104 / 370
第1章・異世界転移と異世界転生
アルバトスさんの話①
しおりを挟む
ユリウスがシルヴィーク村のみんなに受け入れられたところを、私は少し離れたところから見ていた。
みんなユリウスと話をしてみたいのではないかと思ったからなんだけど、思った通り、彼は村人たちに囲まれていた。
多分ユリウスは、自分が村の人たちに受け入れてもらえるのか、不安に思っていたんじゃないかなと思う。
安心した表情で村の人たちと話しているユリウスを見つめながら、私は小さく、「良かったね」と呟いた。
「オリエさん、いろいろとありがとうございした」
先程、サーチートを諭したアルバトスさんは、多分私と同じような事を思ったのだろう、ユリウスを離れたところで見守っていて、もう大丈夫と安心したのだろう、私に声をかけてきた。
「アルバトスさん、体は大丈夫ですか」
「えぇ、おかげ様で、だいぶ回復をしました。もう普通に動けます。ありがとうございます」
サーチートから聞いてはいたけれど、アルバトスさんは彼の言葉通り、元気になっているようだった。
「オリエさん、ユリウスの事、本当にありがとうございました。あの子の事、さぞかし驚かれた事でしょう。秘密にしていて、申し訳ありませんでした」
アルバトスさんはそう言うと、私に頭を下げた。
「止めてください、アルバトスさん。私、ユリウスからいろいろと聞きました」
ユリウス自身から聞いた話だけでも、彼の事を隠しておかなければならないのは充分すぎる程理解できたし、アルバトスさんは必死にユリウスを守りながら生きてきたのだろう。
「オリエさん、あの子から、どこまで聞きました?」
「お母さんが命懸けでユリウスが産まれる前に、魔法で性別を変えて、お母さんが亡くなってからは、それをアルバトスさんが引き継いだ事や、その他の力もアルバトスさんに封じられていた事は聞きました。あなたの命で封じていたって事も」
私がそう言うと、アルバトスさんは頷き、だいたいの事はご存じなのですね、と呟くように言った。
「では、今度は私の話もお話しましょう」
「はい」
「お気づきだと思いますが、私は、あの子を守る事に必死でした。そして、私が死んだ後、あの子がどうやって生きていくのかが、とても心配でした。私なりにあの子を導いてはきましたが、あの子が真の姿を取り戻した時、私はもうこの世には居ないのです。だから物心ついた頃には全てを話し、武器の扱い方や、魔法、この世界で生きていくための知識を叩き込みましたが、それはあの子に、オブルリヒト王家に対しての憎しみを植え付けてしまう結果になりました。正直な話、私は八方塞がりになっていました」
アルバトスさんはそう言うと、深いため息をついた。
「いっその事、自ら命を断ち、あの子を自由にしてやろうと思った事もありました。そして、何故妹を止めて、王子として生まれるあの子を、二人で守り抜く道を選ばなかったのかと、いつも後悔していました。こんな情けない私に育てられたというのに、あの子はオブルリヒト王家に対する復讐心以外は、とても良い子に育ちました。だからこそ、私はあの子を生かすためとはいえ、あの子を私と言う檻の中に閉じ込めてしまっていた事を、いつも後悔ばかりしていたのです」
アルバトスさんは、必死にユリウスを育てながらも、罪悪感に苛まれていたようだ。
みんなユリウスと話をしてみたいのではないかと思ったからなんだけど、思った通り、彼は村人たちに囲まれていた。
多分ユリウスは、自分が村の人たちに受け入れてもらえるのか、不安に思っていたんじゃないかなと思う。
安心した表情で村の人たちと話しているユリウスを見つめながら、私は小さく、「良かったね」と呟いた。
「オリエさん、いろいろとありがとうございした」
先程、サーチートを諭したアルバトスさんは、多分私と同じような事を思ったのだろう、ユリウスを離れたところで見守っていて、もう大丈夫と安心したのだろう、私に声をかけてきた。
「アルバトスさん、体は大丈夫ですか」
「えぇ、おかげ様で、だいぶ回復をしました。もう普通に動けます。ありがとうございます」
サーチートから聞いてはいたけれど、アルバトスさんは彼の言葉通り、元気になっているようだった。
「オリエさん、ユリウスの事、本当にありがとうございました。あの子の事、さぞかし驚かれた事でしょう。秘密にしていて、申し訳ありませんでした」
アルバトスさんはそう言うと、私に頭を下げた。
「止めてください、アルバトスさん。私、ユリウスからいろいろと聞きました」
ユリウス自身から聞いた話だけでも、彼の事を隠しておかなければならないのは充分すぎる程理解できたし、アルバトスさんは必死にユリウスを守りながら生きてきたのだろう。
「オリエさん、あの子から、どこまで聞きました?」
「お母さんが命懸けでユリウスが産まれる前に、魔法で性別を変えて、お母さんが亡くなってからは、それをアルバトスさんが引き継いだ事や、その他の力もアルバトスさんに封じられていた事は聞きました。あなたの命で封じていたって事も」
私がそう言うと、アルバトスさんは頷き、だいたいの事はご存じなのですね、と呟くように言った。
「では、今度は私の話もお話しましょう」
「はい」
「お気づきだと思いますが、私は、あの子を守る事に必死でした。そして、私が死んだ後、あの子がどうやって生きていくのかが、とても心配でした。私なりにあの子を導いてはきましたが、あの子が真の姿を取り戻した時、私はもうこの世には居ないのです。だから物心ついた頃には全てを話し、武器の扱い方や、魔法、この世界で生きていくための知識を叩き込みましたが、それはあの子に、オブルリヒト王家に対しての憎しみを植え付けてしまう結果になりました。正直な話、私は八方塞がりになっていました」
アルバトスさんはそう言うと、深いため息をついた。
「いっその事、自ら命を断ち、あの子を自由にしてやろうと思った事もありました。そして、何故妹を止めて、王子として生まれるあの子を、二人で守り抜く道を選ばなかったのかと、いつも後悔していました。こんな情けない私に育てられたというのに、あの子はオブルリヒト王家に対する復讐心以外は、とても良い子に育ちました。だからこそ、私はあの子を生かすためとはいえ、あの子を私と言う檻の中に閉じ込めてしまっていた事を、いつも後悔ばかりしていたのです」
アルバトスさんは、必死にユリウスを育てながらも、罪悪感に苛まれていたようだ。
100
あなたにおすすめの小説
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる