聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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ドコーンとドーンドーン

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 じゃぶじゃぶと水しぶきを上げながらシロ君が湖を横切っている中、自分は「え?マジ?どうしよう」右に左にサイドステップした後、濡れるのを覚悟でちゃぽっと顔だけ水につけて湖の中を覗いて見た。

「がほがほがほがぼがほ!(マジ水ん中に森があるじゃん!)」

 ボコボコ空気を吐き出しながら、水からぶはぁと顔を上げた。

 湖の中は、そのまま森の木々がそのまま沈んでいた。
 水草に見えていたのは、今も隣にある地上の木。 ゆらゆら揺れて水草っぽさを出していたが、いずれは枯れていくと思われる。

「拡大中って出てたな‥‥‥‥これ更にデカくなるのかな?」

『 只今、琵琶湖サイズです。ここ辺りは他より窪地になってますので、まだ範囲が広くなる可能性大です』

「すでに琵琶湖‥‥‥‥。マジか」

 デカい湖という事は見た目で解るが、既に琵琶湖サイズ。
 元の世界で琵琶湖を実際に見たことはある。その際、これもう海じゃね?って思った事を思い出した。

『 更に大きくして、世界最大を目指しましょう 』

「いやいやいや!何言ってんの。さすがにそれはマズいでしょ」

 妙なテンションの『ナビ』ちゃんにツッコミをいれながら、でもこんなのどーすんのって事だ。

「このサイズだと、地方の街で水位が下がった云々ってまさか‥‥‥‥」

『ピンポイントで主要の水脈ぶち抜いてますので、下流の村、町合わせて二十五。都市に規模ですと五都市くらい間もなく干上がりますね』

「マズいじゃん‥‥‥‥」

『この森からは大小の河川が百以上あります。一つくらい道が変わっても、それは自然現象です』

 この森そんなに川あるんだ。改めて森が巨大な事に驚くが、自然現象と言われても気が引ける。
 
 ‥‥‥‥道がかわる‥‥‥‥道!?そうだ!。

「『ナビ』ちゃん!新たに水の道を作って、水を流していけば水位が戻るのでは!?」

『‥‥‥‥可能ですが‥‥‥‥世界一は目指さないのですか?』

─────何で世界一に拘るんかな!? 私のじゃないし、別にいらんよ。

 どこかいい場所であれだ、初めの頃に石でぶち抜いたみたいにドコーンとやったのを続けていけば、意外と新しい川筋ができあがるんでは?

 軽く投げてアレだったから、全力‥‥‥‥は止めておくか、二次災害が出かねない。これ以上更に面倒事を重ねるのはご勘弁だ。
 ドコーンってやつをドーンドーンって感じでいけばいいんじゃね?
 
『言っておきますが、雑にやると下流で「土石流」が発生しますよ』

─────あ、ハイ。

 それから湖で泳いでいるシロ君をおいて、『ナビ』ちゃんに導かれるまま湖岸を移動していき『雑にならないよう、目印をおきましょう』という『ナビ』ちゃんの指導の元、道を作る前段階として目印という名の『大石』をドーンと置いている。

「『ナビ』ちゃん、これって『岩』じゃない?」

『大きい「石」です。それぐらいでないと解らなくなりますよ』

 まあいいか、と思いつつ更にドンと置くと『五度ずれてます』と厳しい指摘が入った。

─────あ、ハイ。
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