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2章:同じことはしないけど
放課後デート 3話
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「ど、どうしました?」
「いえ、本当にチーズケーキがお好きなのだな、と」
キョトンとした私に、フィリベルトさまはくすりと口角を上げる。
「目がキラキラと輝いています」
「えっ、そ、そうですか……?」
大好物だからつい。だってどの味も美味しそうなんだもの。
「どれにするか決まりましたか?」
「……定番のスフレチーズケーキと、紅茶にします」
「では、オレはこっちの定番にします」
彼が選んだのは、レアチーズケーキだった。あと、コーヒー。
店員を呼んで、注文をするとすぐに用意してくれた。
「ごゆっくりどうぞ」
にっこりと微笑む店員を見送り、目の前に置かれたチーズケーキにほぅ、と息を吐く。
まずは紅茶を一口飲み、それからワクワクとした気持ちを抱きながら、フォークでチーズケーキを切る。スフレのしゅわしゅわとした軽い感覚が、切った瞬間からするわ!
一口サイズのチーズケーキを口に運び、目を閉じる。ああ、これよ、チーズケーキの濃厚さとスフレの軽さ。この絶妙なバランス……!
「美味しいですわ」
目を開けて、うっとりと恍惚の表情を浮かべると、フィリベルトさまはまだ食べていない自身のレアチーズケーキを一口サイズに切り、私に向けた。
「一口いかがですか?」
「えっ……で、でも……」
思わず辺りを見渡してしまう。客はまばらなため、こちらを気にしている人はいないかも……?
「さぁ、どうぞ?」
「い、いただきます……」
これって『あ~ん』よね。前世でこんなことをした覚え、まったくないわ!
そもそも前世では、恋人らしい恋人いなかったし! この人いいな、と思ったら既婚者だったり片思い相手と付き合う一歩手前だったり……
さすがにそういう相手に恋をするのは不毛だから、乙女ゲームに走ったのよねぇ……と遠い昔を懐かしみながら、ぱくりと食べる。
「……!」
たぶん今、私の顔は輝いている。だってとっても美味しいんだもの!
なんて爽やかな後味……! レモンの酸味が効いている。そんな様子に、フィリベルトさまはふっと表情を和らげた。
「フィリベルトさま?」
「いえ、本当にチーズケーキがお好きなんだな、と」
……どうやら顔に出ていたらしい。
アレクシス殿下の隣に立つときは、ずっと誰にも本心を悟られないような笑顔を浮かべていた。
あの笑顔、結構頬が引きつりそうになるのよね。
「感情が顔に出てしまうなんて、私もまだまだ未熟者ですわ」
「オレと一緒にいるときくらい、リラックスしてくださいよ」
フィリベルトさまの言葉に、目頭が熱くなった。
ああ、涙腺が決壊しているのかもしれない。でも、こんなに優しい言葉をかけられることなんて、滅多になかったの。
「いえ、本当にチーズケーキがお好きなのだな、と」
キョトンとした私に、フィリベルトさまはくすりと口角を上げる。
「目がキラキラと輝いています」
「えっ、そ、そうですか……?」
大好物だからつい。だってどの味も美味しそうなんだもの。
「どれにするか決まりましたか?」
「……定番のスフレチーズケーキと、紅茶にします」
「では、オレはこっちの定番にします」
彼が選んだのは、レアチーズケーキだった。あと、コーヒー。
店員を呼んで、注文をするとすぐに用意してくれた。
「ごゆっくりどうぞ」
にっこりと微笑む店員を見送り、目の前に置かれたチーズケーキにほぅ、と息を吐く。
まずは紅茶を一口飲み、それからワクワクとした気持ちを抱きながら、フォークでチーズケーキを切る。スフレのしゅわしゅわとした軽い感覚が、切った瞬間からするわ!
一口サイズのチーズケーキを口に運び、目を閉じる。ああ、これよ、チーズケーキの濃厚さとスフレの軽さ。この絶妙なバランス……!
「美味しいですわ」
目を開けて、うっとりと恍惚の表情を浮かべると、フィリベルトさまはまだ食べていない自身のレアチーズケーキを一口サイズに切り、私に向けた。
「一口いかがですか?」
「えっ……で、でも……」
思わず辺りを見渡してしまう。客はまばらなため、こちらを気にしている人はいないかも……?
「さぁ、どうぞ?」
「い、いただきます……」
これって『あ~ん』よね。前世でこんなことをした覚え、まったくないわ!
そもそも前世では、恋人らしい恋人いなかったし! この人いいな、と思ったら既婚者だったり片思い相手と付き合う一歩手前だったり……
さすがにそういう相手に恋をするのは不毛だから、乙女ゲームに走ったのよねぇ……と遠い昔を懐かしみながら、ぱくりと食べる。
「……!」
たぶん今、私の顔は輝いている。だってとっても美味しいんだもの!
なんて爽やかな後味……! レモンの酸味が効いている。そんな様子に、フィリベルトさまはふっと表情を和らげた。
「フィリベルトさま?」
「いえ、本当にチーズケーキがお好きなんだな、と」
……どうやら顔に出ていたらしい。
アレクシス殿下の隣に立つときは、ずっと誰にも本心を悟られないような笑顔を浮かべていた。
あの笑顔、結構頬が引きつりそうになるのよね。
「感情が顔に出てしまうなんて、私もまだまだ未熟者ですわ」
「オレと一緒にいるときくらい、リラックスしてくださいよ」
フィリベルトさまの言葉に、目頭が熱くなった。
ああ、涙腺が決壊しているのかもしれない。でも、こんなに優しい言葉をかけられることなんて、滅多になかったの。
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