33 / 59
第32話 明京の祖父と友人
しおりを挟む
「私が解毒薬の研究を始めたのは、亡くなった父親……お父さんの為だった。お父さんが研究を続けていたから、私も続けなきゃって思って」
だが、周囲からの理解は得られず、次第に引きこもるようになったとぽつりぽつりと語ってくれた。
想像するだけでも重苦しさが伝わってきては、美雪の純粋な心を縛り付けようとしている。
「でも朝日の言う通り、だよね……」
「ああ、耳に入れる義務はない。気にするだけ無駄と言うやつだ」
「ありがとう……でもまだ不安があるから、2人とも一緒についてきてほしい……と言うか……」
断る理由は勿論ない。ぜひ行きたいです! と明るい声で返事する。
「あ、ありがとう……ありがとう……!」
「もうじき夜だな。明日にしようか」
「そうだね、夜は出ない方がいい。ていうか君達ここで泊まるんだよね。あったりまえか……ごはんとか準備しなきゃ」
このまま3人で夕食を作った後は、凝雨の邪魔をしないように早めに就寝したのだった。
翌朝。夜明けと共に家を出て近くの寺に向かう。時間的に山を降りても人と出会わなかったのは不幸中の幸いかもしれない。
「おはようございます。朝早くに申し訳ございません、呪いを解いてほしいのですが……」
凝雨の手には黒い漆塗りの四角い箱がある。この中に明京の祖父が残した日記があるのだ。
箱の真ん中には紙製の札が貼られており、赤い墨で漢字が羅列されているが、その意味はよく読み取れない。
門の近くで美雪と同年代位の若い僧侶が数名、箒で掃き掃除をしている。気が付いた彼らが早歩きでこちらへと近づいてきた。
「呪い、でございますか……少々拝見させていただいても?」
「お願いいたします」
凝雨が両手で箱を僧侶へ差し出す。すると彼らは腕組みをしたり首を傾げたりと反応を示す。
「住職様へ見せたほうがいいんじゃないか?」
「呪いってよりかは、見せかけって気がするけど……邪気が全く感じられないと言うか」
「私もそう思った」
などとひそひそした話がしばらくの間展開されると、右端にいた僧侶が住職に見せて来るのでお寺の中で待っていてほしい。と切り出してきた。
言われた通りに本堂内で待っている間はとても静かで口を開けない空気に包まれる。
(一体何でしょう、あれは……)
この全身をちくちく刺すような空気はこれまで後宮でもたびたび感じてきていた空気だが、未だに慣れない。口を開けて言葉を紡ぎたくても紡いではいけないもどかしい気持ちが、全身を不快感と似たような感覚と共に這っているのが知覚出来る。
「お待たせいたしました。こちら拝見させていただきました」
後ろから70代くらいの住職が先ほどの若い僧侶達を伴って現れた。住職と言うだけあって法衣は豪華な装いである。
「ご住職様ありがとうございます、いかがでしたか? やはり呪いは……」
「どうだったか?」
「鑑定の結果、こちらには呪いはかけられておりませんでした。おそらくは開けるな。と言った方便として呪いがかけられた。という事にしたのでしょう」
「えっ、じゃ、じゃあ……普通に開けても大丈夫って事?!」
凝雨の問いに住職は責任は持てませんが。と前置きをしたうえで開けたら呪われる心配はない事を穏やかな口調で説明してくれた。
「じゃあ、開けてみる……」
お堂の軋む床に座り、箱の封を慎重に解いて蓋を開ける。
「ん? これは……紙と、なんだろこれ」
箱の中には木簡と紙、そして小さな白い小瓶が収められていた。小瓶の中には何かが入っているのか木製の蓋がなされている。
凝雨が先に手にしたのは、紙の方だ。
「……これが、明京のおじいさんの日記って訳ね。ふぅん。ってこれ、夢生薬についても書いてある! どれどれ……」
日記の一部に記されていた一文に目を通す。
最初、夢生薬を作ろうと思ったきっかけは、兵役だった。明京の祖父は長男……すなわち家督を継ぐ者であるとみなされ、兵役の対象外だった。
しかし彼の祖父にはかねてよりご近所づきあいをしていた幼馴染・親友がいた。彼は役人の三男坊。勿論兵役の対象内である。
「この時代、大きな戦争があったのでしょうか?」
「美雪、確か西方でそれなりに規模の大きな戦があったはずだ。それを指しているかもしれない」
「なるほど……」
親友は彼へ兵役に就きたくないから、回避できる薬が欲しいとねだってきた。日記に記された一文をじっと目に通す。
――親友は俺の屋敷内にある薬屋に押しかけてきて、何度も手を合わせては兵役に行かなくていい薬を作ってくれとお願いしてきた。そんな都合の良い薬なんてある訳ない。俺は断り続けていたが、親友はよほど兵役に就きたくなかったんだろう……。
「朝日さん、そんなに兵役って厳しいものなのですか?」
「俺はわからんが、軍医によればかなり厳しいとは聞いた事がある。訓練だったり、人間関係とかな」
「兵士はそういうもんだよねえ、いい噂聞かないし。兵役逃れで自分の足負ったりなんて話も聞いた事あるよ。あと同じ理由で出家する人が多いからそれは禁止されたり、とかね?」
とにかく兵役に就く事がどれだけ過酷か。想像するだけで身震いしてしまいそうになる。
そんな親友の熱意に負けた明京の祖父が生み出したのが夢生薬。彼としては少しの間眠ってもらって、兵士達の目を欺こうとすると言う考えがあったようだが、現実はそうはいかなかった。
「……だが、親友はそのまま植物状態となってしまった。夢生薬と共に作った解毒薬が効かなかったからだ」
「え……」
「眠ったままの親友の状態を記しておく、息はあるし脈も動いているが、意識はとんとない……」
(それ、皇后様と全く同じ症状!)
結局親友は目を覚ます事無く5年後に彼の家族の手で命を絶たれた。理由はこれ以上生かし続けるのはしんどいから、と言う事だと記されている。
「なるほどな……」
「最後にはこうあるね、この解毒薬を作るのが悲願。そしてこの薬を持ち出す事を禁ずる。とね」
「凝雨さん……」
「この白い小瓶、嫌な予感がしてきた……どれどれ」
凝雨が小瓶を手に取り、裏側へ向けるとそこには夢生薬と張り紙がされている。
「ほら、やっぱりね。さてはこの薬と明京のおじいさんの記録をこの箱の中に封じていたって事か」
「そして呪いがかけられている。として開ける事を禁じた、と」
「つじつまが見事に合いますね。これで……あとは……」
「解毒薬が本当に効くのか。試してからの方がいいよね?」
寺から凝雨の家に戻り、朝日達と相談しつつ毒消しの草やさらには血と気、水の流れを良くする薬なども配合した。
「これで20種は配合したな。ここで一度試した方がいいんじゃないか?」
だが、周囲からの理解は得られず、次第に引きこもるようになったとぽつりぽつりと語ってくれた。
想像するだけでも重苦しさが伝わってきては、美雪の純粋な心を縛り付けようとしている。
「でも朝日の言う通り、だよね……」
「ああ、耳に入れる義務はない。気にするだけ無駄と言うやつだ」
「ありがとう……でもまだ不安があるから、2人とも一緒についてきてほしい……と言うか……」
断る理由は勿論ない。ぜひ行きたいです! と明るい声で返事する。
「あ、ありがとう……ありがとう……!」
「もうじき夜だな。明日にしようか」
「そうだね、夜は出ない方がいい。ていうか君達ここで泊まるんだよね。あったりまえか……ごはんとか準備しなきゃ」
このまま3人で夕食を作った後は、凝雨の邪魔をしないように早めに就寝したのだった。
翌朝。夜明けと共に家を出て近くの寺に向かう。時間的に山を降りても人と出会わなかったのは不幸中の幸いかもしれない。
「おはようございます。朝早くに申し訳ございません、呪いを解いてほしいのですが……」
凝雨の手には黒い漆塗りの四角い箱がある。この中に明京の祖父が残した日記があるのだ。
箱の真ん中には紙製の札が貼られており、赤い墨で漢字が羅列されているが、その意味はよく読み取れない。
門の近くで美雪と同年代位の若い僧侶が数名、箒で掃き掃除をしている。気が付いた彼らが早歩きでこちらへと近づいてきた。
「呪い、でございますか……少々拝見させていただいても?」
「お願いいたします」
凝雨が両手で箱を僧侶へ差し出す。すると彼らは腕組みをしたり首を傾げたりと反応を示す。
「住職様へ見せたほうがいいんじゃないか?」
「呪いってよりかは、見せかけって気がするけど……邪気が全く感じられないと言うか」
「私もそう思った」
などとひそひそした話がしばらくの間展開されると、右端にいた僧侶が住職に見せて来るのでお寺の中で待っていてほしい。と切り出してきた。
言われた通りに本堂内で待っている間はとても静かで口を開けない空気に包まれる。
(一体何でしょう、あれは……)
この全身をちくちく刺すような空気はこれまで後宮でもたびたび感じてきていた空気だが、未だに慣れない。口を開けて言葉を紡ぎたくても紡いではいけないもどかしい気持ちが、全身を不快感と似たような感覚と共に這っているのが知覚出来る。
「お待たせいたしました。こちら拝見させていただきました」
後ろから70代くらいの住職が先ほどの若い僧侶達を伴って現れた。住職と言うだけあって法衣は豪華な装いである。
「ご住職様ありがとうございます、いかがでしたか? やはり呪いは……」
「どうだったか?」
「鑑定の結果、こちらには呪いはかけられておりませんでした。おそらくは開けるな。と言った方便として呪いがかけられた。という事にしたのでしょう」
「えっ、じゃ、じゃあ……普通に開けても大丈夫って事?!」
凝雨の問いに住職は責任は持てませんが。と前置きをしたうえで開けたら呪われる心配はない事を穏やかな口調で説明してくれた。
「じゃあ、開けてみる……」
お堂の軋む床に座り、箱の封を慎重に解いて蓋を開ける。
「ん? これは……紙と、なんだろこれ」
箱の中には木簡と紙、そして小さな白い小瓶が収められていた。小瓶の中には何かが入っているのか木製の蓋がなされている。
凝雨が先に手にしたのは、紙の方だ。
「……これが、明京のおじいさんの日記って訳ね。ふぅん。ってこれ、夢生薬についても書いてある! どれどれ……」
日記の一部に記されていた一文に目を通す。
最初、夢生薬を作ろうと思ったきっかけは、兵役だった。明京の祖父は長男……すなわち家督を継ぐ者であるとみなされ、兵役の対象外だった。
しかし彼の祖父にはかねてよりご近所づきあいをしていた幼馴染・親友がいた。彼は役人の三男坊。勿論兵役の対象内である。
「この時代、大きな戦争があったのでしょうか?」
「美雪、確か西方でそれなりに規模の大きな戦があったはずだ。それを指しているかもしれない」
「なるほど……」
親友は彼へ兵役に就きたくないから、回避できる薬が欲しいとねだってきた。日記に記された一文をじっと目に通す。
――親友は俺の屋敷内にある薬屋に押しかけてきて、何度も手を合わせては兵役に行かなくていい薬を作ってくれとお願いしてきた。そんな都合の良い薬なんてある訳ない。俺は断り続けていたが、親友はよほど兵役に就きたくなかったんだろう……。
「朝日さん、そんなに兵役って厳しいものなのですか?」
「俺はわからんが、軍医によればかなり厳しいとは聞いた事がある。訓練だったり、人間関係とかな」
「兵士はそういうもんだよねえ、いい噂聞かないし。兵役逃れで自分の足負ったりなんて話も聞いた事あるよ。あと同じ理由で出家する人が多いからそれは禁止されたり、とかね?」
とにかく兵役に就く事がどれだけ過酷か。想像するだけで身震いしてしまいそうになる。
そんな親友の熱意に負けた明京の祖父が生み出したのが夢生薬。彼としては少しの間眠ってもらって、兵士達の目を欺こうとすると言う考えがあったようだが、現実はそうはいかなかった。
「……だが、親友はそのまま植物状態となってしまった。夢生薬と共に作った解毒薬が効かなかったからだ」
「え……」
「眠ったままの親友の状態を記しておく、息はあるし脈も動いているが、意識はとんとない……」
(それ、皇后様と全く同じ症状!)
結局親友は目を覚ます事無く5年後に彼の家族の手で命を絶たれた。理由はこれ以上生かし続けるのはしんどいから、と言う事だと記されている。
「なるほどな……」
「最後にはこうあるね、この解毒薬を作るのが悲願。そしてこの薬を持ち出す事を禁ずる。とね」
「凝雨さん……」
「この白い小瓶、嫌な予感がしてきた……どれどれ」
凝雨が小瓶を手に取り、裏側へ向けるとそこには夢生薬と張り紙がされている。
「ほら、やっぱりね。さてはこの薬と明京のおじいさんの記録をこの箱の中に封じていたって事か」
「そして呪いがかけられている。として開ける事を禁じた、と」
「つじつまが見事に合いますね。これで……あとは……」
「解毒薬が本当に効くのか。試してからの方がいいよね?」
寺から凝雨の家に戻り、朝日達と相談しつつ毒消しの草やさらには血と気、水の流れを良くする薬なども配合した。
「これで20種は配合したな。ここで一度試した方がいいんじゃないか?」
0
あなたにおすすめの小説
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
【完結】田舎育ちの令嬢は王子様を魅了する
五色ひわ
恋愛
エミリーが多勢の男子生徒を従えて歩いている。王子であるディランは、この異様な光景について兄のチャーリーと話し合っていた。それなのに……
数日後、チャーリーがエミリーの取り巻きに加わってしまう。何が起こっているのだろう?
ディランは訳も分からず戸惑ったまま、騒動の中心へと引きづりこまれていくのだった。
ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
――貧乏だから不幸せ❓ いいえ、求めているのは寄り添ってくれる『誰か』。
◆
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリア。
両親も既に事故で亡くなっており帰る場所もない彼女は、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていた。
しかし目的地も希望も生きる理由さえ見失いかけた時、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
10歳前後に見える彼らにとっては、親がいない事も、日々食べるものに困る事も、雨に降られる事だって、すべて日常なのだという。
そんな彼らの瞳に宿る強い生命力に感化された彼女は、気が付いたら声をかけていた。
「ねぇ君たち、お腹空いてない?」
まるで野良犬のような彼らと、貴族の素性を隠したフィーリアの三人共同生活。
平民の勝手が分からない彼女は、二人や親切な街の人達に助けられながら、自分の生き方やあり方を見つけて『自分』を取り戻していく。
偽りの婚姻
迷い人
ファンタジー
ルーペンス国とその南国に位置する国々との長きに渡る戦争が終わりをつげ、終戦協定が結ばれた祝いの席。
終戦の祝賀会の場で『パーシヴァル・フォン・ヘルムート伯爵』は、10年前に結婚して以来1度も会話をしていない妻『シヴィル』を、祝賀会の会場で探していた。
夫が多大な功績をたてた場で、祝わぬ妻などいるはずがない。
パーシヴァルは妻を探す。
妻の実家から受けた援助を返済し、離婚を申し立てるために。
だが、妻と思っていた相手との間に、婚姻の事実はなかった。
婚姻の事実がないのなら、借金を返す相手がいないのなら、自由になればいいという者もいるが、パーシヴァルは妻と思っていた女性シヴィルを探しそして思いを伝えようとしたのだが……
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。
視える宮廷女官 ―霊能力で後宮の事件を解決します!―
島崎 紗都子
キャラ文芸
父の手伝いで薬を売るかたわら 生まれ持った霊能力で占いをしながら日々の生活費を稼ぐ蓮花。ある日 突然襲ってきた賊に両親を殺され 自分も命を狙われそうになったところを 景安国の将軍 一颯に助けられ成り行きで後宮の女官に! 持ち前の明るさと霊能力で 後宮の事件を解決していくうちに 蓮花は母の秘密を知ることに――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる