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らぶこめ
第百四十一話 差し伸べられる手
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「いいでしょう。
このくせる、貴方のためだけに舞いましょう」
愛の告白とも取れる宣言に俺の鼓動も早くなる。
恐怖か期待か、受け入れたら最後の死の宣告だとしても、ここまで俺に真摯に向き合ってくれた奴はそうはいない。
俺も覚悟を決めて心を開く。
くせるはぽんと手鞠を突いてくるっと回って風車で見得を切る。
人は汚泥に撒かれた蓮華の種
一輪の花を咲かせましょう
日本舞踊のような舞いで手鞠を突いて風車を鳴らす。
甘い幻想的な笛の音の流れ。
その流れに浮かぶ蓮華の華がゆらゆらゆったりと乗っていく。
耳が和み目が癒やされる。
蓮華の花が咲き誇り甘い音楽が流れる極楽浄土が演出されていく。
生まれて
人は生まれながらの死刑囚。
生まれてしまったのは大罪か?
この世という監獄に投獄されて罪を償い処刑される。
短命は苦しみ少き軽い量刑か?
長命は苦しみ多き重き量刑か?
原罪を償った先に、許しはあるのか?
許しの先には何がある?
許しを求めて苦しみ歩む生の道、自分で止めることは許されない。
ならば私が許しを与えましょう。
立ち止まり手を伸ばせば、その手を握りましょう。
許しなど求めていない俺は一歩前に出る。
老いて
人は生まれたときより先の見えない階段を処刑台に向かって登らされていく。
病や事故、辛いときほど急かされる。
そしてゴールが見えてきたとき、人は例えようのない恐怖と後悔に呑み込まれる。
どんなに嘆いて慈悲を乞うても未だかつて処刑宣告を覆した者は無く。
階段を戻ることを許された者もなし。
どんな罪を犯せばそんな罰が下される。
あまりに理不尽、もう許されてもいいと思いませんか?
一つ間違っているぞ。
辛ければ階段から飛び降りることは許されている。
だが俺は辛くても歩みを止めるが終着ならば、終わらないため終わりに向かって歩き続ける。
病に出会って
処刑台への階段、一歩一歩恐怖が刻み込まれて気が狂いそうになるが、人には仏より与えられた慈悲「忘却」に救われる。
慈悲に縋り、酒に逃げ性欲に溺れ賭けに熱くなり死の恐怖を忘れる。
慈悲に甘え、仕事に燃え愛に浸り強敵に立ち向かい死の恐怖を忘れる。
そんな奴らに死を思い出させるべく病は襲い掛かってくる。
正常に動かない体と苦しみに、人は死を連想し死は常に隣り合わせであることを嫌でも思いだしてしまう。
ならばいっそずっと辛い方がいいかもしれない。
忘れては思い出すサイクルショックに人の心は崩れ出し、ますます慈悲に縋り付く。
縋れば縋るほど救いの手を伸ばすのが仏の慈悲。
人は記憶も知恵も理性も失って、獣に戻っていく。
人である内に手を取り合いませんか?
獣に戻る気もないが今更の慈悲にも反吐が出る、拒絶を決意して俺は前に出る。
死の花が咲く
どんな努力もどんな思いもどんな偉業も最後は朝露と消え去る。
全ては無駄ごと。
肉体も記憶も感情も失おうとも最後に自我はあり。
死ねば自我すら消えるが、自我が消えれば死を認識するものはなし。
認識されなければ死は確定せず、自我は消滅しない。
消滅しないのなら自我は死を認識する。
だが死ぬ瞬間には自我は消滅する。
死が先か自我の消滅が先か?
自我が無ければ死は確定しない。
死ねば自我は消滅してしまう。
この二律背反を乗り越えられなければ、無限回廊、回って回って人は再び輪廻転生、生という苦が再び始まる。
この理不尽、逃れる救いの手は私の手一つ。
永遠の苦しみの代償に自我は消滅しない。
自我の放棄の果ての永遠の楽園。
どっちを選ぶか答えを求めて俺は一歩前に出る。
汚泥に足掻くが人生か
救いを求めて汚泥の底より芽を伸ばす
この無限の生き地獄より抜け出そうと天に向かって救いの手を伸ばす。
だが決して天はその手を握らない。
ならば私はその手を握りましょう。
救い上げて見せましょう。
さあ、私に手を伸ばして。
生き地獄を巡ってみれば、慈悲深き仏がいる。
全てを慈しむ笑みを浮かべ天上を表現する舞いで極楽浄土を見立てる。
心和ます旋律を奏で、蓮華浮かぶ天上を舞う。
その姿に心の波瀾が静まり凪ぐ湖面に変わっていく。
生まれて初めて感じる穏やかなる気持ち。
このまま眠ってしまいそう。
一輪の花を咲かせましょう
愛して分かれ
生き地獄に救いを求めて、愛を咲かせても必ず枯れる。
愛情必滅の理。
愛に救われた分だけ深く苦しむ。
愛輪哀廻。
愛で死は克服出来ない人を救えない。
救えるのは慈悲、私の手。
さあ勇気を出して。
愛など知らぬが、お前は愛してくれるのか?
私は慈悲を与えるのみ。
憎しみに出会う
この世は弱者強食修羅地獄。
例え貴方が死の恐怖を克服しようとも。
例え貴方が穏やかな愛を手に入れようとも。
彼等は必ずやってくる。
貴方を憎むために存在する宿敵。
貴方が何をしようと嫌い憎む。
正面から隙を狙い後ろから、どこからでも貴方を攻撃する。
和解は無い。
貴方にとっての悪魔、不倶戴天の敵、倒しても殺して雲霞の如く湧いてくる。
生きてる限り争い続ける修羅地獄。
その疲れた心をもう休めませんか?
穏やかじゃ生きてる実感が湧かない我が人生。
実感すら必要ない穏やかさ、それが救いよ。
手を伸ばしても入らず
生きた証を残そうと灼熱砂漠足を進めようともそれは蜃気楼、決して辿り着けない。
生まれの差の分だけ遠ざかり。
嫉妬の逆風吹き溢れ、才能の壁が立ち塞がる。
辿り着いても、夢膨れて遠ざかる。
そんな夢を追い求めるより、私に手を伸ばしませんか?
伸ばせば手に入る、伸ばしても手に入らない夢。
どちらを選ぶのが幸せなのか。
ままならぬ心を抱えて執着する
何一つ思い通りにならないのが人生ならば、人はより一層執着する。
なら執着を捨てませんか?
執着を我執を捨てれば求めるものは無し。
希望も無ければ絶望も無い。
それこそが理想と思いませんか?
さあ、心の膿を吐き出して。
素直な気持ちで手を伸ばせ。
汚泥に沈むが終着か
死して汚泥を抜けるが終着か
その手を取るか選択の時。
死して現世に舞い戻るか?
死して極楽浄土に導かれるか?
さあ選択の時迫り、菩薩が最後の旋律を舞う。
一輪の花を咲かせましょう
四苦八苦を糧にして
極楽浄土の道標
死相蓮華の花が咲く
地獄を巡った終着に観音菩薩が手を差し伸べる。
その手を取るか取らないか?
このくせる、貴方のためだけに舞いましょう」
愛の告白とも取れる宣言に俺の鼓動も早くなる。
恐怖か期待か、受け入れたら最後の死の宣告だとしても、ここまで俺に真摯に向き合ってくれた奴はそうはいない。
俺も覚悟を決めて心を開く。
くせるはぽんと手鞠を突いてくるっと回って風車で見得を切る。
人は汚泥に撒かれた蓮華の種
一輪の花を咲かせましょう
日本舞踊のような舞いで手鞠を突いて風車を鳴らす。
甘い幻想的な笛の音の流れ。
その流れに浮かぶ蓮華の華がゆらゆらゆったりと乗っていく。
耳が和み目が癒やされる。
蓮華の花が咲き誇り甘い音楽が流れる極楽浄土が演出されていく。
生まれて
人は生まれながらの死刑囚。
生まれてしまったのは大罪か?
この世という監獄に投獄されて罪を償い処刑される。
短命は苦しみ少き軽い量刑か?
長命は苦しみ多き重き量刑か?
原罪を償った先に、許しはあるのか?
許しの先には何がある?
許しを求めて苦しみ歩む生の道、自分で止めることは許されない。
ならば私が許しを与えましょう。
立ち止まり手を伸ばせば、その手を握りましょう。
許しなど求めていない俺は一歩前に出る。
老いて
人は生まれたときより先の見えない階段を処刑台に向かって登らされていく。
病や事故、辛いときほど急かされる。
そしてゴールが見えてきたとき、人は例えようのない恐怖と後悔に呑み込まれる。
どんなに嘆いて慈悲を乞うても未だかつて処刑宣告を覆した者は無く。
階段を戻ることを許された者もなし。
どんな罪を犯せばそんな罰が下される。
あまりに理不尽、もう許されてもいいと思いませんか?
一つ間違っているぞ。
辛ければ階段から飛び降りることは許されている。
だが俺は辛くても歩みを止めるが終着ならば、終わらないため終わりに向かって歩き続ける。
病に出会って
処刑台への階段、一歩一歩恐怖が刻み込まれて気が狂いそうになるが、人には仏より与えられた慈悲「忘却」に救われる。
慈悲に縋り、酒に逃げ性欲に溺れ賭けに熱くなり死の恐怖を忘れる。
慈悲に甘え、仕事に燃え愛に浸り強敵に立ち向かい死の恐怖を忘れる。
そんな奴らに死を思い出させるべく病は襲い掛かってくる。
正常に動かない体と苦しみに、人は死を連想し死は常に隣り合わせであることを嫌でも思いだしてしまう。
ならばいっそずっと辛い方がいいかもしれない。
忘れては思い出すサイクルショックに人の心は崩れ出し、ますます慈悲に縋り付く。
縋れば縋るほど救いの手を伸ばすのが仏の慈悲。
人は記憶も知恵も理性も失って、獣に戻っていく。
人である内に手を取り合いませんか?
獣に戻る気もないが今更の慈悲にも反吐が出る、拒絶を決意して俺は前に出る。
死の花が咲く
どんな努力もどんな思いもどんな偉業も最後は朝露と消え去る。
全ては無駄ごと。
肉体も記憶も感情も失おうとも最後に自我はあり。
死ねば自我すら消えるが、自我が消えれば死を認識するものはなし。
認識されなければ死は確定せず、自我は消滅しない。
消滅しないのなら自我は死を認識する。
だが死ぬ瞬間には自我は消滅する。
死が先か自我の消滅が先か?
自我が無ければ死は確定しない。
死ねば自我は消滅してしまう。
この二律背反を乗り越えられなければ、無限回廊、回って回って人は再び輪廻転生、生という苦が再び始まる。
この理不尽、逃れる救いの手は私の手一つ。
永遠の苦しみの代償に自我は消滅しない。
自我の放棄の果ての永遠の楽園。
どっちを選ぶか答えを求めて俺は一歩前に出る。
汚泥に足掻くが人生か
救いを求めて汚泥の底より芽を伸ばす
この無限の生き地獄より抜け出そうと天に向かって救いの手を伸ばす。
だが決して天はその手を握らない。
ならば私はその手を握りましょう。
救い上げて見せましょう。
さあ、私に手を伸ばして。
生き地獄を巡ってみれば、慈悲深き仏がいる。
全てを慈しむ笑みを浮かべ天上を表現する舞いで極楽浄土を見立てる。
心和ます旋律を奏で、蓮華浮かぶ天上を舞う。
その姿に心の波瀾が静まり凪ぐ湖面に変わっていく。
生まれて初めて感じる穏やかなる気持ち。
このまま眠ってしまいそう。
一輪の花を咲かせましょう
愛して分かれ
生き地獄に救いを求めて、愛を咲かせても必ず枯れる。
愛情必滅の理。
愛に救われた分だけ深く苦しむ。
愛輪哀廻。
愛で死は克服出来ない人を救えない。
救えるのは慈悲、私の手。
さあ勇気を出して。
愛など知らぬが、お前は愛してくれるのか?
私は慈悲を与えるのみ。
憎しみに出会う
この世は弱者強食修羅地獄。
例え貴方が死の恐怖を克服しようとも。
例え貴方が穏やかな愛を手に入れようとも。
彼等は必ずやってくる。
貴方を憎むために存在する宿敵。
貴方が何をしようと嫌い憎む。
正面から隙を狙い後ろから、どこからでも貴方を攻撃する。
和解は無い。
貴方にとっての悪魔、不倶戴天の敵、倒しても殺して雲霞の如く湧いてくる。
生きてる限り争い続ける修羅地獄。
その疲れた心をもう休めませんか?
穏やかじゃ生きてる実感が湧かない我が人生。
実感すら必要ない穏やかさ、それが救いよ。
手を伸ばしても入らず
生きた証を残そうと灼熱砂漠足を進めようともそれは蜃気楼、決して辿り着けない。
生まれの差の分だけ遠ざかり。
嫉妬の逆風吹き溢れ、才能の壁が立ち塞がる。
辿り着いても、夢膨れて遠ざかる。
そんな夢を追い求めるより、私に手を伸ばしませんか?
伸ばせば手に入る、伸ばしても手に入らない夢。
どちらを選ぶのが幸せなのか。
ままならぬ心を抱えて執着する
何一つ思い通りにならないのが人生ならば、人はより一層執着する。
なら執着を捨てませんか?
執着を我執を捨てれば求めるものは無し。
希望も無ければ絶望も無い。
それこそが理想と思いませんか?
さあ、心の膿を吐き出して。
素直な気持ちで手を伸ばせ。
汚泥に沈むが終着か
死して汚泥を抜けるが終着か
その手を取るか選択の時。
死して現世に舞い戻るか?
死して極楽浄土に導かれるか?
さあ選択の時迫り、菩薩が最後の旋律を舞う。
一輪の花を咲かせましょう
四苦八苦を糧にして
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死相蓮華の花が咲く
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