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23 ジョエルとキャロルとネイト
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兄から聞かされた話は父と母とギスランの伯父の話だった。
それはまるでどこか違う世界の物語を聞いているようだった。
この話は私とギスランだけに話される事になったが王国の後継者しか受け継がれない秘事であるために私達は魔法による誓約を交わす事になった。
ダイヤ王国には代々後継者しか知らない秘密があった。
この世界はある神によって創造された美しい心を持った者達を集めた箱庭だった。だが1000年ほど前から瘴気が発生しそれにより悪意や欲を持ったものが誕生するようになりその瘴気により魔物も発生し始めた。
瘴気は箱庭の外部で発生しどこからか侵入していたが特定することが出来なかった。
神はその瘴気の侵食を防ぐために後のダイヤ王国の始祖となる強大な魔力をもつ統治者(管理者)を作った。
そのものは後に国王となりこの世界の全ての国を守る結界を張る役目をになっていた。
神は統治者がその強大な魔力を暴走させない為に対となる半身(番)を与えた。しかも次の後継者となる統治者は半身となる女性からしか生まれないつまり後継者が生まれなければこの世界は滅んでしまうという事だった。
王は番の繋がりを見る能力を継承し次代に紡ぐ。
繋がりが見える能力を持っていたので半身を見つけることは容易だった、だがジョエルだけは特殊だった。
半身がこの世界にはいなかった。
神託により異世界に間違って生まれたことがわかりすぐにこちらに召喚すべく準備していたがその時ジョエルに恋慕していた女性がジョエルが花嫁を異世界から選ぶらしいと聞きつけその魔法陣に傷をつけてしまい、ジョエルの元に現れるはずのキャロルがネイトの元に現れてしまった。
本来それだけならすぐに見つけられたが、強大な魔法を使った反動でジョエルは半年意識が戻らずキャロルを探しに行くことが出来なかった。
その半年の間にキャロルはネイトと番阻害魔道具を完成してしまいそれによりキャロルを探すのに5年も要してしまったのだ。
ジョエルは既に恋人同士として生活しているキャロルをネイトから引き離すことをためらった。
ジョエルにとってはキャロルはかけがえのない半身であり愛しい女性だ、半身が悲しむことはしたくなかったが既に時間がなかった。
何度も足を運び何度も3人で話し合った。
ネイトは元々この世界で生まれた者だったから瘴気の異変に気がついていたがキャロルは違う。
魔法がある世界に生まれたが、瘴気は存在しない世界だった。
本来ならこの世界で生をうけるはずが他の世界で誕生してしまった為に歪みが生じて瘴気の浸食速度が上がっていた。
『キャロル、時間がないんだ、瘴気がが増えすぎてしまった。私だけでは抑え切れないんだ!私自身も暴走しかけている、』
『どうして私なの?本当に私なの?』
『すまない、だが、本当だ!キャロル、君が私の魂の半身なんだ、私の唯一無二の存在なんだ!その指輪を外してみてくれないか、そうすれば感じるはずだ。』
ジョエルに言われてキャロルは指輪を外すと……ジョエルとキャロルは虹色の光に包まれた。
『こ、これは、え?嘘?』
指輪を外した途端キャロルは気が付いてしまった。感じてしまった、半身であるということを…ジョエルを…本能が魂が求めてしまう事に恐怖した。
(違う、私が愛してるのはネイトのはず、私は、私は、)
キャロルは怖くなり慌てて指輪を嵌めたが、その様子にネイトも気がついた。
獣人とはまた違う半身という対の存在にそしてそれが…この2人が特別な存在でありこの世界を維持するために必要存在だということに…。
『キャロル、私は君と過ごしたこの森が……ここが…消えてしまうのは…嫌なんだ、だからジョエル様と共に守ってくれないか?私達が過ごしたこの森を……、この世界の人たちを守ってくれ。』
『ネイト、……私は、…』
『そうだな、瘴気が安定したら年に2回私と君の誕生日に行っていたあの湖畔に会いに来てくれないか?それで私は充分幸せだよ、キャロル…在るべき場所に帰るんだ!私には私の君には君の役目がある!二度と会えないわけじゃないんだよ、キャロルお願いだ』
ジョエルはキャロルを連れて神殿にて聖魂儀式を行い正式にジョエルは聖王となりキャロルは聖妃となった。
それによりジョエルの魔力は安定し結界を張り直すことができたが浸食した瘴気は多くの邪悪な魔物を生み出していた、通常の魔物ならそれぞれの国の騎士や戦士が屠ることができるが邪悪な人形の魔物は浄化でしか消すことができなかった。
キャロルは儀式によりジョエルの半身として覚醒して得た浄化能力で魔物を次々浄化していった。
この浄化作業をたった2人でしていた事をこの世界の人々は知らない。
この2人がこの世界の均衡を保っていることを……ただ1人を除いて…誰も知らなかった。
キャロルがネイトの元を離れて丁度1年がすぎた頃ダイヤ王国の王妃が解任したと吉報が各国に届いた。
翌年次代の後継者であるフランが誕生した。
特殊な繋がりのジョエルとキャロルの間にできたフランは特殊な魂を持って生まれ歴代最強の統治者となる。
後継者の証の紫の宝石瞳を持つ科学者だった記憶を持つ転生者だった。
それはまるでどこか違う世界の物語を聞いているようだった。
この話は私とギスランだけに話される事になったが王国の後継者しか受け継がれない秘事であるために私達は魔法による誓約を交わす事になった。
ダイヤ王国には代々後継者しか知らない秘密があった。
この世界はある神によって創造された美しい心を持った者達を集めた箱庭だった。だが1000年ほど前から瘴気が発生しそれにより悪意や欲を持ったものが誕生するようになりその瘴気により魔物も発生し始めた。
瘴気は箱庭の外部で発生しどこからか侵入していたが特定することが出来なかった。
神はその瘴気の侵食を防ぐために後のダイヤ王国の始祖となる強大な魔力をもつ統治者(管理者)を作った。
そのものは後に国王となりこの世界の全ての国を守る結界を張る役目をになっていた。
神は統治者がその強大な魔力を暴走させない為に対となる半身(番)を与えた。しかも次の後継者となる統治者は半身となる女性からしか生まれないつまり後継者が生まれなければこの世界は滅んでしまうという事だった。
王は番の繋がりを見る能力を継承し次代に紡ぐ。
繋がりが見える能力を持っていたので半身を見つけることは容易だった、だがジョエルだけは特殊だった。
半身がこの世界にはいなかった。
神託により異世界に間違って生まれたことがわかりすぐにこちらに召喚すべく準備していたがその時ジョエルに恋慕していた女性がジョエルが花嫁を異世界から選ぶらしいと聞きつけその魔法陣に傷をつけてしまい、ジョエルの元に現れるはずのキャロルがネイトの元に現れてしまった。
本来それだけならすぐに見つけられたが、強大な魔法を使った反動でジョエルは半年意識が戻らずキャロルを探しに行くことが出来なかった。
その半年の間にキャロルはネイトと番阻害魔道具を完成してしまいそれによりキャロルを探すのに5年も要してしまったのだ。
ジョエルは既に恋人同士として生活しているキャロルをネイトから引き離すことをためらった。
ジョエルにとってはキャロルはかけがえのない半身であり愛しい女性だ、半身が悲しむことはしたくなかったが既に時間がなかった。
何度も足を運び何度も3人で話し合った。
ネイトは元々この世界で生まれた者だったから瘴気の異変に気がついていたがキャロルは違う。
魔法がある世界に生まれたが、瘴気は存在しない世界だった。
本来ならこの世界で生をうけるはずが他の世界で誕生してしまった為に歪みが生じて瘴気の浸食速度が上がっていた。
『キャロル、時間がないんだ、瘴気がが増えすぎてしまった。私だけでは抑え切れないんだ!私自身も暴走しかけている、』
『どうして私なの?本当に私なの?』
『すまない、だが、本当だ!キャロル、君が私の魂の半身なんだ、私の唯一無二の存在なんだ!その指輪を外してみてくれないか、そうすれば感じるはずだ。』
ジョエルに言われてキャロルは指輪を外すと……ジョエルとキャロルは虹色の光に包まれた。
『こ、これは、え?嘘?』
指輪を外した途端キャロルは気が付いてしまった。感じてしまった、半身であるということを…ジョエルを…本能が魂が求めてしまう事に恐怖した。
(違う、私が愛してるのはネイトのはず、私は、私は、)
キャロルは怖くなり慌てて指輪を嵌めたが、その様子にネイトも気がついた。
獣人とはまた違う半身という対の存在にそしてそれが…この2人が特別な存在でありこの世界を維持するために必要存在だということに…。
『キャロル、私は君と過ごしたこの森が……ここが…消えてしまうのは…嫌なんだ、だからジョエル様と共に守ってくれないか?私達が過ごしたこの森を……、この世界の人たちを守ってくれ。』
『ネイト、……私は、…』
『そうだな、瘴気が安定したら年に2回私と君の誕生日に行っていたあの湖畔に会いに来てくれないか?それで私は充分幸せだよ、キャロル…在るべき場所に帰るんだ!私には私の君には君の役目がある!二度と会えないわけじゃないんだよ、キャロルお願いだ』
ジョエルはキャロルを連れて神殿にて聖魂儀式を行い正式にジョエルは聖王となりキャロルは聖妃となった。
それによりジョエルの魔力は安定し結界を張り直すことができたが浸食した瘴気は多くの邪悪な魔物を生み出していた、通常の魔物ならそれぞれの国の騎士や戦士が屠ることができるが邪悪な人形の魔物は浄化でしか消すことができなかった。
キャロルは儀式によりジョエルの半身として覚醒して得た浄化能力で魔物を次々浄化していった。
この浄化作業をたった2人でしていた事をこの世界の人々は知らない。
この2人がこの世界の均衡を保っていることを……ただ1人を除いて…誰も知らなかった。
キャロルがネイトの元を離れて丁度1年がすぎた頃ダイヤ王国の王妃が解任したと吉報が各国に届いた。
翌年次代の後継者であるフランが誕生した。
特殊な繋がりのジョエルとキャロルの間にできたフランは特殊な魂を持って生まれ歴代最強の統治者となる。
後継者の証の紫の宝石瞳を持つ科学者だった記憶を持つ転生者だった。
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