[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

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22 マリアンヌの兄の訪問

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「え?お兄様が?確か来週じゃなかった?」

突然の兄の訪問にマリアンヌは驚いた。
それもそのはず、つい先日、新しい通信魔道具が完成したと届けられた魔通信で昨日の夜話をしたばかりだった。

兄フランは自国からこの離宮に堂々ゲートを繋げやってきた。つまり国と国を許可なく飛び越えてきたのだった。

マリアンヌはメイに呼ばれ急ぎホールに向かった。
(ホール中央に満面の笑みを浮かべた兄と……嘘!お義姉さま?……なんとなく…もしかしたら…と思ってはいたけどまさか本当に連れて来てるとは…。その辺は揺るぎないのね!)
{婚姻式はまだだがそれまで待てないフランは入籍だけ済ませてしまったのだ}


「マリアンヌ、元気そうで何よりだよ!ほんの数日だが世話になるよ!」

「は?え?ここに…ですか?えーっとここにいらっしゃることは…陛下レインはご存知なのですか?それより訪問は来週と昨日聞いたばかりですが……、それよりお兄様?…」

「う~ん、そうなんだけどね、陛下には伝えたから問題ないよ、王城へは予定通り来週行くことになってるからね。今回は商談を兼ねているから女性がいた方がいいだろ?だが、アリスは王太子妃は獣人国に来るのは初めてだから環境に慣れてからがいいだろ?だから急遽予定をはやめたんだ。」

(嘘つけ!そんな理由なわけないでしょ!お義姉様を小型化して常にポケットに入れて歩きたいと言っている変態だ!いつかそんな魔道具を作ってしまうのではと母と危惧していたのよ。)

「……商談に女性が……そうですか…私はてっきりお兄様がお義姉様と片時も離れたくなくて連れていらしたのかと思いましたよ。」

「やだな~公務だよ公務、……」

「サヨウデスカ……お義姉様、お久しぶりですね、いつも兄(変態)が…ご迷惑(へばりついて)おかけしてます。…重い兄(変態)で……お察しいたします。」

「ふふふふ、マリアンヌちゃんからなんか副音声が聞こえるのも変わりないわね。お元気そうで安心したわ、フランは…まぁ、あの通り…相変わらずだけど、私もいろんな国に行く事ができて最近では楽しんでるのよ」

(あんな変態兄に毒される事なく相変わらず美しいわ~まさに女神様ね、眼福だわ~お母様も美しいけどお義姉以上に美しい人見たことないわ~)

フランマリアンヌの兄のアリスへの溺愛は自国では有名な話だ!最近では近隣にまで轟いている。

“魔王と麗しの花嫁“と

普段から人間離れした能力で近隣には恐れられているが筋の通らないことはしないし理不尽なこともしないので意外と人望があるフランだがアリスの事になると魔王の如く非情で冷酷になれる。

フランの逆鱗はまさにマリアなのだ、逆にこの魔王の如く飛び抜けた才能を持つ兄の怒りを止められるのもマリアしかいない。

まぁ、つまるところフランの国外公務にマリアが一緒だと安定剤の役割を担いスムースにことが運ぶのだ。

以前1人で公務に出向き歓迎と称した夜会に参加した時に自分の見目に大層自信のあった御令嬢が王太子妃の座を狙い擦り寄りこともあろうか当時まだ婚約者だったアリスを

『大国の王太子様の婚約者が地味な引きこもり令嬢では外交は務まらないのでは?私ならどこにでもご一緒して支えて差し上げますのに』
などと揶揄してしまったのだ。

当時アリスは地味でも引きこもりだったのではない!超絶美少女なのだ!フランの納得のいく防御魔道具が完成していなかったからフランが外に出さなかっただけなのだ、この勘違い令嬢の一言でフランは激怒!この国への魔道具の融資をやめるとその場を立ち去りその後この家は没落、フランの婚約者への侮辱に対する慰謝料としてこの国の5分の1の国土である温泉地のある領地を奪っ……献上させた。

このこともありフランの参加する夜会は分別のある徹底教育されたもの以外参加できない暗黙のルールができたのである。

最近ではますます溺愛に拍車がかかりマリアが側にいないとやる気を見せないのだ。そんな兄の執着じみた溺愛っぷりを久しぶりに見たマリアンヌは少し呆れながらも羨ましいと思って見ていた。

「マリアンヌ、とりあえずはランバートに陛下にこの書簡を持っていくように伝えてくれ!今回の用件と要点が書いてある。それと私と会談する時には提携に関する要望を書面にて用意しておく事と書簡に書かれている書類を全て用意しておくように書簡の内容に関しては異論は一切認めないと言っといてくれないか!」

「ええ、それは構いませんが…ロイにランバートをここに呼んでもらってお兄様が直接伝えた方がよろしいのではないですか?」

(人伝より直接支持した方が良いと思うのだけど…呼べばゲートですぐ来れるのだから)

「いや、いい、…ロイ!今行ったこと一字一句違わずランバートに伝えてこい!」

「御意」

ロイはすぐ部屋を出てゲートにてランバートの元へ向かった。
マリアンヌ達はサロンに移動しメイにお茶を準備してもらった。
しばし和やかに他愛もない話をしていると突然フランはマリアンヌに問うた。

「時にマリアンヌ、お前は離縁を望むか?」

突然の兄の言葉に驚いて丁度口にしたお茶を吹きそうになった。

「ブッ!…突然どうしたんです?」

「もう一度聞く、離縁を望むか?しがらみを考えずお前自身の本心で答えろ!」

「……望みます。…」

「そうか、わかった。ではこの7日間で支度しておけ!お前が携わっている案件の引き継ぎも全て終わらせ遺恨なくここを去れるようにいいな!7日後国に帰るぞ!」

「え?あ!はい?」

「ギスランは…後で私と話すとして…メイ、お前はどうする?ランバートの番なのだろ?ここに残るならそれでも良いぞ!」

メイは一瞬言葉に詰まるも真っ直ぐフランを見据え

「私は姫様の専属侍女でございます。生涯お仕えすると誓っておりますのでもちろんご一緒させていただきます。」

「そうか、わかった。」

そう言ってフランは嬉しそうな顔をした。

「メイ、あなたランバートを愛しているのではないの?残ってもいいのよ!あなたの幸せはあなたのものよ!私の為に諦めないで欲しいの!」

「姫様、私は確かにランバート様を好いてはいますが、姫様の侍女を辞めてまでここに残りたいと思っていません。」

「うーん、でも、……」

(好きな人と離れるのな辛いと思うのだけれど、…)

「マリアンヌ、メイの事も俺に任せてくれ、悪いようにはしない」

(お兄様には何か策があるみたいね、ここはお任せするしかないか)

「わかりました。お兄様、このことはお父様は……私が帰っても良いのでしょうか?」

「ああ、問題ない、父上もご存知だ!マリアンヌの希望に沿うように動けと言われている。父上は不器用な方だが、お前の事を案じているんだよ。幸せになって欲しいと言っていた。」

「え?お父様が?でも、これは…王命による結婚……ですよ」

「そうなんだが、実は……」

兄から聞かされた話は私とギスランがが知りたかった、父と母とギスランの伯父に関係する話だった。
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