17 / 217
竜人の養い子
魔肉祭り
しおりを挟む
パーカスは何か考え事ばかりしている。昨日すっかり元気になって朝起きてきたパーカスに、青龍の騎士が夜やって来た事を僕が報告してからだ。もしかして言わない方が良かったのだろうか。
「…バルトが来たのか?青龍の騎士の?」
朝食の手を止めて、パーカスは僕を見つめた。
「うん。ちかくちたって。んー、ぱーかちゅ、よろちく?おかちのちとねー。ありがとちた。」
僕が説明すると、ますます眉を顰めた。僕は首を傾げた。どうしてパーカスがこんなに不機嫌になったのか分からなかった。けれど気にする暇もなくその日は魔肉祭りだったので、僕は竜化したパーカスの手の中に乗って街に繰り出した。
飛び立つ時と、降りる時はどうしても息が止まる様なゾクゾクを感じて、楽しい様な、怖い様な気分だ。
すっかり始まっていた魔肉祭りは、街を上げての収穫祭の様で、あちこちの屋台の肉が無料で食べ放題だった。噂を聞きつけた周辺の小さな町々からも獣人がやって来て、彼らは無料のお肉と引き換えに野菜や果物を格安で売ってくれていた。
アイスの実と僕がこっそり呼んでいる例のノラの実がないかとキョロキョロ探したけれど、見当たらなかった。あんなに美味しいから、きっと人気があるんだろう。
丁度そこに熊獣人のダグラスがやって来て、僕とパーカスに声を掛けて来た。
「よお、来てくれたか。隠者様とテディには、特別な席を用意してあるから、あっちに一緒に来てくれ。」
僕がダグラスの隣にいる美人の猫科の青年をじっと見上げていると、ダグラスはニヤリと笑って言った。
「なんだ、テディ。うちの奥さんに惚れるなよ?美人の上に強い自慢の奥さんなんだぜ?シャル、こっちは隠者様の可愛子ちゃんのテディだ。会いたがってたろ?」
するとシャルと呼ばれた20代に見える青年が優しく微笑んで僕の頭を撫でた。
「こんにちは。私はシャルだ。仲良くしてね、テディ。」
僕は思わずシャルの美人ぶりにボンヤリしてしまった。おまけに良い匂いがする。この人があの豪快なダグラスの奥さん?さすがやり手の熊獣人だ。僕は少しはにかみながら言った。
「…こにちは。てでぃでちゅ。」
パーカスとダグラスが面白そうに笑う中、僕はパーカスに抱っこしてもらって大きな天幕の下に移動した。その席は明らかにスペシャルな席だった。美味しそうな料理が沢山並べられていて、中央には花まで飾られていた。
パーカスは兎も角、僕がここに居て良いのかな。子供が居なくて居心地が悪いこの席で、僕は周囲を見回した。街の重要人物がこの席につくとしたら、街の長は誰なんだろう。でもその疑問はパーカスとダグラスの話を聞いていたら直ぐに解決した。
「この街の領主としては、隠者様に近くに住んでもらって随分心強いよ。勿論あの大型魔物みたいな事は滅多にないけどな。それでも獣人ではどうしようもない事はあるからなぁ。王国騎士団に頼むとしてもどうしたって、ここは遠いだろう?」
ダグラスが領主なのか。へー。まぁ何でも屋というか、手広く事業展開してるやり手だと考えたら納得できるものがあるな。
「‥そう言えば、遠征で王国騎士団が近くに来ていたみたいじゃが、ダグラス何か聞いておるか?」
パーカスの問いかけに、ダグラスは顔を顰めて言った。
「ああ、近くと言っても山5つ向こうだ。タイミング的には少し遅くてな、討伐が1日遅れたらこっちの被害が何倍になるかを考えると待ってられなかったから、応援は頼まなかったんだ。隠者様には無理させたかい?」
パーカスは大丈夫だと言いながら、僕をじっと見つめて何か言いたげだった。何だろう。
結局僕はチーターらしき獣人のシャルに甘やかされて、楽しい時間を過ごした。シャルは良い匂いがするだけじゃなくて、とっても優しい。僕たちがイチャイチャしていると、嫉妬したのかマッチョなダグラスが顔を突き出して邪魔して来た。
「おい、シャル。俺にも食べさせてくれよ。まったくちびっこだからって、給餌行為は妬けるな。」
僕はやれやれと思って、ダグラスに大きな肉の塊を差し出した。
「あーん。だぐらちゅ、あーん。」
途端に皆がどっと笑った。本当いい年して甘えん坊のダグラスはしょうがないよね。
散々食べた僕たちがそろそろ帰ろうとすると、ダグラスが思い出した様に僕を呼び止めた。
「そうだ、可愛子ちゃん。魔石を見つけたお礼を用意しておいたぞ?シシ魔物はいつも脚は捨てちまうから、お前さんのお陰で貴重な魔石を失わずに済んだんだ。
それにあのまま土に戻したら、あの魔石を他の魔物が手に入れて、また手強い大型魔物にならないとも限らなかったからな。お前さんは未来のこの街を救ったんだ。
ほら、これ好物なんだろう?これは一年で一度しか川に流れてこない貴重な物なんだ。王様だって滅多には食えんぞ。この街にはなぜか沢山流れてくるからなぁ。だが、もうこれで最後だ。味わって食えよ?」
そう言ってパーカスに渡されたのは、布袋いっぱいのノラの実だった。
「きゃわ~!あいちゅのみら~!ありがと、だぐらちゅ!」
ダグラスはアイスの実?と首を傾げていたけど、僕がノラの実の袋を大事に抱えてパーカスに抱きあげられると、ご機嫌で見送ってくれた。
「ぱーかちゅ、こえ、とくべちゅ?」
するとパーカスは頷いて言った。
「ああ。川の流れが速くて、上手く掬える獣人が少ないからの。ウチにあったのは、たまたま私が竜化して飛んでいる時に、眼下の川に流れているのを足で掬ったものじゃ。確かに王都じゃ王族や高位貴族しか食べられないかもしれないのう。」
僕はそんな貴重な物だと思わなくて、もう一度袋の中を覗き込んだ。多分10個以上は入っているだろう。僕はパーカスに頼んだ。
「ぱーかちゅ、じぇちーとおにぃたんにあげう。いっちょにおるちゅばん、ありあとちゅる!」
そんな僕をパーカスは優しく微笑んで見つめた。それから僕らはジェシー達を探すと、二人にひとつずつ分けてあげた。二人とも凄く喜んでくれたから、やっぱりみんなアイスの実が好きなんだと思った。
結局朝からパーカスの機嫌が悪い気がしたのは気のせいだったみたいだ。家に戻ると、早速保管箱にノラの実をゴロゴロ入れた僕は、これを大事に食べようと決心していた。
機嫌は治ったものの、パーカスはお菓子の定期便と一緒に付いてたカードを並べて眺めていた。僕がそのカードを隣で眺めていると、パーカスは僕に尋ねた。
「…テディは青龍の騎士がまだ嫌いか?」
僕はカードの宛名が僕の名前なのかとその文字を指でなぞりながら首を振った。
「ちゅき。おいちぃおかち、ちゅきらから。」
するとため息をついたパーカスがクスッと笑って、僕の頭を撫でて呟いた。
「テディは簡単だな?…まぁ、まだまだ先の話かの。」
「…バルトが来たのか?青龍の騎士の?」
朝食の手を止めて、パーカスは僕を見つめた。
「うん。ちかくちたって。んー、ぱーかちゅ、よろちく?おかちのちとねー。ありがとちた。」
僕が説明すると、ますます眉を顰めた。僕は首を傾げた。どうしてパーカスがこんなに不機嫌になったのか分からなかった。けれど気にする暇もなくその日は魔肉祭りだったので、僕は竜化したパーカスの手の中に乗って街に繰り出した。
飛び立つ時と、降りる時はどうしても息が止まる様なゾクゾクを感じて、楽しい様な、怖い様な気分だ。
すっかり始まっていた魔肉祭りは、街を上げての収穫祭の様で、あちこちの屋台の肉が無料で食べ放題だった。噂を聞きつけた周辺の小さな町々からも獣人がやって来て、彼らは無料のお肉と引き換えに野菜や果物を格安で売ってくれていた。
アイスの実と僕がこっそり呼んでいる例のノラの実がないかとキョロキョロ探したけれど、見当たらなかった。あんなに美味しいから、きっと人気があるんだろう。
丁度そこに熊獣人のダグラスがやって来て、僕とパーカスに声を掛けて来た。
「よお、来てくれたか。隠者様とテディには、特別な席を用意してあるから、あっちに一緒に来てくれ。」
僕がダグラスの隣にいる美人の猫科の青年をじっと見上げていると、ダグラスはニヤリと笑って言った。
「なんだ、テディ。うちの奥さんに惚れるなよ?美人の上に強い自慢の奥さんなんだぜ?シャル、こっちは隠者様の可愛子ちゃんのテディだ。会いたがってたろ?」
するとシャルと呼ばれた20代に見える青年が優しく微笑んで僕の頭を撫でた。
「こんにちは。私はシャルだ。仲良くしてね、テディ。」
僕は思わずシャルの美人ぶりにボンヤリしてしまった。おまけに良い匂いがする。この人があの豪快なダグラスの奥さん?さすがやり手の熊獣人だ。僕は少しはにかみながら言った。
「…こにちは。てでぃでちゅ。」
パーカスとダグラスが面白そうに笑う中、僕はパーカスに抱っこしてもらって大きな天幕の下に移動した。その席は明らかにスペシャルな席だった。美味しそうな料理が沢山並べられていて、中央には花まで飾られていた。
パーカスは兎も角、僕がここに居て良いのかな。子供が居なくて居心地が悪いこの席で、僕は周囲を見回した。街の重要人物がこの席につくとしたら、街の長は誰なんだろう。でもその疑問はパーカスとダグラスの話を聞いていたら直ぐに解決した。
「この街の領主としては、隠者様に近くに住んでもらって随分心強いよ。勿論あの大型魔物みたいな事は滅多にないけどな。それでも獣人ではどうしようもない事はあるからなぁ。王国騎士団に頼むとしてもどうしたって、ここは遠いだろう?」
ダグラスが領主なのか。へー。まぁ何でも屋というか、手広く事業展開してるやり手だと考えたら納得できるものがあるな。
「‥そう言えば、遠征で王国騎士団が近くに来ていたみたいじゃが、ダグラス何か聞いておるか?」
パーカスの問いかけに、ダグラスは顔を顰めて言った。
「ああ、近くと言っても山5つ向こうだ。タイミング的には少し遅くてな、討伐が1日遅れたらこっちの被害が何倍になるかを考えると待ってられなかったから、応援は頼まなかったんだ。隠者様には無理させたかい?」
パーカスは大丈夫だと言いながら、僕をじっと見つめて何か言いたげだった。何だろう。
結局僕はチーターらしき獣人のシャルに甘やかされて、楽しい時間を過ごした。シャルは良い匂いがするだけじゃなくて、とっても優しい。僕たちがイチャイチャしていると、嫉妬したのかマッチョなダグラスが顔を突き出して邪魔して来た。
「おい、シャル。俺にも食べさせてくれよ。まったくちびっこだからって、給餌行為は妬けるな。」
僕はやれやれと思って、ダグラスに大きな肉の塊を差し出した。
「あーん。だぐらちゅ、あーん。」
途端に皆がどっと笑った。本当いい年して甘えん坊のダグラスはしょうがないよね。
散々食べた僕たちがそろそろ帰ろうとすると、ダグラスが思い出した様に僕を呼び止めた。
「そうだ、可愛子ちゃん。魔石を見つけたお礼を用意しておいたぞ?シシ魔物はいつも脚は捨てちまうから、お前さんのお陰で貴重な魔石を失わずに済んだんだ。
それにあのまま土に戻したら、あの魔石を他の魔物が手に入れて、また手強い大型魔物にならないとも限らなかったからな。お前さんは未来のこの街を救ったんだ。
ほら、これ好物なんだろう?これは一年で一度しか川に流れてこない貴重な物なんだ。王様だって滅多には食えんぞ。この街にはなぜか沢山流れてくるからなぁ。だが、もうこれで最後だ。味わって食えよ?」
そう言ってパーカスに渡されたのは、布袋いっぱいのノラの実だった。
「きゃわ~!あいちゅのみら~!ありがと、だぐらちゅ!」
ダグラスはアイスの実?と首を傾げていたけど、僕がノラの実の袋を大事に抱えてパーカスに抱きあげられると、ご機嫌で見送ってくれた。
「ぱーかちゅ、こえ、とくべちゅ?」
するとパーカスは頷いて言った。
「ああ。川の流れが速くて、上手く掬える獣人が少ないからの。ウチにあったのは、たまたま私が竜化して飛んでいる時に、眼下の川に流れているのを足で掬ったものじゃ。確かに王都じゃ王族や高位貴族しか食べられないかもしれないのう。」
僕はそんな貴重な物だと思わなくて、もう一度袋の中を覗き込んだ。多分10個以上は入っているだろう。僕はパーカスに頼んだ。
「ぱーかちゅ、じぇちーとおにぃたんにあげう。いっちょにおるちゅばん、ありあとちゅる!」
そんな僕をパーカスは優しく微笑んで見つめた。それから僕らはジェシー達を探すと、二人にひとつずつ分けてあげた。二人とも凄く喜んでくれたから、やっぱりみんなアイスの実が好きなんだと思った。
結局朝からパーカスの機嫌が悪い気がしたのは気のせいだったみたいだ。家に戻ると、早速保管箱にノラの実をゴロゴロ入れた僕は、これを大事に食べようと決心していた。
機嫌は治ったものの、パーカスはお菓子の定期便と一緒に付いてたカードを並べて眺めていた。僕がそのカードを隣で眺めていると、パーカスは僕に尋ねた。
「…テディは青龍の騎士がまだ嫌いか?」
僕はカードの宛名が僕の名前なのかとその文字を指でなぞりながら首を振った。
「ちゅき。おいちぃおかち、ちゅきらから。」
するとため息をついたパーカスがクスッと笑って、僕の頭を撫でて呟いた。
「テディは簡単だな?…まぁ、まだまだ先の話かの。」
433
あなたにおすすめの小説
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
大好きな獅子様の番になりたい
あまさき
BL
獣人騎士×魔術学院生
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カナリエ=リュードリアには夢があった。
それは〝王家の獅子〟レオス=シェルリオンの番になること。しかし臆病なカナリエは、自身がレオスの番でないことを知るのが怖くて距離を置いてきた。
そして特別な血を持つリュードリア家の人間であるカナリエは、レオスに番が見つからなかった場合彼の婚約者になることが決まっている。
望まれない婚姻への苦しみ、捨てきれない運命への期待。
「____僕は、貴方の番になれますか?」
臆病な魔術師と番を手に入れたい騎士の、すれ違いラブコメディ
※第1章完結しました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
長編です。お付き合いくださると嬉しいです。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる