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7章 赤い珠が映す空想未来
止まった時間 9
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相手を苦しめるためか、なぶり殺すようなやり方に背筋を凍らせながらも紅玉は「止めて」と声を裏返して叫んだ。
見えているはずなのに、聞こえているはずなのに、いつまでたっても紅玉を見てくれない。
尽くしている恩を返せとは言わない。紅玉の望みは視界に入れてほしいだけだ。私もいるんだよと知って欲しい。
屋敷で過ごしたこの数年はそんな感情の積み重ねであり、それは今の紅柘榴と同じように爆発した。
「いい加減にしてよ!私を見てよ!聞いてよ!」
林の静寂よりも人の生活が燃えている音よりも悲鳴よりも金切り声よりも紅玉は大きな声で訴える。
すると紅柘榴が前屈みになった状態で動きが止まった。
着地した男を捕まえに脚を上げたところなので、そこでぴたりと止まったのは不自然であった。
闇に目を凝らすと紅柘榴の身体には銀色の蜘蛛の糸のようなものが巻きついていた。
男に向けられた眼光が紅玉に向けられ、命の危機のような恐怖を感じが、自分には命がないのだとすぐに思い出し、拳を握った。
「今更私が怖がるとでも思ったわけ!?なるわけないでしょっ!」
泣いているのを悟られないよう顔を俯かせ、震える声を隠すため、裏側になって叫んだ。
「私だって同じなのにっ私だってべにと同じなのにっ!私の人生だって奪われたのに!私の声を聞いてよっ見てよっ」
視界が滲んで涙が落ちる。まともに紅柘榴の顔が見れなくてずっと下を向いていた。
「違うの」
金切り声じゃない紅柘榴の声で紅玉は顔を上げた。泣き顔を見られても気にならなかった。人に戻った紅柘榴も泣いていたから。
「失くしたものを探し続けてもいない人はいない。こうにも彼にも迷惑かけている。こうは傍にいてくれるから寂しくなることはないのに。でも、会いたいの」
火付けの犯人は紅柘榴が紅玉に向けられた途端に足を引きずってどこかへと逃げていった。
そんな男に目もくれず、紅柘榴は力なく座り込んだ。紅玉も拘束する必要もなくなり、糸は消えてしまった。
紅玉は紅柘榴に近寄って頬に手を添える。涙を拭おうとしても触れられないから泣き続ける。
冬の寒さから守ろうとして抱きしめても体温は分けてあげられない。心音も聞こえないし、強く抱きしめればすり抜けてしまう。
生者を支えられるのは生者だ。
なら、死人の紅玉にできることはなんだろうか。
考えなくても結論はでている。
覚悟が決まった。
見えているはずなのに、聞こえているはずなのに、いつまでたっても紅玉を見てくれない。
尽くしている恩を返せとは言わない。紅玉の望みは視界に入れてほしいだけだ。私もいるんだよと知って欲しい。
屋敷で過ごしたこの数年はそんな感情の積み重ねであり、それは今の紅柘榴と同じように爆発した。
「いい加減にしてよ!私を見てよ!聞いてよ!」
林の静寂よりも人の生活が燃えている音よりも悲鳴よりも金切り声よりも紅玉は大きな声で訴える。
すると紅柘榴が前屈みになった状態で動きが止まった。
着地した男を捕まえに脚を上げたところなので、そこでぴたりと止まったのは不自然であった。
闇に目を凝らすと紅柘榴の身体には銀色の蜘蛛の糸のようなものが巻きついていた。
男に向けられた眼光が紅玉に向けられ、命の危機のような恐怖を感じが、自分には命がないのだとすぐに思い出し、拳を握った。
「今更私が怖がるとでも思ったわけ!?なるわけないでしょっ!」
泣いているのを悟られないよう顔を俯かせ、震える声を隠すため、裏側になって叫んだ。
「私だって同じなのにっ私だってべにと同じなのにっ!私の人生だって奪われたのに!私の声を聞いてよっ見てよっ」
視界が滲んで涙が落ちる。まともに紅柘榴の顔が見れなくてずっと下を向いていた。
「違うの」
金切り声じゃない紅柘榴の声で紅玉は顔を上げた。泣き顔を見られても気にならなかった。人に戻った紅柘榴も泣いていたから。
「失くしたものを探し続けてもいない人はいない。こうにも彼にも迷惑かけている。こうは傍にいてくれるから寂しくなることはないのに。でも、会いたいの」
火付けの犯人は紅柘榴が紅玉に向けられた途端に足を引きずってどこかへと逃げていった。
そんな男に目もくれず、紅柘榴は力なく座り込んだ。紅玉も拘束する必要もなくなり、糸は消えてしまった。
紅玉は紅柘榴に近寄って頬に手を添える。涙を拭おうとしても触れられないから泣き続ける。
冬の寒さから守ろうとして抱きしめても体温は分けてあげられない。心音も聞こえないし、強く抱きしめればすり抜けてしまう。
生者を支えられるのは生者だ。
なら、死人の紅玉にできることはなんだろうか。
考えなくても結論はでている。
覚悟が決まった。
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