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第五十八話 おかわりもいいぞ!
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─────神殿長─────
神殿長とはその街の神殿の最高責任者である。立場としては国の機関の長となっているため、かなり偉い。神殿長はスキルを与えるスキルを持つ神官の中から選ばれ、その多くが女性である。また、王都には全ての神殿の最高責任者である大神殿長がいる。──────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
早朝、朝食を終えた俺はミエルの家の庭でロワとノエルと対峙していた。フランやミエル、タードは幼児の為に出かけており、家には俺達3人しかいない。
ロワは弓を持っていて矢が入った矢筒を背負って、ノエルは拳銃を構えている。対する俺は新月とパチンコ玉を装備している。
「今から戦闘訓練を始める。全力で来い」
「はい!」
「うん!」
ロワは弓を引き絞って狙いを付ける。
「いきます!」
ロワが矢を放つと同時に二人との距離を詰める。飛んできている矢は新月で叩き落し、走りながら状況を確認する。
ロワは新しい矢を取り出していて攻撃には時間がかかる、ノエルは銃口を俺に向けているが照準が合っていない。となると、俺が取るべき行動は……
俺は二人の間に割り込み、ノエルに向かって新月を向ける。
「うわぁ!」
いきなり武器を向けられたノエルは思わず拳銃を発砲する。俺は発砲に合わせて横に転がり弾丸をかわす。そして、発砲された弾丸は俺がいた空間を通り過ぎ、その先にいるロワの肩に命中し貫通する。
「があ!」
「ロワお兄ちゃんごめん!」
ノエルは杖を取り出してロワに向ける。このままだとロワを治療されるな。それは困るから……、俺はノエルの杖を新月で弾き飛ばす。
「うわあ!」
ノエルは飛んで行った杖に目を奪われている間に、顔面に蹴りを叩きこむ。
「くうぅ、魔装!」
ノエルはとっさに魔装をしてダメージを抑える。そして、ノエルはそのまま足に着けていたナイフを取り出して俺に突き刺してくる。今の体勢ではナイフは避け切れないな。だったら……
俺は手に仕込んでいたパチンコ玉をノエルの眉間に向かって弾く。
「きゃあ!」
眉間にパチンコ玉をぶつけられたノエルはたまらずナイフを落とす。その隙にノエルの腹に拳を叩きこみ、体制が崩れた所で足を払って完全に体を倒す。倒れたノエルには両足と両手を縄で縛り完全に無力化する。
「うわああ!」
「ノエルちゃん!」
背後からロワの焦った声が聞こえる。声で判別する限りロワの位置は俺の真後ろ。声の状況から推測するに焦りがあるからすぐに行動してくる筈。矢で俺を狙った場合は避けられた時にノエルに当たるから直接は狙ってこない。となると、ロワの行動は……、
俺は振り向くと、そのままロワに向かって全力で走り出す。ロワは予想通り俺が居た所を挟むように矢を放っていた。
ロワの考えとしてはまずはヘビーウェイトで俺の動きを止めて攻撃やノエルの救出をするつもりだったんだろう。ヘビーウェイトであればノエルに掛ける負担も少ないし良い手だ。だからこそ読みやすいんだが。
ヘビーウェイトは刺さった矢と矢の間の物の質量を倍にする。つまり、矢が刺さる前に場所を移動すれば問題ない訳だ。
いきなり走り出した俺に驚いたロワは動き出しが遅れてしまい俺の接近を許してしまう。
「くっ、まだです!」
ロワは諦めずに俺に向かって矢を引き絞る。だが、
「な!?またですか!?」
海での戦闘と同じように引き絞った瞬間に弓の弦が切れてしまう。今のままではロワに攻撃する手段はない。しかし、ロワはまだあきらめずに懐に手を入れる。
「まだです!まだ僕にはあれが……」
「あれってこれの事か?」
俺はポケットから銀色の筒を取り出す。何を隠そう、俺がプレゼントした携帯弓だ。
俺が携帯弓を持っているのを見てロワは降参するように手を挙げる。
「参りました。流石に弓が無い中でホウリさんに勝てないです」
「ロワの場合は武器破壊は致命的になるからな。携帯弓があるとは言え気を付けろ」
「ねー、早く解いてよー」
ロワに携帯弓を返すと背後からノエルの叫び声が聞こえた。
「悪い、今解く」
ノエルを縛っている縄をほどき跡が残っていないか確かめる。とりあえずは大丈夫だな。
「もう動けるはずだ」
「うー、また勝てなかった」
ノエルは悔しそうな表情をしながら立ち上がる。
「悔しいなら反省会ちゃんとしような」
「はーい」
俺達は家の中に戻りリビングの椅子に腰かける。
「反省会を始める。まずは何がいけなかったかを考えて発表してくれ」
「はい!」
早速ノエルが勢いよく手を挙げる。
「ノエル」
「ホウリお兄ちゃんが相手だったから!」
「いや、流石にそれはないんじゃ……」
「正解」
「いえーい」
「当たっているんですか!?」
思わず椅子から立ち上がるロワと嬉しそうに両手を上げるミエル。そんなロワとミエルに俺は説明する。
「最初の行動はお前らに接近するのが効果的だと知っていての行動だ。お前らの事を全く知らなかった場合は行動は全く変わっていただろう」
「つまり手の内はあまり明かしてはいけないという事ですか?」
「その通りだ。基本だが絶対に忘れるなよ。それでだ、今回は情報の漏洩は仕方ないとして、他に反省点はあるか?」
俺の質問にロワが恐る恐るといった様子で手を挙げる。
「ロワ」
「立ち回りが良くなかったんですかね?」
「具体的には?」
「えーっと……」
考えていなかったのか、しどろもどろになるロワ。少し難しかったか?
「ノエルがホウリお兄ちゃんを足止めするべきだったとか?」
「お、正解だ」
意外にも正解を導きだしたのはノエルだった。やっぱりノエルは地頭がいいんだな。
「魔装やナイフを使えるノエルが前衛として俺を食い止めるべきだったな」
「小さい子を前衛と使うのは少々抵抗があるんですが……」
「死ぬよりはいいだろ。同じ状況で躊躇して両方やられたら意味がない」
「ノエルは平気だよ?」
「だったらいいんですが……」
「こういう時の為に日常的に話し合いをしておいても良いかもな」
咄嗟に呼吸を合わせて役割を分けるのは難しい。このパーティーも出来てから数か月だし息が合うのはまだ先だろうな。
「そういえば、一つ気になっているんですが」
「なんだ?」
「いつ弓の弦を切ったり、携帯弓を盗んだりしたんですか?」
確かに俺は弓を切ったりする動作も盗む動作も見せていない。疑問に思うのは当然だろう。
「弓の弦を切ったのは俺じゃない。ノエルの弾丸だ」
「ノエルちゃんの?」
「ハッキリ言えば偶然だ。狙ったわけじゃない」
「偶然だったんですか?自信満々に戦っていたので何かしたんだと思いました」
「ハッタリだな。そういう心理戦も重要ってことだ」
「携帯弓はいつ盗んだの?戦っている時はロワお兄ちゃんに近付いてないよね?」
ノエルが不思議そうに聞いてくる。確かに端から見たら怪しげな術を使っているように見えるかもな。
「確かに俺は戦闘中にロワに近付いていない」
「ではどうやって?」
「簡単だ。戦闘中に盗めないなら戦闘前に盗めばいい」
「へ?」
ロワは俺の言っている事が理解できないのか、口を開けたまま呆ける。
「え?戦闘が始まる前に携帯弓を盗んでいたんですか?」
「そうだ」
「……卑怯では?」
「戦闘前の武器破壊やアイテムの窃盗は実際にある手だ。戦闘中に卑怯だと言いながら殺されてもいいのか?」
「対応策は?」
「大切な物は肌身離さず持っておけ。また、戦闘前に武器やアイテムのチェックは必ずしておけ」
「分かりました」
「はーい」
ロワとミエルは手を挙げて元気よく返事をする。
そろそろ、良い時間だな。ここで反省会は切り上げよう。
「他にも同士討ちや回復のタイミングとかの反省点はあるとは思うが、良い時間だしそろそろ切り上げよう」
「そういえばお客さんが来るんでしたね。どなたが来るんですか?」
「秘密だ。強いて言うなら……」
俺はノエルに視線を向けて言葉を続ける。
「ノエルに関係がある人物だ」
「ノエルに?」
「前に説明しただろ?あの説明に関係がある人物だ」
ノエルとロワが不思議そうに首を捻ると、玄関からチャイムが鳴り響いた。来たみたいだな。
俺は玄関まで向かおうとすると、後ろからノエルとロワが付いてきた。
「どうかしたか?」
「いえ、どんな方なのか気になったので。ダメでしたか?」
「ダメじゃないが、布はちゃんと付けろよ?」
「分かってますよ」
ロワは顔に着けている布を握りしめる。この前のクラン家の出来事があってからロワは布をつけ忘れる事はほとんど忘れなくなった。余程、怖かったんだろう。布以外の対応策も考えておかないとな。
ロワとノエルが後ろからついてくる中、俺は玄関の扉を開ける。
「いらっしゃい」
「こんにちは。久しぶりだねホウリ君」
そこには白いワンピースを着たブロンドの女性、オダリムの神殿長である『コレト・ガーナ』が居た。
「忙しい所悪いな」
「別にいいわよ。私もホウリ君に会いたかったし」
「そう言ってくれると助かる。立ち話もなんだから中に入ってくれ」
「はーい、おじゃましまーす」
コレトが家の中に入ると、後ろにいたロワとノエルに気が付く。
「この二人は誰?」
「俺のパーティーメンバーだ」
「ふーん、そうなんだ」
コレトをリビングへ案内し席に着かせる。俺はコップにジュースを入れてコレトの前に出す。
「粗茶ですが」
「ジュースじゃないの」
「粗ジュースですが」
「粗ジュースって何よ」
「握力だけで絞りました」
「粗いのは作り方だったのね」
コレトはコップを持つと一気にジュースを飲み干す。
「ぷはー、歩いて火照った体に冷たいジュースが染みるわねー」
「おかわりもあるぞ」
「いただくわ」
2杯目のジュースを飲み干したコレトは一息つくと、改めて俺達の方へと向き直る。
「はじめまして、私はコレト・ガーナ。オダリムで神殿長をやっているわ」
コレトはニコリと微笑み軽く会釈をする。コレトに釣られてロワとミエルも頭を下げる。
「ロワ・タタンです。冒険者で弓使いをしています」
「ノエル・アロスです。フランお姉ちゃんの妹です」
「え?フランちゃん妹いたの?」
コレトは驚愕した様子でノエルを凝視する。
「オダリムを出た後に合流したんだ」
「へーそうなのね。可愛いわねぇ」
「今回の対象者はノエルだ」
「分かったわ。時間もないし手早くやりましょう」
そう言うとコレトは席から立ちノエルに近付く。そして、しゃがんでノエルに視線を合わせるとゆっくりと優しく話し出した。
「今からノエルちゃんには新しいスキルと職業を与えるわ。職業は決まってる?」
そう、今回コレトを呼んだ理由はノエルに職業とスキルを与えるためだ。ノエルには事前になるべき職業と取るべきスキルについて説明してある。後はその職業になってスキルを取るだけだ。
コレトに聞かれたノエルは少し困った様子になりながらも話し始める。
「えーっと、ノエルは『じゅじゅちゅし』になりたいです」
「……『呪術師』?」
「ん?『じゅじゅちゅち』?」
「うふふ、分かったわ『じゅじゅちゅち』ね。それじゃ、私の手にノエルちゃんの手を置いて」
ノエルはコレトに言われるがまま手を置く。するとコレトは優しく、しかしハッキリとした声で叫ぶ。
【神よ、この者に呪術師の称号と新たなる力を授けたまえ!】
コレトの叫びの後、ノエルは数秒間目を閉じていたがすぐに目を開けた。
「これで終わりよ。お疲れ様」
「ありがとうございました」
ノエルはコレトにペコリと頭を下げる。
「お礼が言えて偉いわねー」
コレトはノエルを強く抱きしめる。そして、ノエルを抱きしめながら俺を潤んだ瞳で見つめてくる。
「ホウリ君、この子頂戴?」
「やるわけねぇだろ」
「1日だけでいいから」
「1時間だって貸さん」
「それは残念ね」
コレトは名残惜しそうにしながらもノエルを開放する。下手したら俺とフランがオダリムから旅立つ時よりも名残惜しそうだ。
ノエルを開放したコレトは大きく伸びをする。
「私そろそろ行くわ」
「おう、また後でな」
「それじゃノエルちゃん、また会いましょうね」
「うん、コレトお姉ちゃんまたね」
「コレトお姉ちゃん……良い響きね」
ノエルに向かって取れそうなぐらい激しく手を振りながら、コレトは去っていった。コレトが帰ると同時にロワが大きく息を吐いた。
「ふぅー、緊張しましたよ。まさか神殿長の方が来られるとは思ってもいませんでした」
「ノエルはあまり人目の着くところに連れていきたくないからな。無理を言って来て貰ったんだ」
「ホウリさんの交友関係は本当に広いですね。ところで、ノエルちゃんはどんなスキルを選んだんですか?」
「試しに使ってみるか。ノエル」
「分かった!えい!」
ノエル自身も早く使いたかったのか、速攻でスキルを発動させる。すると、ノエルとロワの全身に淡い青色の光が現れた。
「これは?」
「コネクト、使用者から1以内の対象者とMPを平均化するスキルだ」
「へえ、結構地味なスキルですね……ん?ということは?」
ロワはステータス画面を開き自分のステータスを確認する。
「え?」
信じられない物を見たような表情をしたロワは目を擦っては何度もステータスを確認する。現状を確認したロワは震えた声で口を開いた。
「ホウリさん、僕のステータスのMPが∞になっているんですが?」
「そういうスキルだからな」
「凄すぎません?スキル使い放題ですよ?」
「そういう目的で取得させたからな。ミエルに使えば無限にダメージを無効にできるし、俺に使えば雷装を使って音速で動けるようになる。凄いだろ?」
「凄いってレベルじゃないですよ!」
「ただし、その状態ではトリシューラを使うなよ?街どころかこの世界を破壊しちまうからな」
「そんな危険な事しませんよ……」
ロワはぐったりとテーブルにもたれかかる。そして、疲れ切った表情で弱々しく口を開いた。
「……で、もう一つのスキルは何ですか?」
「もう一つはこれだ。ノエル」
俺はノエルにコインを投げ渡す。コインを受け取ったノエルはロワの向かいの席に移動する。
「ロワお兄ちゃん、まずはこのコインを見てください」
「普通のコインだね」
「このコインを握って『えい!』と念じると、あら不思議、コインが両方の手に現れました」
「……複製ですね」
「ちぇ、少しは乗ってよー」
つまらなさそうな表情でテーブルにコインをおくノエル。ロワはテーブルに置かれたコインをつまんで眺める。
「確かにMPが無限であるノエルちゃんにはぴったりのスキルですね。ですが、何を複製するんですか?」
「これだよ」
俺は拳銃の弾薬をテーブルに置く。弾薬を見たロワは合点がいったのか手を叩く。
「なるほど、弾薬の精製ですか。これならお金がかからずに弾薬を沢山揃えられますね」
「問題は精度だ。造りが細かかったり複数の素材が使われている物の複製は難しいからな」
「ではどうするんです?」
「練習するしかないな」
俺は弾薬を何発かノエルに渡す。
「俺はこれから出かけるから、その間に複製の練習をしておいてくれ。品質のチェックはフランにしてもらってくれ」
「ホウリお兄ちゃん出かけるの?」
「さっきのコレトとちょっとな。明日の朝には帰ってくるから心配するな」
「分かった、ノエル頑張る!」
「その調子だ。ロワ、ノエルを頼んだぞ」
「お任せください」
ノエルの頭をなでてロワと硬い握手を交わした俺は家から出発し、コレトの元へと向かったのであった。
神殿長とはその街の神殿の最高責任者である。立場としては国の機関の長となっているため、かなり偉い。神殿長はスキルを与えるスキルを持つ神官の中から選ばれ、その多くが女性である。また、王都には全ての神殿の最高責任者である大神殿長がいる。──────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
早朝、朝食を終えた俺はミエルの家の庭でロワとノエルと対峙していた。フランやミエル、タードは幼児の為に出かけており、家には俺達3人しかいない。
ロワは弓を持っていて矢が入った矢筒を背負って、ノエルは拳銃を構えている。対する俺は新月とパチンコ玉を装備している。
「今から戦闘訓練を始める。全力で来い」
「はい!」
「うん!」
ロワは弓を引き絞って狙いを付ける。
「いきます!」
ロワが矢を放つと同時に二人との距離を詰める。飛んできている矢は新月で叩き落し、走りながら状況を確認する。
ロワは新しい矢を取り出していて攻撃には時間がかかる、ノエルは銃口を俺に向けているが照準が合っていない。となると、俺が取るべき行動は……
俺は二人の間に割り込み、ノエルに向かって新月を向ける。
「うわぁ!」
いきなり武器を向けられたノエルは思わず拳銃を発砲する。俺は発砲に合わせて横に転がり弾丸をかわす。そして、発砲された弾丸は俺がいた空間を通り過ぎ、その先にいるロワの肩に命中し貫通する。
「があ!」
「ロワお兄ちゃんごめん!」
ノエルは杖を取り出してロワに向ける。このままだとロワを治療されるな。それは困るから……、俺はノエルの杖を新月で弾き飛ばす。
「うわあ!」
ノエルは飛んで行った杖に目を奪われている間に、顔面に蹴りを叩きこむ。
「くうぅ、魔装!」
ノエルはとっさに魔装をしてダメージを抑える。そして、ノエルはそのまま足に着けていたナイフを取り出して俺に突き刺してくる。今の体勢ではナイフは避け切れないな。だったら……
俺は手に仕込んでいたパチンコ玉をノエルの眉間に向かって弾く。
「きゃあ!」
眉間にパチンコ玉をぶつけられたノエルはたまらずナイフを落とす。その隙にノエルの腹に拳を叩きこみ、体制が崩れた所で足を払って完全に体を倒す。倒れたノエルには両足と両手を縄で縛り完全に無力化する。
「うわああ!」
「ノエルちゃん!」
背後からロワの焦った声が聞こえる。声で判別する限りロワの位置は俺の真後ろ。声の状況から推測するに焦りがあるからすぐに行動してくる筈。矢で俺を狙った場合は避けられた時にノエルに当たるから直接は狙ってこない。となると、ロワの行動は……、
俺は振り向くと、そのままロワに向かって全力で走り出す。ロワは予想通り俺が居た所を挟むように矢を放っていた。
ロワの考えとしてはまずはヘビーウェイトで俺の動きを止めて攻撃やノエルの救出をするつもりだったんだろう。ヘビーウェイトであればノエルに掛ける負担も少ないし良い手だ。だからこそ読みやすいんだが。
ヘビーウェイトは刺さった矢と矢の間の物の質量を倍にする。つまり、矢が刺さる前に場所を移動すれば問題ない訳だ。
いきなり走り出した俺に驚いたロワは動き出しが遅れてしまい俺の接近を許してしまう。
「くっ、まだです!」
ロワは諦めずに俺に向かって矢を引き絞る。だが、
「な!?またですか!?」
海での戦闘と同じように引き絞った瞬間に弓の弦が切れてしまう。今のままではロワに攻撃する手段はない。しかし、ロワはまだあきらめずに懐に手を入れる。
「まだです!まだ僕にはあれが……」
「あれってこれの事か?」
俺はポケットから銀色の筒を取り出す。何を隠そう、俺がプレゼントした携帯弓だ。
俺が携帯弓を持っているのを見てロワは降参するように手を挙げる。
「参りました。流石に弓が無い中でホウリさんに勝てないです」
「ロワの場合は武器破壊は致命的になるからな。携帯弓があるとは言え気を付けろ」
「ねー、早く解いてよー」
ロワに携帯弓を返すと背後からノエルの叫び声が聞こえた。
「悪い、今解く」
ノエルを縛っている縄をほどき跡が残っていないか確かめる。とりあえずは大丈夫だな。
「もう動けるはずだ」
「うー、また勝てなかった」
ノエルは悔しそうな表情をしながら立ち上がる。
「悔しいなら反省会ちゃんとしような」
「はーい」
俺達は家の中に戻りリビングの椅子に腰かける。
「反省会を始める。まずは何がいけなかったかを考えて発表してくれ」
「はい!」
早速ノエルが勢いよく手を挙げる。
「ノエル」
「ホウリお兄ちゃんが相手だったから!」
「いや、流石にそれはないんじゃ……」
「正解」
「いえーい」
「当たっているんですか!?」
思わず椅子から立ち上がるロワと嬉しそうに両手を上げるミエル。そんなロワとミエルに俺は説明する。
「最初の行動はお前らに接近するのが効果的だと知っていての行動だ。お前らの事を全く知らなかった場合は行動は全く変わっていただろう」
「つまり手の内はあまり明かしてはいけないという事ですか?」
「その通りだ。基本だが絶対に忘れるなよ。それでだ、今回は情報の漏洩は仕方ないとして、他に反省点はあるか?」
俺の質問にロワが恐る恐るといった様子で手を挙げる。
「ロワ」
「立ち回りが良くなかったんですかね?」
「具体的には?」
「えーっと……」
考えていなかったのか、しどろもどろになるロワ。少し難しかったか?
「ノエルがホウリお兄ちゃんを足止めするべきだったとか?」
「お、正解だ」
意外にも正解を導きだしたのはノエルだった。やっぱりノエルは地頭がいいんだな。
「魔装やナイフを使えるノエルが前衛として俺を食い止めるべきだったな」
「小さい子を前衛と使うのは少々抵抗があるんですが……」
「死ぬよりはいいだろ。同じ状況で躊躇して両方やられたら意味がない」
「ノエルは平気だよ?」
「だったらいいんですが……」
「こういう時の為に日常的に話し合いをしておいても良いかもな」
咄嗟に呼吸を合わせて役割を分けるのは難しい。このパーティーも出来てから数か月だし息が合うのはまだ先だろうな。
「そういえば、一つ気になっているんですが」
「なんだ?」
「いつ弓の弦を切ったり、携帯弓を盗んだりしたんですか?」
確かに俺は弓を切ったりする動作も盗む動作も見せていない。疑問に思うのは当然だろう。
「弓の弦を切ったのは俺じゃない。ノエルの弾丸だ」
「ノエルちゃんの?」
「ハッキリ言えば偶然だ。狙ったわけじゃない」
「偶然だったんですか?自信満々に戦っていたので何かしたんだと思いました」
「ハッタリだな。そういう心理戦も重要ってことだ」
「携帯弓はいつ盗んだの?戦っている時はロワお兄ちゃんに近付いてないよね?」
ノエルが不思議そうに聞いてくる。確かに端から見たら怪しげな術を使っているように見えるかもな。
「確かに俺は戦闘中にロワに近付いていない」
「ではどうやって?」
「簡単だ。戦闘中に盗めないなら戦闘前に盗めばいい」
「へ?」
ロワは俺の言っている事が理解できないのか、口を開けたまま呆ける。
「え?戦闘が始まる前に携帯弓を盗んでいたんですか?」
「そうだ」
「……卑怯では?」
「戦闘前の武器破壊やアイテムの窃盗は実際にある手だ。戦闘中に卑怯だと言いながら殺されてもいいのか?」
「対応策は?」
「大切な物は肌身離さず持っておけ。また、戦闘前に武器やアイテムのチェックは必ずしておけ」
「分かりました」
「はーい」
ロワとミエルは手を挙げて元気よく返事をする。
そろそろ、良い時間だな。ここで反省会は切り上げよう。
「他にも同士討ちや回復のタイミングとかの反省点はあるとは思うが、良い時間だしそろそろ切り上げよう」
「そういえばお客さんが来るんでしたね。どなたが来るんですか?」
「秘密だ。強いて言うなら……」
俺はノエルに視線を向けて言葉を続ける。
「ノエルに関係がある人物だ」
「ノエルに?」
「前に説明しただろ?あの説明に関係がある人物だ」
ノエルとロワが不思議そうに首を捻ると、玄関からチャイムが鳴り響いた。来たみたいだな。
俺は玄関まで向かおうとすると、後ろからノエルとロワが付いてきた。
「どうかしたか?」
「いえ、どんな方なのか気になったので。ダメでしたか?」
「ダメじゃないが、布はちゃんと付けろよ?」
「分かってますよ」
ロワは顔に着けている布を握りしめる。この前のクラン家の出来事があってからロワは布をつけ忘れる事はほとんど忘れなくなった。余程、怖かったんだろう。布以外の対応策も考えておかないとな。
ロワとノエルが後ろからついてくる中、俺は玄関の扉を開ける。
「いらっしゃい」
「こんにちは。久しぶりだねホウリ君」
そこには白いワンピースを着たブロンドの女性、オダリムの神殿長である『コレト・ガーナ』が居た。
「忙しい所悪いな」
「別にいいわよ。私もホウリ君に会いたかったし」
「そう言ってくれると助かる。立ち話もなんだから中に入ってくれ」
「はーい、おじゃましまーす」
コレトが家の中に入ると、後ろにいたロワとノエルに気が付く。
「この二人は誰?」
「俺のパーティーメンバーだ」
「ふーん、そうなんだ」
コレトをリビングへ案内し席に着かせる。俺はコップにジュースを入れてコレトの前に出す。
「粗茶ですが」
「ジュースじゃないの」
「粗ジュースですが」
「粗ジュースって何よ」
「握力だけで絞りました」
「粗いのは作り方だったのね」
コレトはコップを持つと一気にジュースを飲み干す。
「ぷはー、歩いて火照った体に冷たいジュースが染みるわねー」
「おかわりもあるぞ」
「いただくわ」
2杯目のジュースを飲み干したコレトは一息つくと、改めて俺達の方へと向き直る。
「はじめまして、私はコレト・ガーナ。オダリムで神殿長をやっているわ」
コレトはニコリと微笑み軽く会釈をする。コレトに釣られてロワとミエルも頭を下げる。
「ロワ・タタンです。冒険者で弓使いをしています」
「ノエル・アロスです。フランお姉ちゃんの妹です」
「え?フランちゃん妹いたの?」
コレトは驚愕した様子でノエルを凝視する。
「オダリムを出た後に合流したんだ」
「へーそうなのね。可愛いわねぇ」
「今回の対象者はノエルだ」
「分かったわ。時間もないし手早くやりましょう」
そう言うとコレトは席から立ちノエルに近付く。そして、しゃがんでノエルに視線を合わせるとゆっくりと優しく話し出した。
「今からノエルちゃんには新しいスキルと職業を与えるわ。職業は決まってる?」
そう、今回コレトを呼んだ理由はノエルに職業とスキルを与えるためだ。ノエルには事前になるべき職業と取るべきスキルについて説明してある。後はその職業になってスキルを取るだけだ。
コレトに聞かれたノエルは少し困った様子になりながらも話し始める。
「えーっと、ノエルは『じゅじゅちゅし』になりたいです」
「……『呪術師』?」
「ん?『じゅじゅちゅち』?」
「うふふ、分かったわ『じゅじゅちゅち』ね。それじゃ、私の手にノエルちゃんの手を置いて」
ノエルはコレトに言われるがまま手を置く。するとコレトは優しく、しかしハッキリとした声で叫ぶ。
【神よ、この者に呪術師の称号と新たなる力を授けたまえ!】
コレトの叫びの後、ノエルは数秒間目を閉じていたがすぐに目を開けた。
「これで終わりよ。お疲れ様」
「ありがとうございました」
ノエルはコレトにペコリと頭を下げる。
「お礼が言えて偉いわねー」
コレトはノエルを強く抱きしめる。そして、ノエルを抱きしめながら俺を潤んだ瞳で見つめてくる。
「ホウリ君、この子頂戴?」
「やるわけねぇだろ」
「1日だけでいいから」
「1時間だって貸さん」
「それは残念ね」
コレトは名残惜しそうにしながらもノエルを開放する。下手したら俺とフランがオダリムから旅立つ時よりも名残惜しそうだ。
ノエルを開放したコレトは大きく伸びをする。
「私そろそろ行くわ」
「おう、また後でな」
「それじゃノエルちゃん、また会いましょうね」
「うん、コレトお姉ちゃんまたね」
「コレトお姉ちゃん……良い響きね」
ノエルに向かって取れそうなぐらい激しく手を振りながら、コレトは去っていった。コレトが帰ると同時にロワが大きく息を吐いた。
「ふぅー、緊張しましたよ。まさか神殿長の方が来られるとは思ってもいませんでした」
「ノエルはあまり人目の着くところに連れていきたくないからな。無理を言って来て貰ったんだ」
「ホウリさんの交友関係は本当に広いですね。ところで、ノエルちゃんはどんなスキルを選んだんですか?」
「試しに使ってみるか。ノエル」
「分かった!えい!」
ノエル自身も早く使いたかったのか、速攻でスキルを発動させる。すると、ノエルとロワの全身に淡い青色の光が現れた。
「これは?」
「コネクト、使用者から1以内の対象者とMPを平均化するスキルだ」
「へえ、結構地味なスキルですね……ん?ということは?」
ロワはステータス画面を開き自分のステータスを確認する。
「え?」
信じられない物を見たような表情をしたロワは目を擦っては何度もステータスを確認する。現状を確認したロワは震えた声で口を開いた。
「ホウリさん、僕のステータスのMPが∞になっているんですが?」
「そういうスキルだからな」
「凄すぎません?スキル使い放題ですよ?」
「そういう目的で取得させたからな。ミエルに使えば無限にダメージを無効にできるし、俺に使えば雷装を使って音速で動けるようになる。凄いだろ?」
「凄いってレベルじゃないですよ!」
「ただし、その状態ではトリシューラを使うなよ?街どころかこの世界を破壊しちまうからな」
「そんな危険な事しませんよ……」
ロワはぐったりとテーブルにもたれかかる。そして、疲れ切った表情で弱々しく口を開いた。
「……で、もう一つのスキルは何ですか?」
「もう一つはこれだ。ノエル」
俺はノエルにコインを投げ渡す。コインを受け取ったノエルはロワの向かいの席に移動する。
「ロワお兄ちゃん、まずはこのコインを見てください」
「普通のコインだね」
「このコインを握って『えい!』と念じると、あら不思議、コインが両方の手に現れました」
「……複製ですね」
「ちぇ、少しは乗ってよー」
つまらなさそうな表情でテーブルにコインをおくノエル。ロワはテーブルに置かれたコインをつまんで眺める。
「確かにMPが無限であるノエルちゃんにはぴったりのスキルですね。ですが、何を複製するんですか?」
「これだよ」
俺は拳銃の弾薬をテーブルに置く。弾薬を見たロワは合点がいったのか手を叩く。
「なるほど、弾薬の精製ですか。これならお金がかからずに弾薬を沢山揃えられますね」
「問題は精度だ。造りが細かかったり複数の素材が使われている物の複製は難しいからな」
「ではどうするんです?」
「練習するしかないな」
俺は弾薬を何発かノエルに渡す。
「俺はこれから出かけるから、その間に複製の練習をしておいてくれ。品質のチェックはフランにしてもらってくれ」
「ホウリお兄ちゃん出かけるの?」
「さっきのコレトとちょっとな。明日の朝には帰ってくるから心配するな」
「分かった、ノエル頑張る!」
「その調子だ。ロワ、ノエルを頼んだぞ」
「お任せください」
ノエルの頭をなでてロワと硬い握手を交わした俺は家から出発し、コレトの元へと向かったのであった。
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