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幼馴染

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「おはよう。イサム、居るか・・・昔、住んでいた三郎だ。京子も一緒に来たんだ」

声を聞いた俺は、懐かしく子供の頃を思い出した。
玄関ドアをガラガラと開けると、すっかり変わって成長した2人がそこに居た。

「懐かしいな・・・どうしてた」

「俺らは結婚したんだよ」

「いつだよ」

「1年前に・・・東京で偶然会ってさ、色々あったんだ」

長話をして、覚醒判定がダメだったらしい。その事で2は、凹んでるらしい。
ならば力になれると2人をギルド支部へ連れてやって来たのだ。



「探索者登録しないとダメか・・・」

「ダメだな・・・捕まって刑務所行になるぞ。鑑定時はあくまでも臨時措置だから許されただけだからな」

緊張気味の2人は、牧田のおばさんに「あごを少し引いて、笑わなくていいから」
カメラで顔写真を何枚も撮られた。今度は全身写真も撮られた。

「今度は、狭いけどこの個室に入って、画面を見て適切に装置を装着するのよ」

「これって、ここでいい」

「なんだね、画面とは反対だよ。世話の焼けるこだね」

ボックスタイプの個室で、外からは丸見えだ。

PCの質問300に「これって何の意味があるんだよ」とぼやき声が、スピーカーで漏れ漏れだ。
本人は知らない。

手には脈拍測定と汗チェックのバンドが、頭には脳波測定のヘルメットが装着。

俺とおばさんは、ノータッチだ。
答えてしまうと質問の意味がなさないからだ。

「当日発行だから1人1万円だよ」

会計を済ませた2人は、ようやくギルドカードもらった。

「やっぱり顔写りが悪いわね。わたしなんか美人に写ってるのに」

「そんな顔にれたくせに・・・」

「つべこべ言わずにダンジョンへ行くぞ」




「本当に大丈夫なんだろうな」

「大丈夫だ。俺の評判を聞いて帰って来たんだろ。成功するか分からないが、試す価値はあると思うぜ」

「あんた、わたしが付いてるから心配しないで」

「お前も普通の一般人なんだぞ。なぜそんなに平気でいられるんだよ」

「だって・・・覚醒者になれるチャンスなのよ。鑑定認定でダメだし喰らって泣いてたのよ。あんたは悔しくないの」

「そりゃー悔しいよ」

もう幼馴染2人は、ほっといて警戒しながら先に進んだ。

やはり進んだ先は、狩り尽くされているようだぞ。
ゴブリンのゴも見かけない。
それでも2人の為に、警戒はおこたらないぞ。


こうなるのも村にやって来て、鑑定してスキル覚醒者と認定されたら者達の仕業だ。

最初にやるのがダンジョンに入って、ゴブリンを狩りまくる事だ。
それようの武器や防具もギルド支部で、貸し出しOKにしてるのも原因である。

狩って狩りまくって、スキルでの強さを実感する狩り場が神須ダンジョン。
そんな奴らは、2階層はスルーして3階層でも狩ってるだろう。


「この階段下がスライムだから気をつけろよ」

「分かってるよ」

スライムが居たぞ。「バチッ」と放電して始末を急いだ。

「本当にスライムを倒したの」

「ああ、だから心配しなくていいぞ。もうちょっと先の広い空間で2人に試すから、心の準備をしてくれ」

「・・・・・・」


「バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、」と全てスライムを討伐し終えたぞ。

キラキラ光る魔石を珍しそうに見る京子は、「これって最近評判の青い魔石よね」

「ああ、そうだよ。ギルドからも秘密扱いだから誰にも言うなよ」

「これが青い魔石なのか・・・」

手伝ってもらって回収を済ませた。


「さあ、どっちが先だ」

「レディーファーストだ。京子が先にやれよ」

「あんた、もしかしてビビってるの・・・わたしがやるわ」

「じゃー、背中を触って魔力を流し込むから、気分が悪くなったらストップと言ってくれ。三郎は京子が倒れそうになったら抱き止めてくれ」

「おお、分かったぞ」

「ちゃんと抱き止めてよ」

「分かったって言ったろう」

「いくぞ」

素早さアップの覚醒者に何度も接触してるから、どのような感じか丸分かりだから、同じような感じで魔力を流し込んで循環させた。
最初だから無理をせずに最小限の魔力だ。

「なにかが入っってきた・・・体中がむずがゆくてどうしよう」

「ストップするか・・・」

「大丈夫よ・・・これぐらい我慢できるから」

10分も循環を続けたら、素早さアップと表示されたぞ。

「成功したぞ。素早さアップだ」

「そうなの・・・わたしもそんな感じがしたわ」

「はやく動きたい時だけ「速く動け!」って感じで発動するらしいな」

即、速い動きで走り回ってるぞ。

「嘘だろーー、そんなに速く走れるなんて・・・」

ようやく動きを止めて自慢顔の京子だ。


俺は覚醒者になった人物の、暮らしや性格などを統計的に調べた。

100%の確立で、ダンジョン近くの住人か探索者だ。
マナが少ない地球で、マナに触れ合う人間が覚醒しやすい。

だから、ダンジョン近くに住んでいた幼馴染も、未知数だが可能性があると考えた。
案の定、証明された事になる。



「今度は、俺の番だな・・・はやくやってくれ」

三郎には、力アップが良さそうだな・・・鑑定でも力アップが良い感じの体のようだ。

もう真剣な三郎は、触っての注入にも微動だにしないで、目をつぶったままだ。
最初は中々な硬さを感じて、魔力が入らないから失敗かと一瞬思った。
失敗して悲しむ顔なんか見たくないぜ。
時間を掛けても成功させてみせる。あ!急にストッンと入った。
あとはいい感じで魔力が回りだしたぞ。

いい頃合になったな。

急に三郎が「よっしゃーー取ったぞ!」と右コブシを高々と上げてる。

そして、何してんだ。
ボディビルダーがするポージングを「ハ、ウ~ン」として見せ付けてるぞ。

俺は笑いを堪えるのが大変だったぞ。

なに・・・京子はウットリ顔だぞ。
お前ら、可笑しいぞ。


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