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第3章-0
しおりを挟む『はい、こちら沢渡です』
「我聞だ。今どこにいる?」
現在我聞は警察署にいる。陣矢少年はあの後に病院に搬送された。呼吸はしていたので一応の手当てはしておいたものの、あれでは生きていたとしても助かるまいと我聞は判断する。
『まだ我聞さんの捜査ファイルを漁ってますよ・・・。おかげで一日中籠りっきりです・・・』
「ハハハ、それはいいことだ」
いいことじゃないですよ、面倒ですよ、と沢渡の小さい愚痴が聞こえたが無視する。
「一度手を止めてこっちに協力してくれ。厄介なヤマにぶち当たった」
『はい?どういうことですか?』
「まあそっちに資料を送ってもらうから確認してくれ。数ページだが、俺が見たものもまとめておいた」
『は、はぁ・・・』
「それとこの事件は今のところ他言無用だ。俺の勘が正しければある種の催眠かもしれない」
『さ、催眠ですか!?』
我聞がたどり着いた結論の中で最も近いのが集団催眠。かつてオウム真理教が行っていたとされるものだが、それがここまで科学が発達した現代で流行するのだろうかと思ってしまう。しかし人間とは結構脆いものだと我聞は知っている。
いくつもの事件を担当した中で少なからず宗教が関わっているものもそれなりに見てきた。宗教に具体性なんてないが、事件には具体的な理由が絶対に存在する。今回の事件はまだ底が見えないからこそ、例え間違ってた目標だとしても、筋道は立てておかないといけない。
「それと」
我聞は手に持つ資料に目を落とす。そこにはスマホのデータがあった。
「被害者の持っていたスマホのデータを渡しておく。これを調べておいてくれ、多分これが全ての証拠になるはずだ」
『・・・分かりました。コーヒー買ってきてからでもいいですか?』
我聞は沢渡の呑気さに思わずため息を漏らす。緊急性のある事態でマイペースに落ち着いていられるのはコイツの長所ではある。けれどここはあえて釘を刺しておこう。
「ああ、急な案件ではあるがそこまで焦らなくていい。何しろまだ全貌がまーったく分かってないからな!ガハハハハハ」
隣でこちらの通話を聞いている警官から冷たい視線を食らう。我聞は居心地の悪さを覚えつつも通話の先から聞こえる唸り声に安心感を覚える。
「とりあえずこれが俺の最後の事件になる。お前が上手く働けば昇進の一歩になるから頑張ってくれ」
『は、はい!頑張ります!』
任せた、と言って我聞は通話を切る。隣にいる警官に軽く会釈をしてそそくさと我聞は警察署を出る。
(まずは病院と陣矢少年の家、それに)
我聞は携帯の登録した中にある孫の名前を押す。
「もしもし、佐恵か?ちょっと学校の中で安谷陣矢っていう少年について調べて欲しい」
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