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【アルロード視点】気持ち悪いだろうか
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気がついたら、叫んで飛び出していた。
ルキノの背中を狙う狼のような魔物を両断し、ルキノを守るように背中合わせに立って剣を構えた。
だが、これ以上魔物は群れていなかったようで、静寂を取り戻した森の中で、僕はようやく息をついた。
「……アルロード様? え、なんで?」
ポツンと落とされた声にハッとする。
しまった、ルキノに見つからないように今日までこっそり見守ってきたというのに、ルキノのピンチにいてもたってもいられず、しゃしゃりでてしまった。
恐る恐るルキノの方を見ると、目をまんまるにして僕を見ている。
「その……無事で良かった」
「あ! ありがとうございます! 危ないところでした」
なんで、と問われても何とも答えがたい状況な上に、ルキノが無事だっただけでとにかく安堵した僕の口からでたのは「無事で良かった」という答えにも何にもなってない言葉だったけれど、素直なルキノはお礼を言ってくれる。
可愛い。
「うん、間に合って良かった」
「でもアルロード様、どうしてこんなところに?」
う、と答えに詰まる。やっぱりそこは追求されてしまうのか……と観念した。
「ごめんね。ルキノの事が心配で、つい着いてきてしまった。見守るだけにしようと思っていたんだけれど、あまりにも危険だったから」
「見守るって……え? まさかオレを!?」
「うん、ごめん。ルキノは嫌がると思ったんだけれど、どうしても心配で」
正直に話したら、ルキノは目と口を大きく開けて固まってしまった。言葉を失ったようなその様子に、僕の胸はズキンと痛む。
ルキノに嫌われるのだけは嫌だ、と心が悲鳴を上げていた。
「……やっぱり、気持ち悪いだろうか」
「気持ち悪い? アルロード様が? そんなわけないでしょう!」
すごい勢いで否定してくれる。ルキノはいつも僕の事を優しいと褒めてくれるけれど、優しいのはルキノだと思う。
「アルロード様、オレを見守ってくれてたのって今日だけですか? まさか……」
心配そうな顔のルキノを見て、おもわずごまかしてしまいたくなるけれど、ルキノを騙すのはさすがに気が引ける。僕はルキノに本当の事を言おうと覚悟を決めた。
「ごめん、ルキノが討伐に行く日はほとんど一緒に来ていたんだ」
「ほとんどって……オレ、ほぼ毎日魔物の討伐に来てるけど」
こく、と頷く事しかできない。なんせルキノが冒険者になったという話を聞いたあの日からほぼ毎日、僕はルキノを見守っている。
自分でもおかしいと思うけれど、僕が知らないところでルキノが危ない目に遭って、重篤なケガを負うのだけは無理だと思った。
僕が頷いたのを見て、ルキノの顔がサッと青ざめた。
「え、待って。いつから……」
涙目。震えた小さな声。青くなった顔色。
完全に嫌われた……。
もうルキノの楽しそうな顔を見ることができなくなるかもしれない。
目をキラキラさせて『あのお方』の事を話してくれる時のあの幸せそうな声も聞けなくなるのかもしれない。いやそれどころか、もう話しかけても答えてくれなくなるかもしれない。
そう考えると、心臓が握りつぶされているように痛い。
でも、これまで密かにルキノを監視するようなマネをしていたことが罪悪感がないわけじゃなかった僕は、ルキノに全てを話す決意を固めていた。
勇気を出して口を開く。
「……ルキノが冒険者になったって話を聞いた日からは、ほぼ毎日」
どうしても外せない予定があるとき以外は本当に毎日だ。必ず冒険者ギルドに立ち寄ってから討伐に向かうことを知って、休日も早めにギルドに行って、ルキノが来るのを待った。
もちろん自分も冒険者カードを作ったし、ルキノが討伐に行かないと分かっている日に軽く討伐をこなして冒険者としての体裁を整える。人とは違う変則的な動きをする魔物との戦いはある意味鍛錬になるから、僕にとっては一石二鳥だった。
ただ、ルキノにとっては晴天の霹靂なワケで、ますます大きく目が見開かれた。
「話を聞いた日からって……もう何ヶ月も前の」
またコク、と頷く。そう、それからずっと僕はルキノの冒険者活動を見守っていた。
ルキノはいつもソロで、他の冒険者仲間とも情報のやりとりは普通に行うけれど近すぎる距離感になることもない。
討伐も強すぎる相手を選ぶこともなく、むしろ慎重すぎるほど格下の相手を選んでいた。ソロである以上無理はできない。僕にはルキノのそういう慎重さも好ましかった。
「なんでそんな……っ」
頭を抱えてルキノがしゃがみ込む。よほどショックだったらしい。
申し訳なくて、ルキノの傍に立ち尽くしたままルキノがぶつぶつと呟く声を懺悔のような気持ちで聞いていたのだけれど。
「オレごときのせいでアルロード様の貴重なお時間をそんなに無駄にしていたなんて……」
あれ?
「許すまじ……! オレが冒険者をやめればいいのか?」
思っていたのと違うというか、僕のせいでルキノが冒険者の道を諦めようとしてる!!???
「いや、生ぬるい! いっそ、父さんに結婚の話をなんとか頑張って貰うしか」
待って!!! 待ってくれ!!!
あれ以来ずっと冒険者としての活動はあっても、見合いの話なんか無かったから安心していたのに、なぜ急にそんな。
そこまで考えてふと疑問に思った。
ルキノの背中を狙う狼のような魔物を両断し、ルキノを守るように背中合わせに立って剣を構えた。
だが、これ以上魔物は群れていなかったようで、静寂を取り戻した森の中で、僕はようやく息をついた。
「……アルロード様? え、なんで?」
ポツンと落とされた声にハッとする。
しまった、ルキノに見つからないように今日までこっそり見守ってきたというのに、ルキノのピンチにいてもたってもいられず、しゃしゃりでてしまった。
恐る恐るルキノの方を見ると、目をまんまるにして僕を見ている。
「その……無事で良かった」
「あ! ありがとうございます! 危ないところでした」
なんで、と問われても何とも答えがたい状況な上に、ルキノが無事だっただけでとにかく安堵した僕の口からでたのは「無事で良かった」という答えにも何にもなってない言葉だったけれど、素直なルキノはお礼を言ってくれる。
可愛い。
「うん、間に合って良かった」
「でもアルロード様、どうしてこんなところに?」
う、と答えに詰まる。やっぱりそこは追求されてしまうのか……と観念した。
「ごめんね。ルキノの事が心配で、つい着いてきてしまった。見守るだけにしようと思っていたんだけれど、あまりにも危険だったから」
「見守るって……え? まさかオレを!?」
「うん、ごめん。ルキノは嫌がると思ったんだけれど、どうしても心配で」
正直に話したら、ルキノは目と口を大きく開けて固まってしまった。言葉を失ったようなその様子に、僕の胸はズキンと痛む。
ルキノに嫌われるのだけは嫌だ、と心が悲鳴を上げていた。
「……やっぱり、気持ち悪いだろうか」
「気持ち悪い? アルロード様が? そんなわけないでしょう!」
すごい勢いで否定してくれる。ルキノはいつも僕の事を優しいと褒めてくれるけれど、優しいのはルキノだと思う。
「アルロード様、オレを見守ってくれてたのって今日だけですか? まさか……」
心配そうな顔のルキノを見て、おもわずごまかしてしまいたくなるけれど、ルキノを騙すのはさすがに気が引ける。僕はルキノに本当の事を言おうと覚悟を決めた。
「ごめん、ルキノが討伐に行く日はほとんど一緒に来ていたんだ」
「ほとんどって……オレ、ほぼ毎日魔物の討伐に来てるけど」
こく、と頷く事しかできない。なんせルキノが冒険者になったという話を聞いたあの日からほぼ毎日、僕はルキノを見守っている。
自分でもおかしいと思うけれど、僕が知らないところでルキノが危ない目に遭って、重篤なケガを負うのだけは無理だと思った。
僕が頷いたのを見て、ルキノの顔がサッと青ざめた。
「え、待って。いつから……」
涙目。震えた小さな声。青くなった顔色。
完全に嫌われた……。
もうルキノの楽しそうな顔を見ることができなくなるかもしれない。
目をキラキラさせて『あのお方』の事を話してくれる時のあの幸せそうな声も聞けなくなるのかもしれない。いやそれどころか、もう話しかけても答えてくれなくなるかもしれない。
そう考えると、心臓が握りつぶされているように痛い。
でも、これまで密かにルキノを監視するようなマネをしていたことが罪悪感がないわけじゃなかった僕は、ルキノに全てを話す決意を固めていた。
勇気を出して口を開く。
「……ルキノが冒険者になったって話を聞いた日からは、ほぼ毎日」
どうしても外せない予定があるとき以外は本当に毎日だ。必ず冒険者ギルドに立ち寄ってから討伐に向かうことを知って、休日も早めにギルドに行って、ルキノが来るのを待った。
もちろん自分も冒険者カードを作ったし、ルキノが討伐に行かないと分かっている日に軽く討伐をこなして冒険者としての体裁を整える。人とは違う変則的な動きをする魔物との戦いはある意味鍛錬になるから、僕にとっては一石二鳥だった。
ただ、ルキノにとっては晴天の霹靂なワケで、ますます大きく目が見開かれた。
「話を聞いた日からって……もう何ヶ月も前の」
またコク、と頷く。そう、それからずっと僕はルキノの冒険者活動を見守っていた。
ルキノはいつもソロで、他の冒険者仲間とも情報のやりとりは普通に行うけれど近すぎる距離感になることもない。
討伐も強すぎる相手を選ぶこともなく、むしろ慎重すぎるほど格下の相手を選んでいた。ソロである以上無理はできない。僕にはルキノのそういう慎重さも好ましかった。
「なんでそんな……っ」
頭を抱えてルキノがしゃがみ込む。よほどショックだったらしい。
申し訳なくて、ルキノの傍に立ち尽くしたままルキノがぶつぶつと呟く声を懺悔のような気持ちで聞いていたのだけれど。
「オレごときのせいでアルロード様の貴重なお時間をそんなに無駄にしていたなんて……」
あれ?
「許すまじ……! オレが冒険者をやめればいいのか?」
思っていたのと違うというか、僕のせいでルキノが冒険者の道を諦めようとしてる!!???
「いや、生ぬるい! いっそ、父さんに結婚の話をなんとか頑張って貰うしか」
待って!!! 待ってくれ!!!
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そこまで考えてふと疑問に思った。
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