病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。

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3.幼馴染

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 キリアンとセレニティーと私の三人は幼馴染。王都の屋敷が近く母親同士の交流もあったため、幼い頃はよくお互いの家を行き来していた。

 キリアンとセレニティーは私より二つ年上。まるで二人は本当の兄と姉のようで、私は何でも二人の真似をして大きくなった。

 上品で美しくて、優しいセレニティーは私の憧れだった。
 髪型やドレスを真似したくて、いつもメイドのマリーに『レニィーちゃんと同じ髪型にして。』なんてねだっていた。

 そんな私のことをセレニティーは嫌がらず、いつもお出かけの時には誘ってくれた。
 近くの森でピクニックをしたり、川遊びに行ったり……。

 一番の楽しみはお泊まり会だった。
 いつも一人で眠っていたのに、お泊まり会ではセレニティーと一緒のベッドに入る。
 
 私は家族と眠ったことなんて無かったから、セレニティーと一緒に布団に入ると温かくて良い匂いで……。嬉しくて興奮した私はなかなか寝付けなかった。

 コロコロとセレニティーにくっついて歩く私を、キリアンはいつも『しょうがないな』って優しく見守ってくれた。

 お転婆だった私の遊び相手はキリアン。木登りやボール遊びはキリアンが付き合ってくれた。実の兄とは遊んだことが無かったから、私にとってキリアンの方が本物のお兄ちゃんみたいだった。

 三人で過ごした日々は、子供時代の楽しいワクワクが全部つまっているみたい。

 あの頃は他愛もないことで大笑いして、未来を夢見てた。私たちはこのまま変わらないって、信じていた。

 今でも思い出すと、懐かしさで少し胸がきゅっと痛くなる。時間が濃くて希望がつまっている、そんな時間。

 


 ☆



10歳になった頃から私たちの関係も変わっていった。

「ねぇ、フィオナ。実は私ね、キリアンが好きなの。」

「えっ」

 初恋もまだだった私にとって、幼馴染の友人の告白は衝撃的だった。

「恥ずかしいから秘密ね。誰にも言わないで。」

 そう言って人差し指を唇に当て微笑むセレニティーが急に大人びて見えた。
 大好きな二人が夫婦になったら素敵だと思って、心から祝福した。

 けれど、ちょうどその頃からセレニティーは頻繁に高熱を出して寝込むようになった。

 お医者様でも原因は分からなかったらしい。

 13歳から15歳までのセレニティーの体調は最悪だった。痩せて透き通るように白くなって、本当に死んじゃうんじゃないかって……。
 たくさん心配したしお見舞いにも行った。セレニティーが居なくなりそうで、怖くて不安だった。

 そして、私が12歳、キリアンとレニィが14歳の時に、私とキリアンの婚約が両家によって発表された。






  

 
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