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第1章〜塔の上の指揮者〜
第11話〜迎撃戦、開幕〜
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魔物の群れが、草地を越えて迫ってくる。
だが――
その進路は、完全に“制御されていた”。
セリアの策により、森と村の境には防衛柵や遮蔽物が巧妙に配置され、
ただ“堰き止める”だけでなく――
“動線を限定し、迎撃効率を高める”構造が築かれていた。
魔物たちは誘導されるように、
ただ一筋の道を進んでくる。
それは――
迎撃のために作られた“狩り場”だ。
塔の最上階から見下ろす戦場。
俺の視界には、魔物たちの動きが光の軌跡となって浮かび上がっていた。
〈狙撃の詩〉――すでに発動済みだ。
敵の数。
移動速度。
予測軌道。
それらすべてが、“情報”として目に見える。
ただの命中補正じゃない。
これは――
戦場そのものを“把握”する力だ。
塔から見下ろす先。
一体の魔物が、岩陰から姿を現す。
その進路と、
斜面を上がる別の個体との交差地点が――赤く点滅した。
「三時方向、標的二体。距離五十――第一、第二、投げろ!」
唸りを上げて、石弾が飛ぶ。
命中。
一体は腹を撃ち抜かれ、もう一体は肩口を砕かれて転がった。
「やった……!」
「当たったぞ!」
歓声が上がる。
村人たちの目に、希望の光が灯る。
「次……九時方向、岩陰から一体。……まだ撃つな」
俺は動線を読み、赤線の明滅を見極める。
「今だ、撃てぇぇっ!!」
魔物が、悲鳴のような声を上げて崩れ落ちた。
この塔の上で、俺はただの号令を叫んでいるんじゃない。
今この戦場は、俺の“指揮”で動いている――!
「東側、倒木の先から三体!
隊列縦並び、真ん中を狙え!
第一射、投げ!」
一撃が命中し、隊列が崩れる。
「第二投、連携! 追い打ちを!」
連携の投石が炸裂し、敵は次々に倒れていく。
そのたびに――
村人たちの士気が、確かに高まっていった。
「すげぇ……ほんとに当たる!」
「いけるぞ! やれるぞ!」
魔物の数は減っていく。
ルートは制限され、迎撃の効率は最大限に高められていた。
セリアの布陣も、村人たちの訓練も――
すべてが、噛み合っている。
狭められた道を通って現れる魔物たちに対し、
投石班は次々と命中弾を叩き込む。
思った以上に、うまくいっていた。
命中率は高く、連携も取れている。
なにより――
村人たちの目に宿るのは、恐怖ではなく「手応え」だった。
(……このまま押し切れる……!)
そんな希望が、確かに芽生えていた。
◆◇◆ 次回更新のお知らせ ◆◇◆
更新は【明日12:05】を予定しております。
ぜひ続きもご覧ください。
よろしければ「お気に入り登録」や「ポイント投票」「感想・コメント」などいただけると、とても励みになります。
続きもがんばって書いていきますので、また覗いていただけたら嬉しいです。
◆◇◆ 後書き ◆◇◆
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
村人たち、まさかの大活躍。
投石器、まさかの精度。
ルノス、まさかの指揮官ムーブ。
──という感じで、
今回はタワーディフェンス系スカッと展開でした。
やればできる、俺たちのフェルザ村!
……ですが。
勝ちムードのときこそ、フラグの匂いがしませんか?
「いけるぞ!」
「やれるぞ!」
「押し切れる……!」
この三連コンボ、非常に危険です。
◆次回:静かなる異変
ええ、きっと静かに済むとは限りません。
ぬるっと忍び寄る“何か”に、ぜひご期待ください。
だが――
その進路は、完全に“制御されていた”。
セリアの策により、森と村の境には防衛柵や遮蔽物が巧妙に配置され、
ただ“堰き止める”だけでなく――
“動線を限定し、迎撃効率を高める”構造が築かれていた。
魔物たちは誘導されるように、
ただ一筋の道を進んでくる。
それは――
迎撃のために作られた“狩り場”だ。
塔の最上階から見下ろす戦場。
俺の視界には、魔物たちの動きが光の軌跡となって浮かび上がっていた。
〈狙撃の詩〉――すでに発動済みだ。
敵の数。
移動速度。
予測軌道。
それらすべてが、“情報”として目に見える。
ただの命中補正じゃない。
これは――
戦場そのものを“把握”する力だ。
塔から見下ろす先。
一体の魔物が、岩陰から姿を現す。
その進路と、
斜面を上がる別の個体との交差地点が――赤く点滅した。
「三時方向、標的二体。距離五十――第一、第二、投げろ!」
唸りを上げて、石弾が飛ぶ。
命中。
一体は腹を撃ち抜かれ、もう一体は肩口を砕かれて転がった。
「やった……!」
「当たったぞ!」
歓声が上がる。
村人たちの目に、希望の光が灯る。
「次……九時方向、岩陰から一体。……まだ撃つな」
俺は動線を読み、赤線の明滅を見極める。
「今だ、撃てぇぇっ!!」
魔物が、悲鳴のような声を上げて崩れ落ちた。
この塔の上で、俺はただの号令を叫んでいるんじゃない。
今この戦場は、俺の“指揮”で動いている――!
「東側、倒木の先から三体!
隊列縦並び、真ん中を狙え!
第一射、投げ!」
一撃が命中し、隊列が崩れる。
「第二投、連携! 追い打ちを!」
連携の投石が炸裂し、敵は次々に倒れていく。
そのたびに――
村人たちの士気が、確かに高まっていった。
「すげぇ……ほんとに当たる!」
「いけるぞ! やれるぞ!」
魔物の数は減っていく。
ルートは制限され、迎撃の効率は最大限に高められていた。
セリアの布陣も、村人たちの訓練も――
すべてが、噛み合っている。
狭められた道を通って現れる魔物たちに対し、
投石班は次々と命中弾を叩き込む。
思った以上に、うまくいっていた。
命中率は高く、連携も取れている。
なにより――
村人たちの目に宿るのは、恐怖ではなく「手応え」だった。
(……このまま押し切れる……!)
そんな希望が、確かに芽生えていた。
◆◇◆ 次回更新のお知らせ ◆◇◆
更新は【明日12:05】を予定しております。
ぜひ続きもご覧ください。
よろしければ「お気に入り登録」や「ポイント投票」「感想・コメント」などいただけると、とても励みになります。
続きもがんばって書いていきますので、また覗いていただけたら嬉しいです。
◆◇◆ 後書き ◆◇◆
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
村人たち、まさかの大活躍。
投石器、まさかの精度。
ルノス、まさかの指揮官ムーブ。
──という感じで、
今回はタワーディフェンス系スカッと展開でした。
やればできる、俺たちのフェルザ村!
……ですが。
勝ちムードのときこそ、フラグの匂いがしませんか?
「いけるぞ!」
「やれるぞ!」
「押し切れる……!」
この三連コンボ、非常に危険です。
◆次回:静かなる異変
ええ、きっと静かに済むとは限りません。
ぬるっと忍び寄る“何か”に、ぜひご期待ください。
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