[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

文字の大きさ
22 / 30

22 マリアンヌの兄の訪問

しおりを挟む
「え?お兄様が?確か来週じゃなかった?」

突然の兄の訪問にマリアンヌは驚いた。
それもそのはず、つい先日、新しい通信魔道具が完成したと届けられた魔通信で昨日の夜話をしたばかりだった。

兄フランは自国からこの離宮に堂々ゲートを繋げやってきた。つまり国と国を許可なく飛び越えてきたのだった。

マリアンヌはメイに呼ばれ急ぎホールに向かった。
(ホール中央に満面の笑みを浮かべた兄と……嘘!お義姉さま?……なんとなく…もしかしたら…と思ってはいたけどまさか本当に連れて来てるとは…。その辺は揺るぎないのね!)
{婚姻式はまだだがそれまで待てないフランは入籍だけ済ませてしまったのだ}


「マリアンヌ、元気そうで何よりだよ!ほんの数日だが世話になるよ!」

「は?え?ここに…ですか?えーっとここにいらっしゃることは…陛下レインはご存知なのですか?それより訪問は来週と昨日聞いたばかりですが……、それよりお兄様?…」

「う~ん、そうなんだけどね、陛下には伝えたから問題ないよ、王城へは予定通り来週行くことになってるからね。今回は商談を兼ねているから女性がいた方がいいだろ?だが、アリスは王太子妃は獣人国に来るのは初めてだから環境に慣れてからがいいだろ?だから急遽予定をはやめたんだ。」

(嘘つけ!そんな理由なわけないでしょ!お義姉様を小型化して常にポケットに入れて歩きたいと言っている変態だ!いつかそんな魔道具を作ってしまうのではと母と危惧していたのよ。)

「……商談に女性が……そうですか…私はてっきりお兄様がお義姉様と片時も離れたくなくて連れていらしたのかと思いましたよ。」

「やだな~公務だよ公務、……」

「サヨウデスカ……お義姉様、お久しぶりですね、いつも兄(変態)が…ご迷惑(へばりついて)おかけしてます。…重い兄(変態)で……お察しいたします。」

「ふふふふ、マリアンヌちゃんからなんか副音声が聞こえるのも変わりないわね。お元気そうで安心したわ、フランは…まぁ、あの通り…相変わらずだけど、私もいろんな国に行く事ができて最近では楽しんでるのよ」

(あんな変態兄に毒される事なく相変わらず美しいわ~まさに女神様ね、眼福だわ~お母様も美しいけどお義姉以上に美しい人見たことないわ~)

フランマリアンヌの兄のアリスへの溺愛は自国では有名な話だ!最近では近隣にまで轟いている。

“魔王と麗しの花嫁“と

普段から人間離れした能力で近隣には恐れられているが筋の通らないことはしないし理不尽なこともしないので意外と人望があるフランだがアリスの事になると魔王の如く非情で冷酷になれる。

フランの逆鱗はまさにマリアなのだ、逆にこの魔王の如く飛び抜けた才能を持つ兄の怒りを止められるのもマリアしかいない。

まぁ、つまるところフランの国外公務にマリアが一緒だと安定剤の役割を担いスムースにことが運ぶのだ。

以前1人で公務に出向き歓迎と称した夜会に参加した時に自分の見目に大層自信のあった御令嬢が王太子妃の座を狙い擦り寄りこともあろうか当時まだ婚約者だったアリスを

『大国の王太子様の婚約者が地味な引きこもり令嬢では外交は務まらないのでは?私ならどこにでもご一緒して支えて差し上げますのに』
などと揶揄してしまったのだ。

当時アリスは地味でも引きこもりだったのではない!超絶美少女なのだ!フランの納得のいく防御魔道具が完成していなかったからフランが外に出さなかっただけなのだ、この勘違い令嬢の一言でフランは激怒!この国への魔道具の融資をやめるとその場を立ち去りその後この家は没落、フランの婚約者への侮辱に対する慰謝料としてこの国の5分の1の国土である温泉地のある領地を奪っ……献上させた。

このこともありフランの参加する夜会は分別のある徹底教育されたもの以外参加できない暗黙のルールができたのである。

最近ではますます溺愛に拍車がかかりマリアが側にいないとやる気を見せないのだ。そんな兄の執着じみた溺愛っぷりを久しぶりに見たマリアンヌは少し呆れながらも羨ましいと思って見ていた。

「マリアンヌ、とりあえずはランバートに陛下にこの書簡を持っていくように伝えてくれ!今回の用件と要点が書いてある。それと私と会談する時には提携に関する要望を書面にて用意しておく事と書簡に書かれている書類を全て用意しておくように書簡の内容に関しては異論は一切認めないと言っといてくれないか!」

「ええ、それは構いませんが…ロイにランバートをここに呼んでもらってお兄様が直接伝えた方がよろしいのではないですか?」

(人伝より直接支持した方が良いと思うのだけど…呼べばゲートですぐ来れるのだから)

「いや、いい、…ロイ!今行ったこと一字一句違わずランバートに伝えてこい!」

「御意」

ロイはすぐ部屋を出てゲートにてランバートの元へ向かった。
マリアンヌ達はサロンに移動しメイにお茶を準備してもらった。
しばし和やかに他愛もない話をしていると突然フランはマリアンヌに問うた。

「時にマリアンヌ、お前は離縁を望むか?」

突然の兄の言葉に驚いて丁度口にしたお茶を吹きそうになった。

「ブッ!…突然どうしたんです?」

「もう一度聞く、離縁を望むか?しがらみを考えずお前自身の本心で答えろ!」

「……望みます。…」

「そうか、わかった。ではこの7日間で支度しておけ!お前が携わっている案件の引き継ぎも全て終わらせ遺恨なくここを去れるようにいいな!7日後国に帰るぞ!」

「え?あ!はい?」

「ギスランは…後で私と話すとして…メイ、お前はどうする?ランバートの番なのだろ?ここに残るならそれでも良いぞ!」

メイは一瞬言葉に詰まるも真っ直ぐフランを見据え

「私は姫様の専属侍女でございます。生涯お仕えすると誓っておりますのでもちろんご一緒させていただきます。」

「そうか、わかった。」

そう言ってフランは嬉しそうな顔をした。

「メイ、あなたランバートを愛しているのではないの?残ってもいいのよ!あなたの幸せはあなたのものよ!私の為に諦めないで欲しいの!」

「姫様、私は確かにランバート様を好いてはいますが、姫様の侍女を辞めてまでここに残りたいと思っていません。」

「うーん、でも、……」

(好きな人と離れるのな辛いと思うのだけれど、…)

「マリアンヌ、メイの事も俺に任せてくれ、悪いようにはしない」

(お兄様には何か策があるみたいね、ここはお任せするしかないか)

「わかりました。お兄様、このことはお父様は……私が帰っても良いのでしょうか?」

「ああ、問題ない、父上もご存知だ!マリアンヌの希望に沿うように動けと言われている。父上は不器用な方だが、お前の事を案じているんだよ。幸せになって欲しいと言っていた。」

「え?お父様が?でも、これは…王命による結婚……ですよ」

「そうなんだが、実は……」

兄から聞かされた話は私とギスランがが知りたかった、父と母とギスランの伯父に関係する話だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あなたのためなら

天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。 その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。 アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。 しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。 理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。 全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

番認定された王女は愛さない

青葉めいこ
恋愛
世界最強の帝国の統治者、竜帝は、よりによって爬虫類が生理的に駄目な弱小国の王女リーヴァを番認定し求婚してきた。 人間であるリーヴァには番という概念がなく相愛の婚約者シグルズもいる。何より、本性が爬虫類もどきの竜帝を絶対に愛せない。 けれど、リーヴァの本心を無視して竜帝との結婚を決められてしまう。 竜帝と結婚するくらいなら死を選ぼうとするリーヴァにシグルスはある提案をしてきた。 番を否定する意図はありません。 小説家になろうにも投稿しています。

君は僕の番じゃないから

椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。 「君は僕の番じゃないから」 エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。 すると 「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる イケメンが登場してーーー!? ___________________________ 動機。 暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります なので明るい話になります← 深く考えて読む話ではありません ※マーク編:3話+エピローグ ※超絶短編です ※さくっと読めるはず ※番の設定はゆるゆるです ※世界観としては割と近代チック ※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい ※マーク編は明るいです

番など、御免こうむる

池家乃あひる
ファンタジー
「運命の番」の第一研究者であるセリカは、やんごとなき事情により獣人が暮らすルガリア国に派遣されている。 だが、来日した日から第二王子が助手を「運命の番」だと言い張り、どれだけ否定しようとも聞き入れない有様。 むしろ運命の番を引き裂く大罪人だとセリカを処刑すると言い張る始末。 無事に役目を果たし、帰国しようとするセリカたちだったが、当然のように第二王子が妨害してきて……? ※リハビリがてら、書きたいところだけ書いた話です ※設定はふんわりとしています ※ジャンルが分からなかったため、ひとまずキャラ文芸で設定しております ※小説家になろうにも投稿しております

呪われた黒猫と蔑まれた私ですが、竜王様の番だったようです

シロツメクサ
恋愛
 ここは竜人の王を頂点として、沢山の獣人が暮らす国。  厄災を運ぶ、不吉な黒猫──そう言われ村で差別を受け続けていた黒猫の獣人である少女ノエルは、愛する両親を心の支えに日々を耐え抜いていた。けれど、ある日その両親も土砂崩れにより亡くなってしまう。  不吉な黒猫を産んだせいで両親が亡くなったのだと村の獣人に言われて絶望したノエルは、呼び寄せられた魔女によって力を封印され、本物の黒猫の姿にされてしまった。  けれど魔女とはぐれた先で出会ったのは、なんとこの国の頂点である竜王その人で──…… 「やっと、やっと、見つけた──……俺の、……番……ッ!!」  えっ、今、ただの黒猫の姿ですよ!? というか、私不吉で危ないらしいからそんなに近寄らないでー!! 「……ノエルは、俺が竜だから、嫌なのかな。猫には恐ろしく感じるのかも。ノエルが望むなら、体中の鱗を剥いでもいいのに。それで一生人の姿でいたら、ノエルは俺にも自分から近付いてくれるかな。懐いて、あの可愛い声でご飯をねだってくれる?」 「……この周辺に、動物一匹でも、近づけるな。特に、絶対に、雄猫は駄目だ。もしもノエルが……番として他の雄を求めるようなことがあれば、俺は……俺は、今度こそ……ッ」  王様の傍に厄災を運ぶ不吉な黒猫がいたせいで、万が一にも何かあってはいけない! となんとか離れようとするヒロインと、そんなヒロインを死ぬほど探していた、何があっても逃さない金髪碧眼ヤンデレ竜王の、実は持っていた不思議な能力に気がついちゃったりするテンプレ恋愛ものです。  世界観はゆるふわのガバガバでつっこみどころいっぱいなので何も考えずに読んでください。 ※ヒロインは大半は黒猫の姿で、その正体を知らないままヒーローはガチ恋しています(別に猫だから好きというわけではありません)。ヒーローは金髪碧眼で、竜人ですが本編のほとんどでは人の姿を取っています。ご注意ください。

彼は亡国の令嬢を愛せない

黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。 ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。 ※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。 ※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

処理中です...