異世界へ行って帰って来た

バルサック

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無スキル

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学園からやって来たのは、2人だけとは・・・
学園側は本気で考えてるのか・・・もう疑問だらけだ。
もしかして、講師を使って学園を乗っ取られないか警戒してるのか・・・そんなバカな。

折角のスキル講師の育成なのに・・・それも村の関係者だよ。

高田健一たかだけんいち 64歳】

スキル
力アップ


神田奈菜かんだなな 17歳】

スキル
力アップ


高田のじいさんは、なんとなく事情は分かる気がする。

「いい年して探索者ゴッコを何時いつまでしてるんだい」と村の老人に言われてた。

じいさんも老人には、敵わないからな。
じいさんのオシメを変えた叔母が、今も健在だ。


それに対して神田奈菜は、神田じいさんに説得されたと俺は感じたな。
孫の2人が可愛いんだ。

今、着てるジャージはブランド物だ。
なんと鑑定では、6万800円って・・・今、俺が着てるジャージは、2980円だぞ。

「お前、最近になって自動車教習所へ行ってるらしいな」

「行ってるわ・・・何か問題でもある。兄が乗り回してるの見たら欲しくなって・・・それよりイサム、こんどは何を教えてくれるの」

歳が近いからってタメ口だよ。


「いいか、身体強化をもっと効率的に上げる方法だ。それが新しい生徒に教え込むのが講師の務めでもある」

「わかった」

え!分かったの。


2人には、体を触っての魔力循環の手助けだ。

「やめて!気持ちが良過ぎよ」

サッと手を離した。

「え!何してるのよ。やめないで」

「どっちなんだよ」

「まだまだ循環が慣れなくて・・・」

高田のじいさんは、理解したと1人で瞑想しながら魔力循環をしてるのに・・・


「まだまだダメよ、あと少しで分かりそうな気がする」

おかしいな・・・俺には手応えがあるのに・・・個人差があるのか・・・

結局、1時間も魔力循環をやらされたよ。

「折角、気分がいいのに・・・」

魔力循環は、魔法士だけに教えた準備運動みたいなものだ。
これをマスターしないと先に進めない。



もう、次の段階に行ってもいいうだろう。
俺は、バッグからナイフを取り出して2人に手渡した。

「え!なぜナイフを・・・」

「今から俺の行動を見ていろ」

ナイフで自分の指をサッと切った。
すると鮮血が滴り落ちるのを見せる。

「なにするの!」

「そうだよ。ストレスでも溜まったのか」

「いいかい。自分自身の魔力で指を治すんだ。ホラ!もう治った」

俺の指を触りまくって「嘘!本当に治ってる」

「そんな事ができるなんて・・・」

もう高田のじいさんもビックリしてるぞ。


俺は、魔力での回復の仕組みについ、ていねいに説明してやった。

「細胞を活性化するって言ってもねぇー」

「何をやってる。早く指を切らないか」

「ちょっと待ってよ。心の準備が・・・」

「ホラ!高田のじいさんは、もう切ったぞ」

そうなのだ。高田のじいさんは切った指をにらみつけていた。
それなのに奈菜は、持ったナイフをぶるぶるとふるわすだけだ。

「俺が切ってやろうか」

「え!よしてよ」

その時だ。

「治ったぞ。見てくれ」

「本当に治ってますね。よく頑張りました」

気を良くした高田のじいさんは、手に持ったナイフで奈菜の指を切っていた。

「ギャー!人殺しよ。何をしてるのよ。このクソじじい!」

俺もビックリだよ。

そんな騒ぐ奈菜を捕まえて「さあ!切れた指に集中して」
まだ震える体が伝わってきたが「さあ、頑張ろう」

諦めたように指に集中をするようになったぞ。
俺の鑑定が細胞の活性を知らせてきた。

「あ!治った。本当に治ってる・・・信じられない」

もう何度も切って治す事を繰り返した。

もう十分だと思った俺は、2人の手を握って『癒しの光』を発動。

2人とも信じられないように、何度も何度も手を見てた。

「前よりキレイになってるわ。見て見て、右手より左手の肌つやが全然違うわ」

鋭く俺の方を見た。

「もしかしたら、全身にその光を浴びたらキレイになるかも」

「いやいや遊びじゃないんだから・・・次のステップにゆくぞ」

「・・・・・・」

「そのステップで高田さんより早くできたら、褒美として癒しの光をして下さい」

なんだよ後半の『して下さい』の言葉は・・・

「まあ良いだろう。高田さん、あんな事を言ってますよ。負けたらダメですからね」

「分かってますよ・・・だてに歳はとってませんよ」

じいさんの目が光ったような・・・


「2人は、力アップのスキル覚醒者だ。素早さもアップしたいとは思わないかな」

「そりゃーないより、あった方がいいに決まってるわ」

「その素早さを、無魔法を使って体に一時的に強化する方法を伝授しよう」

「本当ですか」

「わたしに出来るでしょうか」

「失敗しても減るものでもないので気楽にやりましょう」

ここは緊張させたら失敗するから落ち着かせよう。

「魔力循環をやったね。今度は神経と筋肉に同時に循環させてくれ。イメージとして神経伝達を速くする感じと筋肉がすぐに反応するイメージがいいだろう」

30分が経過。1時間が経過した時だ。

「やったぞ!できたぞ!」

高田のじいさんが、ダンジョン内の空間を素早い動きで走りだしている。
目にも止まらない動きだ。

「わたしの負けなのね。なんで・・・」

ガクッとうな垂れる奈菜が居た。


その奈菜もマスターすると走り回ってる。

「もういい加減しないか!!」

俺が止めなかったまだまだ走り続けただろう。


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