竜の国の人間様

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
18 / 217
竜人の養い子

ダグラスside可愛子ちゃんの贈り物※

しおりを挟む
 「テディ、凄く可愛い子だったね。」

 そう言いながら、シャルはしなやかな指先で酒の入ったゴブレットを撫でた。俺は湯浴み後の火照った身体を冷まそうと開いた窓辺に寄りかかりながら、物憂い気なシャルの横顔を見つめた。

「ああ、中々の可愛子ちゃんだろう?隠者様も目に入れても痛くないって感じだ。だが、あの子は一体何の種族なんだろうな。」

 シャルは顔を上げて俺を見つめると首を傾げた。


 「確かにね。実は私もちょっと観察してみたんだ。でもあの特徴的な耳をみると獣人ではないだろう?獣人らしい耳も尻尾も無いのはハッキリしてる。あの子を抱っこした時、お尻には何も無かった。

 竜人だったら隠者様がそう言うだろうし。私達は竜人の子供の姿など知らないだろう?でもあの子と話してて、気づいた事があったんだ。あの子は言葉は幼いけれど、周囲の状況もよく分かっているし、大人の会話もじっと聞いてるよ。

 思うに凄く賢いんじゃ無いかな。ぱっと見、見たこともない幼さだから私たちはつい見た目通りに判断するけどね。ダグラスはどう思う?」


 俺は立ち上がったシャルの艶めかしいローブ姿に見惚れながら、こちらへ誘うように手を伸ばして答えた。

「どうかな。確かにたどたどしい物言いのわりに、話は完璧に通じてるな。それに小さい子供にありがちなグズったり、癇癪を起こすのを見た事ねーな。確かにそう考えると変な子供には間違いねぇ。

 ‥シャルは随分テディと仲良くなったな。」

 俺が注意深くシャルの顔を見つめると、シャルは俺から視線を逸らして形の良い唇を緩めた。

「…ふふ。あの子は本当に可愛い。あの子を見ていると、子供を持つのも悪くないかもしれないって思った。」


 俺は思わず息を呑んだ。男が子供を孕むのは可能だとは言え、女よりも明らかに妊娠中も出産も危険が付き纏う。それにシャルはこの街で腕の立つ騎士の一人には間違いない。

 ひと回りも下のシャルを口説き落として結婚まで漕ぎ着けたものの、自分の騎士としての有り様に誇りを持っているシャルに子供を持つ事を無理強いは出来なかった。それでも結婚して5年が経つこの頃は、その事について話し合っても良いかもしれないと思い始めていた矢先だった。


 「ダグラスが子供を欲しがっているのはよく分かっていたんだ。でも私の男としての身体の難しさや、使命との兼ね合いで言い出せない事もね。あの子と楽しげに話をするダグラスを見ていたら、なんて言うか、そんな生活も良いかもしれないと思った。‥子供作ろうか?」

 少し赤らんだシャルの顔はいつになくナマメかしくて、俺は身体の中心が一気に持ち上がるのを感じた。繋いだ手を引き寄せると、しなやかな筋肉を愛でる様にゆっくりと撫で下ろした。


 「‥無理してないか?俺は勿論子供が居たら良いとは思うが、シャルが側に居てくれるだけで十分なんだ。」

 俺の昂った身体に、シャルはまるで甘える様に身体を擦り付けた。ああ、その甘美な動きは俺を待てなくする。でもちゃんと話をしなくては…。

「神殿で二人が誓ったその時に、私は子供を持つ事に決心がつかなかったでしょ。本来ならあの誓いの後、子供が持てる様に豊穣の種子を入れるはずだった。でもダグラスは、言ってくれた。ゆっくり考えればいいって。

 …私が二年前に、少し体調を崩した時があったの覚えてる?」


 俺はハッとした。…まさか!シャルはクスクス笑いながら、俺の首に手を回してゆっくり口づけて言った。

「私のお腹の奥には妊娠するための種子がしっかり根付いてるよ。この前神殿で診てもらったら、もう妊娠も可能でしょうって。だからもう今すぐ子作り出来るよ…。」

 もう言葉なんて必要なかった。シャルが俺との子供を望んでくれるそれだけで十分だったんだ。それなのに密かに準備していたなんて!俺は目の前の柔らかな金髪を背中に流して、淡い青い瞳で俺を悪戯っぽく見上げる美しいシャルに息もつかせぬ口づけをした。


 何度口づけても、飽くことない甘美なその味わいと感触は俺を幸せにした。首に回されたシャルの手が強くなった気がして顔を上げると、荒い息を吐きながらシャルは俺を睨んで笑った。

「まったく、馬鹿力なんだから。熊獣人の本気を出したら、流石の私も折れてしまうよ。」

 俺はニヤリと笑うと、サッとシャルを抱き上げてウキウキとした気持ちでベッドへと向いながら、甘い匂いのするシャルの首筋に顔をうずめて囁いた。

「いや、俺はシャルを抱き潰しても、折ったりはしないさ。祭りで魔肉をたらふく食ったからな、精力は溢れんばかりだ。期待してくれても良いぜ。」


 ベッドにそっと下ろすと、シャルはローブからしなやかな太腿を覗かせて俺の手を引っ張った。

「今夜は私も身体の奥が疼いて堪らない。ダグラスだけがこの疼きを静かにさせられるでしょう?」

 俺はシャルに覆い被さって興奮で動きの悪くなった指先で、シャルからローブを引き剥がした。剣の傷痕はあっても、シミひとつ無い美しい身体を俺はひとつずつ愛撫した。その指先を一本ずつ。首の窪みをひとつずつ。

 何年も掛けて俺の愛撫ですっかり色づいて大きくなった二つの胸の印は、ツンと尖って俺に可愛がられるのをいまか今かと待っている。シャルの強請る様な眼差しを見つめながら口に含むと、眉を顰めて甘い喘ぎ声を上げながら、長い睫毛を震わせた。


 シャルの指先が急かす様に俺の中心を撫でると、俺は思わず押しつける様に腰を動かしてしまう。でも今夜は触れられたら弾けそうなこの興奮をなだめながら、シャルを味わいたかった。

 太腿を両手で持ち上げて目の前に色づいた卑猥で美しいシャル自身と、ひくついたスボみを丹念にねぶるとシャルの泣くような嬌声が聞こえて、俺はまるで楽器を楽しむようにシャルを追い詰めた。


 「ダグラスっ…!もう、挿れてっ!」

 ああ、その震えるようなシャルの願いは俺を濡らして、大きくさせる。ぬぷりとシャルの中に挿れると、吸い付く様なそのぬかるみは俺を突き動かさずにはいられない。

「シャルっ、愛してる… !」

 俺が深く追い立てると、身悶えたシャルが俺の腕をぎゅっと掴んだ。きっと明日アザになるかもしれないが、俺はその印を愛おしく思うだろう。まだ二人の夜は始まったばかりだ。








しおりを挟む
感想 119

あなたにおすすめの小説

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

処理中です...