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第1章・異世界転移と異世界転生
ユリウスのお披露目②
しおりを挟む「えーっ! ユリアナ様が、本当は男ー?」
ユリウスの事を知ったシルヴィーク村の人たちは、予想通りみんな驚いていた。
ここにくる前にモネちゃんが言っていたように、本当に男性は号泣し、女性は大騒ぎだ。
そしてちらほらと、
「ユリウス様って、まるで伝説の創世王みたい」
「本当よね、素敵だわ」
と言う声が聞こえてくるんだけど、あれは何の事なのかな。
ちょっと気になる。
「え? ユリアナちゃん、男の子だったの?」
サーチートはユリウスに興味津々で、彼の肩に駆け上がると、顔をじっと見つめる。
「あのユリアナちゃんが男の子だなんて、信じられないけど、君は確かにユリアナちゃんに似ているよね。じゃあ、本当にユリアナちゃんは、男の子なの?」
ユリウスはサーチートに詰め寄られ、少し困っているようだった。
そんな彼が助けを求めたのは、彼が最も信頼している人で、助けを求められた人は穏やかな声で、サーチートに言った。
「そうですよ、サーチートくん。この子は間違いなく、ユリアナだった者です。ある事情から、魔法をかけて、女の子として育てていました。今は魔法が解けて男性体になり、今後はユリアナ・オブルリヒトではなく、ユリウス・フェルトンとして生きていきます。ユリアナだった時と同じように、仲良くしてあげてもらえませんか?」
「はい、わかりましたぁ。そうかぁ、よくわからないけど、きっと何か大変な事があったんだね。でも大丈夫だよ、ぼくは、君がユリアナちゃんでも、ユリウスくんでも、仲良くするから安心してね」
アルバトスさんの言葉を受け入れたサーチートは、ユリウスに小さな手を差し出した。
どうやら、握手のつもりらしい。
ユリウスは表情を緩めると、サーチートの小さな手に、褐色の人差し指を差し出した。
「ありがとう、サーチート。これからもよろしく」
「うん、よろしくね、ユリウスくん」
サーチートとユリウスが握手をする姿は、とてもほのぼのとしていて、見ていてほっこりした。
他の村人たちも同じだったんだろう、
「そうですよ、姿形が違っていようが、ユリアナ様……いや、ユリウス様には、村を救っていただいた御恩があります。あなたが何者であろうが、俺たちは受け入れますよ!」
「そうよ! ユリアナ様もカッコ良かったけど、ユリウス様って、本当に素敵だわ! 私、ファンになっちゃいます!」
と、ユリウスをあっさりと受け入れた。
「ヒューヒュー、ユリウスくんは、モテるなぁー。羨ましいぜ、このやろー!」
肩に乗ったお調子者のハリネズミにからかわれ、ユリウスは少し頬を赤くして、照れたように笑った。
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