を吐き、カイルの手を強く握った。
「ならば、俺はおまえの“片翼”になろう。もうおまえを一人にはしない。」
カイルの瞳に、光が宿る。
「兄上……ありがとうございます。」
二人の手が、しっかりと重なり合ったその瞬間。
王宮の天窓から光が差し込み、未来を照らすように二人を包み込んだ。
王国に、新しい“二本の柱”が立った日だった。
広間に差し込む午後の光は穏やかで、カイルの執務室に静けさをもたらしていた。
その日、珍しく摂政となったクラウディオ殿下が訪れたのは、何か特別な用事があるのだと、すぐに察せられた。
「殿下……お越しいただき、光栄です。」
セレナが丁寧に頭を下げると、クラウディオは微笑みながら手を軽く振った。
「いいよ、そんな堅苦しくしなくても。カイルとセレナ、二人にどうしても話しておきたいことがあるんだ。」
少しだけクラウディオが視線を逸らした、その時だった。
コツン、コツンと響く足音とともに、ドアが開く。
「ティアナ……?」
カイルが、目をぱちくりさせながら名前を呼んだ。
その後ろに、クラウディオが立ち上がり、ティアナの手をとった。
「実は──摂政になったのをきっかけに結婚しようとなったんだ。」
「……えっ⁉」
私の声が、思わず上ずる。
カイルも思わず席を立ち、驚いたように二人を見る。
「そんな……いつから……?」
ティアナは少し頬を赤らめながらも、しっかりとクラウディオの腕を取りながら答えた。
「旅の前から……ほんの少しだけ。でも、浄化の任に就く中で、私たちの想いは深まっていきました。」
「兄上……ティアナと……?」
カイルが呆然とする中、クラウディオは珍しく照れたような笑みを見せた。
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