3 / 44
2 絡んできて、いやぁな感じ。 穂高side
しおりを挟む
中等部の三年間、僕は園芸部に所属していた。
特に草花が好きだったわけではないが、運動は得意ではないし、放課後遅くまで残らなくてもいいのが良かったんだ。でも、いざやり始めたら長期の休暇のときに何回か登校しなきゃならなくて…ほら、花壇の水やりとかでね。ちょっと大変ではあったけど、それでも毎日部活で長い時間取られるよりはマシだった。
その園芸部で、園芸のことはまったくの素人だった僕にいろいろ教えてくれたのが、須藤美里香先輩。
園芸部は弱小クラブだし、中等部でも高等部でもやることは変わらないので、よく中高合同で活動をしていた。それで、僕が中等部三年、須藤先輩が高等部一年のとき。中高園芸部合同で、春に向けて花壇にパンジーなどの植え付けをしていたとき、須藤先輩が僕に言ったのだ。
「ねぇ、穂高くんは園芸部に入るよね?」
高等部の園芸部は三年の先輩が卒業すると三人になってしまい、廃部間近だというのだ。
でも中等部の園芸部員は、高等部に進学したら違う部活をやってみたいってみんな言っていて。
須藤先輩は勧誘に必死だった。
僕は、元々高等部でも園芸部に入るつもりだったし。恋愛感情ほどではないが、いつもニコニコしている彼女に好意を持っていたので、その話にうなずいたのだった。
「やったぁ、これでたぶん廃部は免れるわぁ。穂高くん、ありがとう」
ショートカットで快活な印象の彼女が満面の笑みで笑った。
悪い気はしなかった。
そうして五月になり、僕は今高等部の敷地にある花壇を耕している。夏用の花の種を植えるためだ。土いじりをするから、体育のジャージに着替えてある。
「ねぇ、穂高くんって、あの新入生挨拶をした藤代くんと同クラ?」
須藤先輩に聞かれ、僕はスコップを変な箇所にザクっと刺してしまった。
手元が狂った。だって、部活中にその名前を聞くとは思わなかったんだ。
「はぁ、まぁ…そうですけど」
焦って返答し、冷や汗が出る。汚れた手で、思わず額をこすってしまった。
「あぁぁ、顔が汚れちゃったよ、穂高くん。相変わらずドジねぇ」
ひまわりの種を持って、キャラキャラ笑うのは、いつもの明るい須藤先輩だ。でも、ちょっとだけ頬がピンクに色づいている。
「彼って、どんな人? 優しい?」
種を植えながら、なんの気なしに、という態度を装っているが。
須藤先輩が藤代に興味津々なのは透けて見えた。
そばで、他者が藤代に好意を向けるのがわかると、僕はなんだか気持ちが萎えた。
そんなに良いかぁ? って、反発心が出ちゃうんだよね。
わかっている、これは妬みによる嫉みであると。
四月の一週目から、藤代の存在に上級生が注目しはじめ、部活の勧誘なんかは大変な騒ぎになった。運動部などは主将が教室に自ら足を運んだし、ちょっと強引な勧誘もあって、教師から注意を受けた部などもあった。
さらに、女子の先輩が告白してきたって、教室で友達が騒いでいたのも耳にした。
高等部の女子はのきなみ藤代の魅力に撃沈しているようだ。
だから須藤先輩もそうなんだなって、容易に思いつく。みんなイケメンに弱い。
「さぁ、僕は藤代とあまり話したことないから。藤代はみんなに優しいし、美形で、頭が良くて、スポーツもできる」
「そんな、みんなが知ってる情報じゃ、つまんなーい。同クラなのに藤代くんと話さないの、もったいなくなーい?」
一年前、ショートカットだった髪が、今は肩口まで伸びている須藤先輩は、指で前髪をいじりながら言った。
「やっぱり、須藤先輩も藤代がタイプなんですか?」
わかりきった質問だけど、聞くと。須藤先輩ははにかんだ笑顔で答えた。
「そういうわけじゃないけどぉぉ。つい、見ちゃうよね。無意識に目で追っちゃうの。それで、藤代くんのレアな情報がゲットできたら、テンション爆上がり。そういうの、わかる?」
わかりますよ。それって、もう好きじゃん。
そうは思いつつ。僕は作り笑顔で須藤先輩に言った。
「なんか、楽しそうで良いですね」
そうして、ひまわりの種を植えて。そのときは普通に部活を終えた。
しかし、その翌日から須藤先輩は園芸部に来なくなった。
さらに数日後。校内で須藤先輩と藤代が並んで歩いているところを見かけ。
あぁ、そういうことかと。
藤代をゲットするなんて、須藤先輩、すごいなって。
そんなことをぼんやりと考えた。
園芸部には幽霊部員がいる。それでかろうじて廃部は免れているわけだが。
でも、幽霊は花の世話をしない。
今までは須藤先輩と僕が変わりばんこで花壇の見回りをしていたのだけど、須藤先輩が部活に来なくなったから僕が毎日花壇を見るようになってしまった。
苗や花には命が宿っているだろう? 世話をしないで枯らしちゃったら、僕のせいって思っちゃう。面倒くさいけど、僕はその小さな命を無視できないんだ。
でもまぁ、一番手がかかる植えつけは済んでいるし、あとは水やりをするだけだから。普通の部活よりは時間を取られないからいいよ。うん。
園芸用のエプロンを制服の上につけた僕は、そんなふうに自分を納得させながら、ジョウロで花壇の水やりしていた。ジョウロが軽くなって、水が出なくなった…そのとき。
なんでか藤代が現れた。
「穂高、ひとりで部活を続けているの?」
取り巻きがいない、ひとりきりの藤代は珍しい。
でも、いきなり絡んできて、いやぁな感じ。僕はいぶかしげに彼を見やる。
これは、妬みや嫉みからの印象ではないぞ。唇が弧を描いて妙に綺麗に笑っているからさ、ひとりで水やりをしている僕をからかっているんだって思ったんだよ。
「美里香ちゃん、もう園芸部やめるって言ってたよ。聞いた?」
須藤先輩のことを美里香ちゃんと呼び、藤代が彼女との親密さをアピールすると、なんでかイラっとした。
まぁ、僕は須藤先輩の彼氏ではないから、イラッとする資格はないけどね。
でも、どうしても僕のほうが須藤先輩と関わった期間は長いのにって思ってしまうんだ。
「聞いていないけど、彼氏の君が言うのなら、そうなんだろうね」
ジョウロの口から、水滴がピチョンと落ちる。
なんか、藤代と話をするのが面倒になってきた。
早く、どこかに行ってくれないかな。
「彼氏って? 美里香ちゃんの彼氏が俺ってこと? 違う違う。彼女と付き合ってなんかいないよ。ただの友達だ」
それについての感想は特になかったので。蚊の鳴くような声でふぅんとうなずいて、ジョウロを握り直した。
暗に、早く後片付けしたいんですけどぉ、という空気を出してみる。
たが、通じていない模様。藤代がいなくなる気配はみじんもなかった。
「なぁ、穂高。園芸部は廃部だろ? 俺、来期の生徒会に誘われているんだけど、穂高も一緒に立候補しない?」
「は?」
まったくもって脈絡のない話に、僕は間抜けな声を出すしかなかった。
特に草花が好きだったわけではないが、運動は得意ではないし、放課後遅くまで残らなくてもいいのが良かったんだ。でも、いざやり始めたら長期の休暇のときに何回か登校しなきゃならなくて…ほら、花壇の水やりとかでね。ちょっと大変ではあったけど、それでも毎日部活で長い時間取られるよりはマシだった。
その園芸部で、園芸のことはまったくの素人だった僕にいろいろ教えてくれたのが、須藤美里香先輩。
園芸部は弱小クラブだし、中等部でも高等部でもやることは変わらないので、よく中高合同で活動をしていた。それで、僕が中等部三年、須藤先輩が高等部一年のとき。中高園芸部合同で、春に向けて花壇にパンジーなどの植え付けをしていたとき、須藤先輩が僕に言ったのだ。
「ねぇ、穂高くんは園芸部に入るよね?」
高等部の園芸部は三年の先輩が卒業すると三人になってしまい、廃部間近だというのだ。
でも中等部の園芸部員は、高等部に進学したら違う部活をやってみたいってみんな言っていて。
須藤先輩は勧誘に必死だった。
僕は、元々高等部でも園芸部に入るつもりだったし。恋愛感情ほどではないが、いつもニコニコしている彼女に好意を持っていたので、その話にうなずいたのだった。
「やったぁ、これでたぶん廃部は免れるわぁ。穂高くん、ありがとう」
ショートカットで快活な印象の彼女が満面の笑みで笑った。
悪い気はしなかった。
そうして五月になり、僕は今高等部の敷地にある花壇を耕している。夏用の花の種を植えるためだ。土いじりをするから、体育のジャージに着替えてある。
「ねぇ、穂高くんって、あの新入生挨拶をした藤代くんと同クラ?」
須藤先輩に聞かれ、僕はスコップを変な箇所にザクっと刺してしまった。
手元が狂った。だって、部活中にその名前を聞くとは思わなかったんだ。
「はぁ、まぁ…そうですけど」
焦って返答し、冷や汗が出る。汚れた手で、思わず額をこすってしまった。
「あぁぁ、顔が汚れちゃったよ、穂高くん。相変わらずドジねぇ」
ひまわりの種を持って、キャラキャラ笑うのは、いつもの明るい須藤先輩だ。でも、ちょっとだけ頬がピンクに色づいている。
「彼って、どんな人? 優しい?」
種を植えながら、なんの気なしに、という態度を装っているが。
須藤先輩が藤代に興味津々なのは透けて見えた。
そばで、他者が藤代に好意を向けるのがわかると、僕はなんだか気持ちが萎えた。
そんなに良いかぁ? って、反発心が出ちゃうんだよね。
わかっている、これは妬みによる嫉みであると。
四月の一週目から、藤代の存在に上級生が注目しはじめ、部活の勧誘なんかは大変な騒ぎになった。運動部などは主将が教室に自ら足を運んだし、ちょっと強引な勧誘もあって、教師から注意を受けた部などもあった。
さらに、女子の先輩が告白してきたって、教室で友達が騒いでいたのも耳にした。
高等部の女子はのきなみ藤代の魅力に撃沈しているようだ。
だから須藤先輩もそうなんだなって、容易に思いつく。みんなイケメンに弱い。
「さぁ、僕は藤代とあまり話したことないから。藤代はみんなに優しいし、美形で、頭が良くて、スポーツもできる」
「そんな、みんなが知ってる情報じゃ、つまんなーい。同クラなのに藤代くんと話さないの、もったいなくなーい?」
一年前、ショートカットだった髪が、今は肩口まで伸びている須藤先輩は、指で前髪をいじりながら言った。
「やっぱり、須藤先輩も藤代がタイプなんですか?」
わかりきった質問だけど、聞くと。須藤先輩ははにかんだ笑顔で答えた。
「そういうわけじゃないけどぉぉ。つい、見ちゃうよね。無意識に目で追っちゃうの。それで、藤代くんのレアな情報がゲットできたら、テンション爆上がり。そういうの、わかる?」
わかりますよ。それって、もう好きじゃん。
そうは思いつつ。僕は作り笑顔で須藤先輩に言った。
「なんか、楽しそうで良いですね」
そうして、ひまわりの種を植えて。そのときは普通に部活を終えた。
しかし、その翌日から須藤先輩は園芸部に来なくなった。
さらに数日後。校内で須藤先輩と藤代が並んで歩いているところを見かけ。
あぁ、そういうことかと。
藤代をゲットするなんて、須藤先輩、すごいなって。
そんなことをぼんやりと考えた。
園芸部には幽霊部員がいる。それでかろうじて廃部は免れているわけだが。
でも、幽霊は花の世話をしない。
今までは須藤先輩と僕が変わりばんこで花壇の見回りをしていたのだけど、須藤先輩が部活に来なくなったから僕が毎日花壇を見るようになってしまった。
苗や花には命が宿っているだろう? 世話をしないで枯らしちゃったら、僕のせいって思っちゃう。面倒くさいけど、僕はその小さな命を無視できないんだ。
でもまぁ、一番手がかかる植えつけは済んでいるし、あとは水やりをするだけだから。普通の部活よりは時間を取られないからいいよ。うん。
園芸用のエプロンを制服の上につけた僕は、そんなふうに自分を納得させながら、ジョウロで花壇の水やりしていた。ジョウロが軽くなって、水が出なくなった…そのとき。
なんでか藤代が現れた。
「穂高、ひとりで部活を続けているの?」
取り巻きがいない、ひとりきりの藤代は珍しい。
でも、いきなり絡んできて、いやぁな感じ。僕はいぶかしげに彼を見やる。
これは、妬みや嫉みからの印象ではないぞ。唇が弧を描いて妙に綺麗に笑っているからさ、ひとりで水やりをしている僕をからかっているんだって思ったんだよ。
「美里香ちゃん、もう園芸部やめるって言ってたよ。聞いた?」
須藤先輩のことを美里香ちゃんと呼び、藤代が彼女との親密さをアピールすると、なんでかイラっとした。
まぁ、僕は須藤先輩の彼氏ではないから、イラッとする資格はないけどね。
でも、どうしても僕のほうが須藤先輩と関わった期間は長いのにって思ってしまうんだ。
「聞いていないけど、彼氏の君が言うのなら、そうなんだろうね」
ジョウロの口から、水滴がピチョンと落ちる。
なんか、藤代と話をするのが面倒になってきた。
早く、どこかに行ってくれないかな。
「彼氏って? 美里香ちゃんの彼氏が俺ってこと? 違う違う。彼女と付き合ってなんかいないよ。ただの友達だ」
それについての感想は特になかったので。蚊の鳴くような声でふぅんとうなずいて、ジョウロを握り直した。
暗に、早く後片付けしたいんですけどぉ、という空気を出してみる。
たが、通じていない模様。藤代がいなくなる気配はみじんもなかった。
「なぁ、穂高。園芸部は廃部だろ? 俺、来期の生徒会に誘われているんだけど、穂高も一緒に立候補しない?」
「は?」
まったくもって脈絡のない話に、僕は間抜けな声を出すしかなかった。
206
あなたにおすすめの小説
金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】
【完結】大学で再会した幼馴染(初恋相手)に恋人のふりをしてほしいと頼まれた件について
kouta
BL
大学で再会した幼馴染から『ストーカーに悩まされている。半年間だけ恋人のふりをしてほしい』と頼まれた夏樹。『焼き肉奢ってくれるなら』と承諾したものの次第に意識してしまうようになって……
※ムーンライトノベルズでも投稿しています
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない
バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。
ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない??
イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。
『聖クロノア学院恋愛譚 』記憶を失ったベータと王族アルファ、封印された過去が愛を試すまで
るみ乃。
BL
聖クロノア学院で、記憶と感情が静かに交差する。
「君の中の、まだ知らない“俺”に、触れたかった」
記憶を失ったベータの少年・ユリス。
彼の前に現れたのは、王族の血を引くアルファ・レオンだった。
封じられた記憶。
拭いきれない心の傷。
噛み合わない言葉と、すれ違う想い。
謎に包まれた聖クロノア学院のなかで、
ふたりの距離は、近づいては揺れ、また離れていく。
触れたいのに、触れられない。
心を開けば、過去が崩れてしまう。
それでも彼らは、確かめずにはいられなかった。
――やがて、学院の奥底に眠る真実が、静かに目を覚ます。
過去と向き合い、誰かと繋がることでしか見えない未来がある。
許し、選びなおし、そしてささやかな祈り。
孤独だった少年たちは、いつしか「願い」を知っていく。
これは、ふたりの愛の物語であると同時に、
誰かの傷が、誰かの救いへと変わっていく物語。
運命に抗うのは、誰か。
未来を選ぶのは、誰なのか。
優しさと痛みが交差する場所で、物語は紡がれる。
【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
あなたのいちばんすきなひと
名衛 澄
BL
亜食有誠(あじきゆうせい)は幼なじみの与木実晴(よぎみはる)に好意を寄せている。
ある日、有誠が冗談のつもりで実晴に付き合おうかと提案したところ、まさかのOKをもらってしまった。
有誠が混乱している間にお付き合いが始まってしまうが、実晴の態度はいつもと変わらない。
俺のことを好きでもないくせに、なぜ付き合う気になったんだ。
実晴の考えていることがわからず、不安に苛まれる有誠。
そんなとき、実晴の元カノから実晴との復縁に協力してほしいと相談を受ける。
また友人に、幼なじみに戻ったとしても、実晴のとなりにいたい。
自分の気持ちを隠して実晴との"恋人ごっこ"の関係を続ける有誠は――
隠れ執着攻め×不器用一生懸命受けの、学園青春ストーリー。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる