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しおりを挟むボクは目が覚めると、綿あめぐらい柔らかいベットで眠っていた。
体は何故かきれいで、セージのサイズが合っていないパジャマを着せられ、ボタンは一番上までしっかり止められていた。まるで昨日の出来事がなかったかのようにすべてが、セックスする前と同様だったが、地味に下腹部が筋肉痛で動く度に、痛かったので、夢ということはなさそうだった。
しかし、肝心のセージは同じベットにおらず、部屋を見渡しても存在は確認できない。というか、この部屋自体見覚えがない。
ボクは昨日ここにきて、お風呂場とリビングしか、移動していないのだから、この部屋に見覚えがないのは当たり前として、問題はこの部屋がきちんと、見覚えのあるリビングにつながっているかだ。
だってあまりにも、この部屋は、物が少ない。あるものといえば、作業用らしきデスクとこのベット。それ以外は空の本棚ぐらいだ。
まるで、大きな家具だけおいて人が引っ越した後みたいな部屋なのだ。セージの部屋にホテルみたいだと感想は持ったが、一応はティッシュのような日用品があってそれなりの生活感があったのだ。
だから、こんな人が住んでいないような部屋があのセージの家につながってるのか少し心配なのだ。
それに、鞄がない。きっとリビングにあるはずなので取り合えず確保しなければならないだろう。
そう思い、柔らかく心地のいいマットレスから降りて、立ち上がる。すると腹も痛ければ、二日酔いで頭も痛かった。
「っつ、……あー、のど、かわいた」
……昨日、酒ばっか飲んでたもんな。とにかく……。
この部屋に一つしかない扉の前へと移動する、押し開くとすぐに、リビングで、昨日の酒やつまみは全て片付けられているが、見知った場所にいくらか安心する。
電気は点いていないけれど、昼だからかレースカーテンごしに差し込んでくる光だけで随分と明るい。
キッチンに向かうと、シンクには昨日のご飯の洗い物が放置されていて、なんとなく勝手に食器棚をあさってグラスを出すのが憚られて、適当に洗い物をして、洗ったグラスでのどを潤す。
水道水だとしても体が必要としているときにはとてもおいしくて、三杯、も飲んで満足すると、シンクにある食器をすべて洗う。
まだ起き抜けの体に、冷たい水流が手に当たるのが心地よくて、ボンヤリしながら水切りラックに皿を並べていく。
……しかし、セージはどこに行ったんだ?買い物?それとも、どこか別の部屋で眠ってるんだろうか。
だとすると、あちらの部屋だろう。
少し視線を動かして確認する。ボクが出てきたのが、ここから見て左側の扉だ、そしてその隣にもう一つ扉があって、そこがなんとなくセージの部屋なのかなとあたりをつけているのだが、そうなるとやっぱり、ボクの眠っていた部屋は、もとはセージ以外の誰かが使っていたという事になるだろう。
……それで、出て行った時のままにしているのだとしたら、同居人でもいたのかもしれないな。
そう結論付けると、丁度洗い物が終わって、手の水気をパッパッと切ってリビングに戻る。中にいるかもしれないので、一応、セージの部屋の扉を少し開いて中を確認する。
ボクが眠っていた部屋と同じような作りをしていて、家具の配置も似たようなものだった。けれど、こちらは本棚は、雑多な本で埋まっているし、おしゃれな出窓部分には、小さな置物がたくさん並んでいる。なんだか男の部屋なのに可愛いなんて思いつつベットを見るが、やはり彼はいない。
……もしかして、仕事か?
セージは出会った時も、いかにも仕事帰りに飲んできましたという風貌だったのだ。それなら彼はまっとうな職に就いているのだろう。であれば、こんな休日でもない昼に、家にいる方が、おかしいだろう。
……じゃあ、帰ってくんのは夜か?……暇だな。
何か家事でもしようかなんて考えて、セージの部屋の扉を閉めて、リビングを見渡すが、目につくやれそうな家事は一つもなさそうだ。となると……。
あとはボクが時間をつぶせることは、一つしか思い浮かばない。
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