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10 : 慈悲 ※
しおりを挟む「リュアオスさまのお慈悲に感謝します。ところで、どうしてこちらへ? 疫病は終息しましたし、神聖力は枯渇しておりません」
リュアオスはアメデアの前に現れる口実も抱く理由もいまはない。自分で口にすると酷く寂しい気持ちになる。
リュアオスは暗い表情をしたまま、アメデアが羽織っているマントを剥ぎ取り、押し倒した。
「わっ!?」
このように荒々しく扱われたことなどなかった為にアメデアは困惑した。
「リュ、リュアオスさま? ……申し訳ありません」
きっと神は全てを見て知っていたはずだ。
アメデアが貪欲にリュアオスの愛を求めていることも、家族を持つことに憧れを抱いていることも、はしたなくも一人で発情をしていることも。
「何に対する謝罪だ」
「……」
罪科を自ら述べるように言われ、おし黙る。
言わなくてもリュアオスは知っているかもしれないが、自分の醜悪な部分をさらけ出すのに抵抗がある。
口にだしてしまえば、失望されるかもしれない。
「そうか」
何も言わないアメデアに、リュアオスは舌打ちして、服を破くように脱がしとる。
草の葉を敷布をして、アメデアはその白い裸体をさらす。
濡れた髪が頬や体に張り付く。
「なぜあの男をかばった。もしやそなたの情人か?」
「違っ……んんっ」
どこか冷たく言う声に畏怖を覚えながらも、すぐに否定をするが、その言葉は塞がれる。
乱暴に口腔を暴れ、リュアオスはアメデアの下唇を噛んだ。
口のなかに血の味が広がる。
「俺を愛しているか?」
「もちろんです。私のすべてはリュアオスさまに捧げて」
「そうじゃない!」
声を荒らげる姿をはじめて見た。
神秘的な淡い色の瞳は感情的に揺れ動き、アメデアをうつしだす。
「神ではなく、俺を愛しているかと聞いている。そなたに力を与えることができなくとも、そなたを永遠に受け入れる側にしてしまうとしても」
アメデアはリュアオスが何を言っているのか理解できなかった。
そのような想いも覚悟もずっと昔にできていた。
この神聖力は副産物であり、その恩寵をまわりに分け与えているにすぎず、アメデア自身がそれを必要としたことはない。
リュアオスへの想いは、若い時分の年長者への憧れや指導を目的としたものではなく、厭らしい恋慕の情である。成熟した身でも、その想いを持ち、受動的な身である異端者なのだとわかっている。
「はじめに言ったではありませんか、私がはじめに愛したのは神の貴方ではないと。私が全てを捧げた時の貴方は神ではなくただのリュアオスでした。私は永遠に貴方のものであり、貴方を愛しています」
恋仲のようになったとき、まだリュアオスのことを神だと信じていなかった。
ただ不思議で面白い人であるという認識でしかなかった。
神というフィルターを通さずに、素の彼を見ていたつもりだった。そんな彼を愛していた。
「私は異質にも、リュアオスさまに同性であるにも関わらず恋慕し、リュアオスさまを喜んで受け入れ、自らの竿を使うことを放棄しました。それが成熟した大人の男として異端であることはわかっています。それでも私はリュアオスさまを愛しています」
アメデアの鼓動が大きく鳴り響く。
鼓動にあわせて胸にある淡く色づく突起が上下する。
胸を穿つ飾りが与えた余韻で、アメデアの少し幼い陰茎は緩く勃っていた。
その姿にリュアオスは生唾を飲む。
「本当に?」
「これほど言って信じてくれませんか」
困ったように微笑まれてリュアオスは堪えられなくなった。
上からのし掛かり、押し潰すようにアメデアを抱き締めた。
「愛している。愛している。そなたの全てを呑み込んでしまいたい。そなたを誰の目に触れぬ場所へと連れ去ってしまいたい」
苦しいほどに抱きしめられながら、アメデアは幸福に包まれた。
リュアオスが異端の愛に応えてくれた。それだけで、この卑しい欲望が満たされる。
「リュアオスさま」
哀願するように名をよべば、リュアオスはこたえるように口づけをする。
その唇は徐々に下へとおりていき、宝石が飾るピンクの頂へといたる。
「あんっ」
片方をねぶられ、もう片方を愛撫される。緩急をつけながら愛されると、胸での快楽を教え込まれたアメデアの下は完全に勃ちあがる。
「そなたのここは、熟れた実のように甘美だ」
「ああぁっ」
歯をたてて甘噛みされ、自然と腰を浮かせて胸をつきだす。
リュアオスは浮いた隙を見逃さず、アメデアの脚を掴んで折り畳んだ。
己の恥部をリュアオスの面前にさらすような格好に顔から火が出そうになる。それどころか、リュアオスはアメデアの菊座をひとなめした。
「やっ、リュアオスさま。そんなとこ、汚いです」
「だがそなたのここは求めるように痙攣しているぞ」
リュアオスはアメデアの制止の声など気にもせず、舌で襞をなぞる。そして割れ目に舌先をいれた。
「ひゃっ! だめっ、そこは……っ。んんっ」
生暖かく濡れた感触がアメデアの後孔を襲う。
さらに奥へと入り込むために、リュアオスは両手でアメデアの尻をつかみ左右に開く。
幾度となくリュアオスの雄々しい男根を受け入れているアメデアの後は綺麗に縦に割れる。
「ゆるしっ、だめ、……あんっ、汚ない、から……っ。はなして、やぁ」
清めてもいない、人間の後孔など汚いに決まっている。そんなものをリュアオスになめさせるわけにいかない。
だが抵抗するには、快楽によって力が入らず、腰をふるわせることしかできない。
「舌、やだぁ」
舌ではアメデアの敏感なところはせめられない。それに気づいたリュアオスは舌を抜いて、代わりに指を突っ込んだ。
3本もの指を呑み込んで柔らかな内側は奥へと誘い込むようにうねる。
「いやらしいな」
「……っ、ああぁッ。そこっ、いい……んぁ」
不規則に中の指を動かせば、アメデアのよいところにあたる。
グリグリと押し上げると、アメデアは足先を伸ばして顎をそらせる。
「やっ、くる。きちゃ、あぁぁ——ッ!」
自らの腹の上に白濁をぶちまけて、息を切らす。
生理的な涙で歪んだ視界で、キトンを押し上げるリュアオス雄が見える。
アメデアは本能的にそれを腹の中にしまいたいと思った。
「リュアオスさま。どうか、私の中に。その雄々しいもので私のなかを穿ってください。貴方が欲しい」
「俺もそなたを欲している。俺のアメデア、そなたの願いをかなえてやる」
リュアオスはキトンを脱ぎ捨て、その彫刻のような身体をさらす。
屹立した太くグロテスクなそれを蕾に擦り付けてから、一気にさしこんだ。
「ああっ……はぁ、……あぁ、もっと。全部、いれてください」
挿れただけでは満足できず、その全てを呑み込み、奥をつかれることを望んだ。
アメデアがねだると、リュアオスは自身の全てを押し込んだ。
「これで満足かっ」
「ひゃいっ……ああん」
アメデアは根元まで咥えこみ、その重圧に幸福を感じる。
アメデアの中はまるで生き物のようにまとわりつき搾り取ろうと締め付ける。リュアオスの形がはっきりとわかる。
「そなたの中は締め付けて放してくれないな」
リュアオスはギチギチとした締め付けに顔を歪めながら、肉棒を動かす。
大きくて固い、なのに熱を帯びて脈打つそれに全身で受け止める。
「ああぁ……あっ、はぁぅ……」
だらしなく閉じることを忘れた口からは女のような喘ぎ声しかでない。
リュアオスに仕込まれた体は快楽に従順で、突かれるたび声をあげ、自然と涙をこぼす。
「あつく、吸い付いてくるぞ」
「ひぃっ。……うぅっ……あぁ……ッ。中、中にぃ」
リュアオスの怒張が更に大きくはりつめて限界をむかえようとしていた。抽挿のスピードが速まる。
「っ!」
アメデアの中に植え付けるように、亀頭を奥におしつけて中に出す。
「あああぁーーーッ」
熱い愛を注ぎ込まれて、アメデアも押し出されるように吐き出す。
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