19 / 105
1章 断罪回避
19 和解への一歩
しおりを挟む
「処刑が延期されたあと……急に不安になったの。アナベルにペンダントを渡したら、私は踏み台にされるんじゃないかって。ごめんなさい……」
「そんな、謝らないでよ。これまで嫌味ざんまいだったんだから、私を信じられなくて当たり前だよ。こっちこそ、今までごめんね」
私が頭を下げると、リリィは意外そうに目を瞬いた。
「……本当に、昔とは全然違うのね」
「そんなに変わった?」
「うん……お茶会の時には、血走った目で私を見ながら、ずっと歯ぎしりをしていたり……」
「それは完全に危険人物だね!」
リリィとルークが怯え、ギデオンとエリオットが警戒するのは当然だ。
レオナルドが私に優しいのは奇跡かもしれない。
処刑が決まった時点で婚約は無効になったけど、私だったらそれより前に逃げ出す。
「ごめん!もう本当、ごめん!」
バネ仕掛けの人形みたいにペコペコしまくった。
そのたび、腕の中のコハクが「ほえ」「ぴや」と鳴く。
「ううん。私も、何となくわかってたの」
リリィは泣き腫らした顔に、ようやく小さな苦笑を浮かべた。
「自分は本物の聖女じゃないんだって。だから、アナベルが『この偽物!』って水をかけてきた時、言い返せなかったの」
そういえばそんなこともあった……
私、めちゃくちゃ最低じゃないか。
「ご、ごめんなさい、リリィさん……そんな最低な奴ですけど、ペンダント、借りてもいいですか?精霊を仲間にしたら、速攻で返しますから……」
ビクビクしながら尋ねると、リリィは静かに頷いてくれた。
ルークが気遣わしげに、リリィへ声をかける。
「それでいいの?」
「ええ。ルークだって、今のアナベルなら大丈夫だと思うでしょ?」
「それはそうだけど……」
まだ心配そうなルークに、リリィは弱々しく微笑んだ。
それから大きく息を吸い込み、ペンダントを首から外した。
「あ、ありがとう!本当にありがとう……!」
拝む私に、リリィがペンダントをかけてくれる。
その様子をギデオンたちは、
「リリィ様がいいと言うなら……」
「たしかに、今のアナベル様は別人のようですし……」
と、言い合いながら見守っている。
ペンダントの宝石が、コハクの頭にポフッと触れた。
次の瞬間、腕の中のコハクが「ぴぃ!」と声を上げる。
「これでペンダントに入れる!聖女さま、戦うときもいっしょ?いっしょ?」
大喜びのコハクへ、リリィは寂しげに笑いかける。
「精霊様、よかったですね。これからは戦う時も、なるべくペンダントをアナベルに渡します」
「えっ……本当に⁉︎」
目を見開く私の胸元で、コハクが手足をパタパタさせる。
「うれしい!ありがと、リリィ!」
それからぴょんとジャンプをすると、
「聖女さまの近く、スッキリする~。しあわせ~」
と、うっとりしながらペンダントの宝石に入っていった。
ナギとコハクの歓声が、ペンダントから小さく聞こえた。
「精霊様に、初めて『ありがとう』って言われた……」
またリリィが涙ぐむ。
今度は頬を赤らめている。
感激しているらしい。
ゲームでは、無視か罵倒しかされてなかったもんね。
精霊たちが落ち着いたら、リリィに優しくするよう言って聞かせなくちゃ。
「じゃ、地の精霊が仲間になったし。敵が出る前に帰ろっか」
私がそう言った時だった。
左手にある茂みが、大きく揺れた。
「ん?」
何だろう。
茂みというか木が密集して、しかもツタがびっしりと絡んで、奥がよく見えない。
──と、私の首根っこをイザークが思い切り引っ張った。
「ぐえっ!」
ケープのリボンが喉に食い込み、カエル声で叫んでしまった。
後ろに投げられた私は、草むらの上へ仰向けに落下した。
びっくりするじゃない、痛くはなかったけど──と、怒ろうとした瞬間。
巨大なものが茂みを突き破り、砲丸のように飛び出してきた。
(げっ、ボス狼⁉︎)
ゲームプレイ時も大きいと思っていたけど、迫力がまるで違う。
もし虎がここにいたら、子猫に見えただろう。
ボス狼の口の中には、何本もの鋭い牙が並んでいる。
その一本一本が、私の手首より太い。
レオナルドたちは身についた習慣で、リリィの周りへ集まった。
だけど、かなり動揺しているらしい。
互いに肩をぶつけ合い、よろめいている。
ボス狼は、誰から食おうかと私たちに視線を走らせた。
その視線が、据え膳状態の私に定まる。
あ、死ぬ──そう思ったら、急に体が固まってしまった。
大きく開いた真っ赤な口が迫ってくる。
誰も動けない。
いや、誰かが私の前に躍り出た。
剣を構えたイザークだ。
「……精霊、助けて!」
考える前に叫んでいた。
ペンダントが眩い光を放つ。
「聖女様!」
「あぶない!」
ペンダントから精霊たちが現れる。
ナギが白く輝くと、ゴウッという音が私の上を駆け抜けた。
「ギャンッ!」
ボス狼が悲鳴を上げてひっくり返る。
強い風が吹いたのか、と理解する前に、ボス狼の真下の地面がメリメリと裂けた。
巨体は、あっという間に亀裂の中へ飲み込まれてしまった。
一呼吸のあと、バクンと地面の口が閉じる。
木々が一瞬震え、そのあとは静けさが戻った。
ポコポコと、川の泡立つ音が聞こえてくる。
「えーっと……ボス狼、倒したんだよね?」
周囲がすっかり元通りなので、起きたまま居眠りしたのかと心配になる。
とりあえず立ち上がろう。
そう思ったけど、体が重くて動かない。
「何? 何か乗っかって……ぎゃー!」
「そんな、謝らないでよ。これまで嫌味ざんまいだったんだから、私を信じられなくて当たり前だよ。こっちこそ、今までごめんね」
私が頭を下げると、リリィは意外そうに目を瞬いた。
「……本当に、昔とは全然違うのね」
「そんなに変わった?」
「うん……お茶会の時には、血走った目で私を見ながら、ずっと歯ぎしりをしていたり……」
「それは完全に危険人物だね!」
リリィとルークが怯え、ギデオンとエリオットが警戒するのは当然だ。
レオナルドが私に優しいのは奇跡かもしれない。
処刑が決まった時点で婚約は無効になったけど、私だったらそれより前に逃げ出す。
「ごめん!もう本当、ごめん!」
バネ仕掛けの人形みたいにペコペコしまくった。
そのたび、腕の中のコハクが「ほえ」「ぴや」と鳴く。
「ううん。私も、何となくわかってたの」
リリィは泣き腫らした顔に、ようやく小さな苦笑を浮かべた。
「自分は本物の聖女じゃないんだって。だから、アナベルが『この偽物!』って水をかけてきた時、言い返せなかったの」
そういえばそんなこともあった……
私、めちゃくちゃ最低じゃないか。
「ご、ごめんなさい、リリィさん……そんな最低な奴ですけど、ペンダント、借りてもいいですか?精霊を仲間にしたら、速攻で返しますから……」
ビクビクしながら尋ねると、リリィは静かに頷いてくれた。
ルークが気遣わしげに、リリィへ声をかける。
「それでいいの?」
「ええ。ルークだって、今のアナベルなら大丈夫だと思うでしょ?」
「それはそうだけど……」
まだ心配そうなルークに、リリィは弱々しく微笑んだ。
それから大きく息を吸い込み、ペンダントを首から外した。
「あ、ありがとう!本当にありがとう……!」
拝む私に、リリィがペンダントをかけてくれる。
その様子をギデオンたちは、
「リリィ様がいいと言うなら……」
「たしかに、今のアナベル様は別人のようですし……」
と、言い合いながら見守っている。
ペンダントの宝石が、コハクの頭にポフッと触れた。
次の瞬間、腕の中のコハクが「ぴぃ!」と声を上げる。
「これでペンダントに入れる!聖女さま、戦うときもいっしょ?いっしょ?」
大喜びのコハクへ、リリィは寂しげに笑いかける。
「精霊様、よかったですね。これからは戦う時も、なるべくペンダントをアナベルに渡します」
「えっ……本当に⁉︎」
目を見開く私の胸元で、コハクが手足をパタパタさせる。
「うれしい!ありがと、リリィ!」
それからぴょんとジャンプをすると、
「聖女さまの近く、スッキリする~。しあわせ~」
と、うっとりしながらペンダントの宝石に入っていった。
ナギとコハクの歓声が、ペンダントから小さく聞こえた。
「精霊様に、初めて『ありがとう』って言われた……」
またリリィが涙ぐむ。
今度は頬を赤らめている。
感激しているらしい。
ゲームでは、無視か罵倒しかされてなかったもんね。
精霊たちが落ち着いたら、リリィに優しくするよう言って聞かせなくちゃ。
「じゃ、地の精霊が仲間になったし。敵が出る前に帰ろっか」
私がそう言った時だった。
左手にある茂みが、大きく揺れた。
「ん?」
何だろう。
茂みというか木が密集して、しかもツタがびっしりと絡んで、奥がよく見えない。
──と、私の首根っこをイザークが思い切り引っ張った。
「ぐえっ!」
ケープのリボンが喉に食い込み、カエル声で叫んでしまった。
後ろに投げられた私は、草むらの上へ仰向けに落下した。
びっくりするじゃない、痛くはなかったけど──と、怒ろうとした瞬間。
巨大なものが茂みを突き破り、砲丸のように飛び出してきた。
(げっ、ボス狼⁉︎)
ゲームプレイ時も大きいと思っていたけど、迫力がまるで違う。
もし虎がここにいたら、子猫に見えただろう。
ボス狼の口の中には、何本もの鋭い牙が並んでいる。
その一本一本が、私の手首より太い。
レオナルドたちは身についた習慣で、リリィの周りへ集まった。
だけど、かなり動揺しているらしい。
互いに肩をぶつけ合い、よろめいている。
ボス狼は、誰から食おうかと私たちに視線を走らせた。
その視線が、据え膳状態の私に定まる。
あ、死ぬ──そう思ったら、急に体が固まってしまった。
大きく開いた真っ赤な口が迫ってくる。
誰も動けない。
いや、誰かが私の前に躍り出た。
剣を構えたイザークだ。
「……精霊、助けて!」
考える前に叫んでいた。
ペンダントが眩い光を放つ。
「聖女様!」
「あぶない!」
ペンダントから精霊たちが現れる。
ナギが白く輝くと、ゴウッという音が私の上を駆け抜けた。
「ギャンッ!」
ボス狼が悲鳴を上げてひっくり返る。
強い風が吹いたのか、と理解する前に、ボス狼の真下の地面がメリメリと裂けた。
巨体は、あっという間に亀裂の中へ飲み込まれてしまった。
一呼吸のあと、バクンと地面の口が閉じる。
木々が一瞬震え、そのあとは静けさが戻った。
ポコポコと、川の泡立つ音が聞こえてくる。
「えーっと……ボス狼、倒したんだよね?」
周囲がすっかり元通りなので、起きたまま居眠りしたのかと心配になる。
とりあえず立ち上がろう。
そう思ったけど、体が重くて動かない。
「何? 何か乗っかって……ぎゃー!」
61
あなたにおすすめの小説
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!
音無砂月
ファンタジー
親友面してくる金持ちの令嬢マヤに巻き込まれて死んだミキ
生まれ変わった世界はマヤがはまっていた乙女ゲーム『王女アイルはヤンデレ男に溺愛される』の世界
ミキはそこで親友である王女の親友ポジション、レイファ・ミラノ公爵令嬢に転生
一緒に死んだマヤは王女アイルに転生
「また一緒だねミキちゃん♡」
ふざけるなーと絶叫したいミキだけど立ちはだかる身分の差
アイルに転生したマヤに振り回せながら自分の幸せを掴む為にレイファ。極力、乙女ゲームに関わりたくないが、なぜか攻略対象者たちはヒロインであるアイルではなくレイファに好意を寄せてくる。
婚約破棄された聖女様たちは、それぞれ自由と幸せを掴む
青の雀
ファンタジー
捨て子だったキャサリンは、孤児院に育てられたが、5歳の頃洗礼を受けた際に聖女認定されてしまう。
12歳の時、公爵家に養女に出され、王太子殿下の婚約者に治まるが、平民で孤児であったため毛嫌いされ、王太子は禁忌の聖女召喚を行ってしまう。
邪魔になったキャサリンは、偽聖女の汚名を着せられ、処刑される寸前、転移魔法と浮遊魔法を使い、逃げ出してしまう。
、
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる