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第10章 15歳差の恋、いま永遠になる
⑥
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「ところで、誠に勝手ながら──」
玲央さんのお父さん、一ノ瀬会長が、ふと声を低くして口を開いた。
「ひよりさんのことを、少し調べさせていただきました。」
ドキン。
心臓が跳ねる。
胸の奥で、見えない何かがギュッと縮こまった。
何? 何も悪いことなんてしていない。
でも、その言葉の響きだけで、足元がぐらりと揺れる。
「大学は有名大学。成績もよろしい。バイト先での評判も申し分ない。素行も優良。」
さらりと語られる“調査結果”。
まるで履歴書を読み上げるような口調なのに、ひとつひとつの言葉に心が緊張していく。
「──まあ、悪くはないでしょう。」
そう結んだ会長の言葉に、私は思わず姿勢を正した。
誇れるようなことではない。でも、少なくとも恥じることはしてこなかった。
そう、自分に言い聞かせる。
そのとき、お母さんと会長が、ふと目を合わせる。
一瞬の沈黙。
「ただね──」
その“ただ”が怖い。
「やっぱり……若すぎるんじゃないかって、思ってますのよ。」
お母さんが、穏やかな口調で、けれどはっきりとそう言った。
その言葉に、空気がすっと冷えた気がした。
「二十歳という年齢で、結婚というものの“重み”を、どれだけ分かっていらっしゃるのかしら。玲央は、もう三十五歳。会社の顔でもあり、責任ある立場です。支えるには、覚悟と成熟が必要だと思っておりますの。」
言葉に刺すような棘はなかった。
けれど、そこには確かな“見極め”の視線があった。
私は喉の奥が乾くのを感じながらも、静かに言葉を選ぶ。
「……はい、おっしゃる通りです。」
一言ずつ、噛みしめるように続けた。
「私は、まだ若いです。だから未熟なところも、至らない点もたくさんあると思います。でも……だからこそ、玲央さんと一緒に、“歩んで”いきたいんです。」
言いながら、少し手が震えた。
でも、逃げたくはなかった。
「支えるとは、完璧であることではなくて、共に悩み、学び、信じていくことだと思っています。」
沈黙が落ちた。
玲央さんが、そっと私の手を握る。
そのぬくもりが、心の奥までしみわたる。
「……母さん、父さん。」
玲央さんが静かに口を開いた。
「ひよりの年齢を不安に思うのは、分かる。でも──彼女は、俺にとって唯一の人です。未熟かどうかじゃない。“ひよりだから”結婚したいと思ったんだ。」
その言葉に、私は胸がいっぱいになった。
そして、会長と奥様はもう一度目を見合わせ──
「……あら、いいこと言うわね。」
お母さんがふっと笑った。
その瞬間、張り詰めていた空気が、少しだけ緩んだ気がした。
すると、隣から──
グスグス、という微かな鼻をすする音が聞こえてきた。
えっ……と思ってそっと横を見ると、信じられない光景がそこにあった。
玲央さんのお父さん、一ノ瀬会長が、ふと声を低くして口を開いた。
「ひよりさんのことを、少し調べさせていただきました。」
ドキン。
心臓が跳ねる。
胸の奥で、見えない何かがギュッと縮こまった。
何? 何も悪いことなんてしていない。
でも、その言葉の響きだけで、足元がぐらりと揺れる。
「大学は有名大学。成績もよろしい。バイト先での評判も申し分ない。素行も優良。」
さらりと語られる“調査結果”。
まるで履歴書を読み上げるような口調なのに、ひとつひとつの言葉に心が緊張していく。
「──まあ、悪くはないでしょう。」
そう結んだ会長の言葉に、私は思わず姿勢を正した。
誇れるようなことではない。でも、少なくとも恥じることはしてこなかった。
そう、自分に言い聞かせる。
そのとき、お母さんと会長が、ふと目を合わせる。
一瞬の沈黙。
「ただね──」
その“ただ”が怖い。
「やっぱり……若すぎるんじゃないかって、思ってますのよ。」
お母さんが、穏やかな口調で、けれどはっきりとそう言った。
その言葉に、空気がすっと冷えた気がした。
「二十歳という年齢で、結婚というものの“重み”を、どれだけ分かっていらっしゃるのかしら。玲央は、もう三十五歳。会社の顔でもあり、責任ある立場です。支えるには、覚悟と成熟が必要だと思っておりますの。」
言葉に刺すような棘はなかった。
けれど、そこには確かな“見極め”の視線があった。
私は喉の奥が乾くのを感じながらも、静かに言葉を選ぶ。
「……はい、おっしゃる通りです。」
一言ずつ、噛みしめるように続けた。
「私は、まだ若いです。だから未熟なところも、至らない点もたくさんあると思います。でも……だからこそ、玲央さんと一緒に、“歩んで”いきたいんです。」
言いながら、少し手が震えた。
でも、逃げたくはなかった。
「支えるとは、完璧であることではなくて、共に悩み、学び、信じていくことだと思っています。」
沈黙が落ちた。
玲央さんが、そっと私の手を握る。
そのぬくもりが、心の奥までしみわたる。
「……母さん、父さん。」
玲央さんが静かに口を開いた。
「ひよりの年齢を不安に思うのは、分かる。でも──彼女は、俺にとって唯一の人です。未熟かどうかじゃない。“ひよりだから”結婚したいと思ったんだ。」
その言葉に、私は胸がいっぱいになった。
そして、会長と奥様はもう一度目を見合わせ──
「……あら、いいこと言うわね。」
お母さんがふっと笑った。
その瞬間、張り詰めていた空気が、少しだけ緩んだ気がした。
すると、隣から──
グスグス、という微かな鼻をすする音が聞こえてきた。
えっ……と思ってそっと横を見ると、信じられない光景がそこにあった。
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