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1章 断罪回避
45 モフモフたちとの再会
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「何よ、これ!ねえ、早く力を見せなさいよ!」
マチルダの悲鳴の合間、私の頭に精霊たちの声がガンガンと響く。
「苦しい……!」
「助けて……!」
室内に風が吹き荒れる。
変装用の私のキャップが、外れて飛んでいった。
割れた床から火の粉が噴き、氷柱が突き出す。
エルディリス家の兵士は腰を抜かして、壁際に逃げていく。
「これは……何が起きた!?」
出入り口の方で誰かが叫んだ。
ほかの兵士や執事、暗黒術師が異変を察して様子を見にきたらしい。
精霊の暴走と、聖女のペンダントを身につけたマチルダ。
それらを、大勢の人々が目にしている。
「マチルダ様、まさか!」
暗黒術師が目を見開く。
マチルダはまずいと思ったのか、ペンダントを投げ捨てた。
「わ、私のせいじゃないわ!精霊が勝手に……いえ、アナベルのせいよ!あいつが全部悪いのよ!」
支離滅裂だ。
これで「マチルダは無関係」と思う人間はいないだろう。
もうマチルダは終わりだ。
聖女からペンダントを奪う者は、未遂でも死刑。
私に下された罰を、今度はマチルダに下してやる。
あとはマチルダを捕縛しないと。
その前にリリィを治療したい。
でも最初にすべきなのは、この事態を収めることだ。
私は、床に落ちているペンダントに狙いを定めた。
と、レオナルドとギデオンが私に駆け寄ってくる。
「アナベル、危ない!」
向かってくる氷柱を、二人が剣で叩き落してくれた。
巻きついてくる木々は、エリオットが聖術で燃やしてくれる。
ルークの防護魔法で、防御力も上がった。
これなら物が飛んできても、死ぬことはないだろう。
「みんな、ありがとう!待ってて、すぐに何とかするから!」
私は嵐の中心、ペンダントが落ちている場所目がけて駆けだした。
しかし、強風が吹けば物が飛ぶ。
「げっ!」
マチルダの鞭が、生き物のようにうねりながらこっちへ向かってきた。
とっさに目を閉じ、肩を縮こめる。
直後にパァン!と弾けるような音がした。
でも私は痛くない。
ルークの魔法のせいだけじゃない。
目を開けると、イザークが私の肩を抱いていた。
「あ、ありがとう。でも大丈夫だよ」
そう言ったのに、イザークは私を自分の胸元に引き寄せる。
鞭で傷ついた腕で。
次の瞬間、その腕に氷柱が刺さった。
防護魔法のおかげか貫通はしなかったが、イザークが氷柱を抜くと、ボトボトと血が落ちる。
「イザーク、駄目!危ない!」
「そうですね、氷柱や火の粉が飛んできて危険です」
「だから離れてってば!後ろで待ってて!」
私はイザークの胸を押したが、びくともしない。
「イザーク、聞こえてる!?」
絶対に聞こえていると思うけど、返事をしてくれない。
聞こえないふりで押し通すつもりらしい。
風はどんどん強まっている。
天井にひびが走り始めた。
……仕方ない。
イザークの体を盾に進むのが、一番早く済む。
(また甘えることになっちゃった……ごめん、イザーク)
噴き出した火の粉がイザークの足にかかり、ブーツに穴が開く。
罪悪感で心臓まで痛む気がする。
でも、「ごめん」という暇があるなら進まないと。
床の凹凸に引っかかっているペンダントへ手を伸ばす。
掴んだ鎖を離さないよう力いっぱい握りしめて、自分の首にかけた。
ペンダントの宝石から、どろりとした黒が消えていく。
「みんな、落ち着いて!」
私が呼びかけると、フッと風が弱まる。
氷柱も地割れも、瞬く間に消えてしまった。
「……あれ?聖女さまの感じがする……聖女さま?」
「聖女様だ!助かったーっ!」
ヘロヘロの精霊たちが現れ、私の周りへ寄ってくる。
少しだけなら平気かと思ったけど、想定以上に負担をかけたらしい。
「ごめんね、みんな。マチルダなんかにペンダントを渡しちゃって。苦しかったよね……」
「いいえ、とんでもございません」
ナギが、細いひげをピコピコと揺らして笑う。
「これまで、マチルダには何度もいたぶられましたので。愚かにも自滅したこと、喜ばしい限りです」
「そ、そっか」
ナギは元気と一緒に毒舌が戻ってきた。
安心していいのか……いいはずだ、うん。
四匹は私にくっつこうとして、私のお腹に頭を押し付けてくる。
落ちないように抱えると、モフモフ団子が腕の中に収まった。
それから、私はマチルダに視線を移した。
乱れた髪を直すこともなく、へたり込んでいる。
目と口は半開きだ。
茫然自失のマチルダを見つめるのは、私たちだけじゃない。
エルディリス家の兵士や使用人も、一連の流れをバッチリ目撃している。
私は精霊たちを抱っこして、リリィのそばへ駆け寄り、人々に呼びかけた。
「みんな、見たでしょ?マチルダがリリィのペンダントを奪ったの!でも、私とリリィが収めたから。もう大丈夫!」
それを聞いたギデオンが、ハッと我に返り、声を張り上げる。
「誰か、国王親衛騎士のギデオンが呼んでいると城に伝えてくれ!大罪を犯したマチルダ・エルディリスを投獄する、と!」
ギデオンの指示に、人々はあたふたと動き出す。
マチルダのことは親衛隊に任せよう。
私は、リリィに向き直った。
近くで見ると、破れた皮ふや青あざが痛々しい。
私は腕の中にいる精霊たちを見下ろした。
「お願い、リリィを治して」
リリィが聖女ではないとはいえ、さすがに心配らしい。
四匹はワタワタと手足を動かす。
無数の光が現れ、リリィを包む。
かと思うと、青あざも裂けた肌も、綺麗に治ってしまった。
破れたローブも元通りだ。
遅れてやってきたレオナルドたちが、感嘆の声を漏らす。
「すごい……」
「さすがはアナベル様ですね」
それに反応したかのように、リリィが薄く目を開けた。
「アナベル……?」
「リリィ、大丈夫?助けに来たよ!」
「リリィが目を……!アナベルさん、ありがとう!」
ルークが泣きながら私に抱きつこうとする。
リリィはそれを突き飛ばして、私にしがみついた。
「うわぁ!?」
尻もちをついたルークが、しょんぼりとする。
精霊たちも、腕の中から弾かれて不満そうだ。
私は、ルークと精霊たちに小さく「ごめん」と謝りつつ、リリィの背中をなでた。
「どうしたの、リリィ?」
「アナベル……!お、お母様が……私のこと、いらないって……」
「……うん、そうみたいだね」
残酷かもしれないけど、「そんなことないよ」と言っても意味がないと思った。
だって、リリィはもうわかっているだろうから。
マチルダの中に、子どもへ向ける愛は欠片もなかったと。
「お母様、昔から言ってたの……『私に殴られたって言うんじゃないよ。そんなことをしたら信用を失う』って……『リリィの頑張りが足りないから、その罰なんだ』って。だから私、黙ってたのに……」
「昔から?」
怒りで腹が煮えそうだ。
リリィを抱きしめ返すと、彼女はすすり泣きの合間に話を継いでいく。
「私、頑張ってたつもりだったのに……みんなを守りたくて必死だったのに……全部、意味がなかったのかな……?」
「そんなことない!」
反射的に叫んでいた。
でも気休めなんかじゃない。
だってリリィの努力は、私にとっては意味があった。
マチルダの悲鳴の合間、私の頭に精霊たちの声がガンガンと響く。
「苦しい……!」
「助けて……!」
室内に風が吹き荒れる。
変装用の私のキャップが、外れて飛んでいった。
割れた床から火の粉が噴き、氷柱が突き出す。
エルディリス家の兵士は腰を抜かして、壁際に逃げていく。
「これは……何が起きた!?」
出入り口の方で誰かが叫んだ。
ほかの兵士や執事、暗黒術師が異変を察して様子を見にきたらしい。
精霊の暴走と、聖女のペンダントを身につけたマチルダ。
それらを、大勢の人々が目にしている。
「マチルダ様、まさか!」
暗黒術師が目を見開く。
マチルダはまずいと思ったのか、ペンダントを投げ捨てた。
「わ、私のせいじゃないわ!精霊が勝手に……いえ、アナベルのせいよ!あいつが全部悪いのよ!」
支離滅裂だ。
これで「マチルダは無関係」と思う人間はいないだろう。
もうマチルダは終わりだ。
聖女からペンダントを奪う者は、未遂でも死刑。
私に下された罰を、今度はマチルダに下してやる。
あとはマチルダを捕縛しないと。
その前にリリィを治療したい。
でも最初にすべきなのは、この事態を収めることだ。
私は、床に落ちているペンダントに狙いを定めた。
と、レオナルドとギデオンが私に駆け寄ってくる。
「アナベル、危ない!」
向かってくる氷柱を、二人が剣で叩き落してくれた。
巻きついてくる木々は、エリオットが聖術で燃やしてくれる。
ルークの防護魔法で、防御力も上がった。
これなら物が飛んできても、死ぬことはないだろう。
「みんな、ありがとう!待ってて、すぐに何とかするから!」
私は嵐の中心、ペンダントが落ちている場所目がけて駆けだした。
しかし、強風が吹けば物が飛ぶ。
「げっ!」
マチルダの鞭が、生き物のようにうねりながらこっちへ向かってきた。
とっさに目を閉じ、肩を縮こめる。
直後にパァン!と弾けるような音がした。
でも私は痛くない。
ルークの魔法のせいだけじゃない。
目を開けると、イザークが私の肩を抱いていた。
「あ、ありがとう。でも大丈夫だよ」
そう言ったのに、イザークは私を自分の胸元に引き寄せる。
鞭で傷ついた腕で。
次の瞬間、その腕に氷柱が刺さった。
防護魔法のおかげか貫通はしなかったが、イザークが氷柱を抜くと、ボトボトと血が落ちる。
「イザーク、駄目!危ない!」
「そうですね、氷柱や火の粉が飛んできて危険です」
「だから離れてってば!後ろで待ってて!」
私はイザークの胸を押したが、びくともしない。
「イザーク、聞こえてる!?」
絶対に聞こえていると思うけど、返事をしてくれない。
聞こえないふりで押し通すつもりらしい。
風はどんどん強まっている。
天井にひびが走り始めた。
……仕方ない。
イザークの体を盾に進むのが、一番早く済む。
(また甘えることになっちゃった……ごめん、イザーク)
噴き出した火の粉がイザークの足にかかり、ブーツに穴が開く。
罪悪感で心臓まで痛む気がする。
でも、「ごめん」という暇があるなら進まないと。
床の凹凸に引っかかっているペンダントへ手を伸ばす。
掴んだ鎖を離さないよう力いっぱい握りしめて、自分の首にかけた。
ペンダントの宝石から、どろりとした黒が消えていく。
「みんな、落ち着いて!」
私が呼びかけると、フッと風が弱まる。
氷柱も地割れも、瞬く間に消えてしまった。
「……あれ?聖女さまの感じがする……聖女さま?」
「聖女様だ!助かったーっ!」
ヘロヘロの精霊たちが現れ、私の周りへ寄ってくる。
少しだけなら平気かと思ったけど、想定以上に負担をかけたらしい。
「ごめんね、みんな。マチルダなんかにペンダントを渡しちゃって。苦しかったよね……」
「いいえ、とんでもございません」
ナギが、細いひげをピコピコと揺らして笑う。
「これまで、マチルダには何度もいたぶられましたので。愚かにも自滅したこと、喜ばしい限りです」
「そ、そっか」
ナギは元気と一緒に毒舌が戻ってきた。
安心していいのか……いいはずだ、うん。
四匹は私にくっつこうとして、私のお腹に頭を押し付けてくる。
落ちないように抱えると、モフモフ団子が腕の中に収まった。
それから、私はマチルダに視線を移した。
乱れた髪を直すこともなく、へたり込んでいる。
目と口は半開きだ。
茫然自失のマチルダを見つめるのは、私たちだけじゃない。
エルディリス家の兵士や使用人も、一連の流れをバッチリ目撃している。
私は精霊たちを抱っこして、リリィのそばへ駆け寄り、人々に呼びかけた。
「みんな、見たでしょ?マチルダがリリィのペンダントを奪ったの!でも、私とリリィが収めたから。もう大丈夫!」
それを聞いたギデオンが、ハッと我に返り、声を張り上げる。
「誰か、国王親衛騎士のギデオンが呼んでいると城に伝えてくれ!大罪を犯したマチルダ・エルディリスを投獄する、と!」
ギデオンの指示に、人々はあたふたと動き出す。
マチルダのことは親衛隊に任せよう。
私は、リリィに向き直った。
近くで見ると、破れた皮ふや青あざが痛々しい。
私は腕の中にいる精霊たちを見下ろした。
「お願い、リリィを治して」
リリィが聖女ではないとはいえ、さすがに心配らしい。
四匹はワタワタと手足を動かす。
無数の光が現れ、リリィを包む。
かと思うと、青あざも裂けた肌も、綺麗に治ってしまった。
破れたローブも元通りだ。
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「すごい……」
「さすがはアナベル様ですね」
それに反応したかのように、リリィが薄く目を開けた。
「アナベル……?」
「リリィ、大丈夫?助けに来たよ!」
「リリィが目を……!アナベルさん、ありがとう!」
ルークが泣きながら私に抱きつこうとする。
リリィはそれを突き飛ばして、私にしがみついた。
「うわぁ!?」
尻もちをついたルークが、しょんぼりとする。
精霊たちも、腕の中から弾かれて不満そうだ。
私は、ルークと精霊たちに小さく「ごめん」と謝りつつ、リリィの背中をなでた。
「どうしたの、リリィ?」
「アナベル……!お、お母様が……私のこと、いらないって……」
「……うん、そうみたいだね」
残酷かもしれないけど、「そんなことないよ」と言っても意味がないと思った。
だって、リリィはもうわかっているだろうから。
マチルダの中に、子どもへ向ける愛は欠片もなかったと。
「お母様、昔から言ってたの……『私に殴られたって言うんじゃないよ。そんなことをしたら信用を失う』って……『リリィの頑張りが足りないから、その罰なんだ』って。だから私、黙ってたのに……」
「昔から?」
怒りで腹が煮えそうだ。
リリィを抱きしめ返すと、彼女はすすり泣きの合間に話を継いでいく。
「私、頑張ってたつもりだったのに……みんなを守りたくて必死だったのに……全部、意味がなかったのかな……?」
「そんなことない!」
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だってリリィの努力は、私にとっては意味があった。
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*AIと一緒に書いています*
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