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第44話 決意の表れ
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「美雪。待て」
「朝日さん」
待てと言われても、もう立ち止まる気は毛頭ない。
「君の決意はよくわかった。だが、そうすれば犯人によって今度は命すら絶たれてしまうのかもしれないんだぞ」
「それでも、私は放ってはおけません!」
大きな声が腹の底から出て来た事に、発した本人である美雪も驚きが止まらない。朝日がぐっと硬直した顔つきをしているのが視界に入って来ると、思わず心臓が大きく跳ねた。
「私の姉と言うのもあります。既に亡くなっていて、まだ犯人が見つかっていないと言うのもとっても大きいです。それに……」
「それに、なんだ?」
「皇后様がここまで悲しまれるなんて……皇后様のそのようなお顔はみたくありません。理由はまだあります。毒で亡くなっているとなれば、薬師としても見過ごす訳にはいきません」
姜皇后から手をゆっくりと離し、朝日へと向き直る。
思いつく限りの理由が頭の中全てを埋め尽くしている。その中でも毒と言う言葉は美雪からすれば無意識のうちに無視できないものとなっていた。
新葉も、林才人も、目の前にいる姜皇后も毒の被害者である。これまで毒と何度も向き合ってきた薬師としての誇りと似たようなものが、美雪の身体のうちから芽生え、蔓となっていくのだ。
「薬師としても、妹としても、ひとりの人間としても看過できない。そうだな?」
「朝日さんの仰る通りでございます。朝日さん。あなたは医者です。あなたはどう……お考えでしょうか?」
「俺は……勿論ひとりの人間として、医師として、解決しなければならない辞退だと考えている。しかしそれ以上に、君に何か起こらないか、それが心配なんだ……!」
強さと熱さが籠った朝日の声を全身で受け止める。彼の瞳からは再び涙が光となって流れ落ちていった。
「君がもし死ぬような事があったら……俺は耐えられない!」
「あ、朝日さん……」
彼の熱は、夏の日差しよりも更に熱い。もっと言えば炎の塊の如き温度を感じる。そんな温度が美雪の身体へと伝わり、腹から胸のあたりを燃やそうとしていた。
(朝日さんは、そこまで、私の事を……心配なさってくださっているのですか)
「朝日。あなたがそこまで美雪の事を……大事に想っているのは伝わったわ。美雪はどう思うかしら?」
「朝日さん……」
当然嫌な気分は一切ない。しかし言語化するまでに多少の時間を要してしまった。
「朝日さん。私の事をそこまで気にかけてくださりまずは感謝いたします。ありがとうございます」
「? お、おう……こちらこそ」
「それでも、私は見過ごす事が出来ません」
命を失ってもいい。覚悟は出来ております。と言葉を絞りだした時、両手に震えを覚える。命を投げ出すなんて本当は出来るわけない、自分はそこまで強くはない。でもそれくらいしないといけないと矛盾した考えに挟まれていく。
「……手、震えているぞ」
「あ……」
見破られた。嘘もつけずに申し訳ありません。と謝る。
「謝るな。君が何か悪い事をしたわけではないのだから」
「は、はい……」
「俺も一緒に調べる。いいか?」
いいのですか? と恐る恐る尋ねる。まさか協力を買って出てくれるなんて思ってもみなかったからだ。
「当たり前だ。美雪。共に犯人を見つけ出そう」
「っ……! あ、ありがとうございます……!」
沸き起こって来る感謝の渦に駆られるようにして、何度も朝日へ頭を下げる。
「美雪、朝日。私からも最大限力を貸すわ。美雪に真相を伝えた以上、必ずや犯人を捕まえましょう」
「は、はい! 皇后様!」
姜皇后の赤い瞳に力強さがはっきりとにじんでいる。その意志の強さを全身に刻み込んだのだった。
◇ ◇ ◇
美雪は朝日と共に白雪の死の真相に迫るべく、調査を開始した。まず最初に彼女の死亡報告書を徹底的に調べ直す事となる。
「げほっ……埃が溜まってきているな、掃除をしなければ」
2人の現在地点は暁華殿内にある書物庫。ここは暁華殿内で起きた出来事を記録した書物の倉庫となっている。倉庫なのでこぢんまりとした薄暗い場所だ。
咳をしている朝日の背中を軽くたたくと、彼は感謝を表しながら呼吸を落ち着かせる。そして倉庫の右奥にある棚へ向けて歩き出した。
「この棚だな。白雪についての記録は……あったあった。美雪、この手袋をはめてほしい」
「かしこまりました。よいしょっと……では私がめくりますね」
書をぱらぱらとめくって白雪の死因が記された頁に目を移す。まず白雪に使われた毒は附子毒。これは林才人に使われたものと同じだ。
「君も知っていると思うが附子毒は毒殺するのに一般的な薬剤だ。ちなみにこれは父親から聞いた話だが、矢尻に塗る事もあるらしい」
「入手も比較的容易な毒薬ですからね。後宮内にはどれくらいあるのやら……」
「俺達が管理している薬はあくまで皇后様とそのお子様達だけ。他の妃達の薬師が附子毒を持っていたとしても何ら不思議はない」
この時。美雪は朝日の放った他の妃と言う言葉に対し、ぴかっと光るような何かを覚える。
(……それだ。妃達を調べよう)
思いついた考えを朝日に話すと、俺も賛成だと反応が返って来た。
「嫉妬深い妃と言えば……どなたかご存じでしょうか?」
「う~ん……」
「おや、おふたりともこちらにおりましたか」
声がした方へと振り返ると、児永がにこにこと微笑みを浮かべて立っていた。
「児永さん!」
「児永、どうしたんだ? 誰か呼んでいるのか?」
「その通りでございます。皇后様がお呼びでございます」
「わかった、美雪、いこう!」
姜皇后の私室に到着すると、彼女は普段から愛用している朱塗りの椅子に腰かけ優雅に茶を口に含んでいる場面だった。
特に緊急性は感じられない。お呼びでございますか? と尋ねてみると、彼女はあら? と首をかしげる。
「呼んだかしら? まあいいわ。丁度美味しいお茶菓子を作ったから休憩がてら頂いていきなさい」
「ありがとうございます。感謝いたします」
(そうだ。お妃様方に関しては皇后様に聞いてみよう)
皇后は皇帝の正妻であり、全ての妃達の頂点に君臨する存在だ。噂を知っている可能性は非常に大きい。
用意された朱い椅子に朝日と共に座り、丸い月餅風のお菓子を口に含んで飲み込んだのち、意を決して口を開く。
「皇后様。少々お尋ねしたいことがございます」
「何かしら?」
「後宮の中で最も嫉妬深いお妃様は……一体どなたになりますでしょうか?」
「そうねえ……噂を聞くのは……双貴妃と獨昭媛のおふたり、かしら」
「朝日さん」
待てと言われても、もう立ち止まる気は毛頭ない。
「君の決意はよくわかった。だが、そうすれば犯人によって今度は命すら絶たれてしまうのかもしれないんだぞ」
「それでも、私は放ってはおけません!」
大きな声が腹の底から出て来た事に、発した本人である美雪も驚きが止まらない。朝日がぐっと硬直した顔つきをしているのが視界に入って来ると、思わず心臓が大きく跳ねた。
「私の姉と言うのもあります。既に亡くなっていて、まだ犯人が見つかっていないと言うのもとっても大きいです。それに……」
「それに、なんだ?」
「皇后様がここまで悲しまれるなんて……皇后様のそのようなお顔はみたくありません。理由はまだあります。毒で亡くなっているとなれば、薬師としても見過ごす訳にはいきません」
姜皇后から手をゆっくりと離し、朝日へと向き直る。
思いつく限りの理由が頭の中全てを埋め尽くしている。その中でも毒と言う言葉は美雪からすれば無意識のうちに無視できないものとなっていた。
新葉も、林才人も、目の前にいる姜皇后も毒の被害者である。これまで毒と何度も向き合ってきた薬師としての誇りと似たようなものが、美雪の身体のうちから芽生え、蔓となっていくのだ。
「薬師としても、妹としても、ひとりの人間としても看過できない。そうだな?」
「朝日さんの仰る通りでございます。朝日さん。あなたは医者です。あなたはどう……お考えでしょうか?」
「俺は……勿論ひとりの人間として、医師として、解決しなければならない辞退だと考えている。しかしそれ以上に、君に何か起こらないか、それが心配なんだ……!」
強さと熱さが籠った朝日の声を全身で受け止める。彼の瞳からは再び涙が光となって流れ落ちていった。
「君がもし死ぬような事があったら……俺は耐えられない!」
「あ、朝日さん……」
彼の熱は、夏の日差しよりも更に熱い。もっと言えば炎の塊の如き温度を感じる。そんな温度が美雪の身体へと伝わり、腹から胸のあたりを燃やそうとしていた。
(朝日さんは、そこまで、私の事を……心配なさってくださっているのですか)
「朝日。あなたがそこまで美雪の事を……大事に想っているのは伝わったわ。美雪はどう思うかしら?」
「朝日さん……」
当然嫌な気分は一切ない。しかし言語化するまでに多少の時間を要してしまった。
「朝日さん。私の事をそこまで気にかけてくださりまずは感謝いたします。ありがとうございます」
「? お、おう……こちらこそ」
「それでも、私は見過ごす事が出来ません」
命を失ってもいい。覚悟は出来ております。と言葉を絞りだした時、両手に震えを覚える。命を投げ出すなんて本当は出来るわけない、自分はそこまで強くはない。でもそれくらいしないといけないと矛盾した考えに挟まれていく。
「……手、震えているぞ」
「あ……」
見破られた。嘘もつけずに申し訳ありません。と謝る。
「謝るな。君が何か悪い事をしたわけではないのだから」
「は、はい……」
「俺も一緒に調べる。いいか?」
いいのですか? と恐る恐る尋ねる。まさか協力を買って出てくれるなんて思ってもみなかったからだ。
「当たり前だ。美雪。共に犯人を見つけ出そう」
「っ……! あ、ありがとうございます……!」
沸き起こって来る感謝の渦に駆られるようにして、何度も朝日へ頭を下げる。
「美雪、朝日。私からも最大限力を貸すわ。美雪に真相を伝えた以上、必ずや犯人を捕まえましょう」
「は、はい! 皇后様!」
姜皇后の赤い瞳に力強さがはっきりとにじんでいる。その意志の強さを全身に刻み込んだのだった。
◇ ◇ ◇
美雪は朝日と共に白雪の死の真相に迫るべく、調査を開始した。まず最初に彼女の死亡報告書を徹底的に調べ直す事となる。
「げほっ……埃が溜まってきているな、掃除をしなければ」
2人の現在地点は暁華殿内にある書物庫。ここは暁華殿内で起きた出来事を記録した書物の倉庫となっている。倉庫なのでこぢんまりとした薄暗い場所だ。
咳をしている朝日の背中を軽くたたくと、彼は感謝を表しながら呼吸を落ち着かせる。そして倉庫の右奥にある棚へ向けて歩き出した。
「この棚だな。白雪についての記録は……あったあった。美雪、この手袋をはめてほしい」
「かしこまりました。よいしょっと……では私がめくりますね」
書をぱらぱらとめくって白雪の死因が記された頁に目を移す。まず白雪に使われた毒は附子毒。これは林才人に使われたものと同じだ。
「君も知っていると思うが附子毒は毒殺するのに一般的な薬剤だ。ちなみにこれは父親から聞いた話だが、矢尻に塗る事もあるらしい」
「入手も比較的容易な毒薬ですからね。後宮内にはどれくらいあるのやら……」
「俺達が管理している薬はあくまで皇后様とそのお子様達だけ。他の妃達の薬師が附子毒を持っていたとしても何ら不思議はない」
この時。美雪は朝日の放った他の妃と言う言葉に対し、ぴかっと光るような何かを覚える。
(……それだ。妃達を調べよう)
思いついた考えを朝日に話すと、俺も賛成だと反応が返って来た。
「嫉妬深い妃と言えば……どなたかご存じでしょうか?」
「う~ん……」
「おや、おふたりともこちらにおりましたか」
声がした方へと振り返ると、児永がにこにこと微笑みを浮かべて立っていた。
「児永さん!」
「児永、どうしたんだ? 誰か呼んでいるのか?」
「その通りでございます。皇后様がお呼びでございます」
「わかった、美雪、いこう!」
姜皇后の私室に到着すると、彼女は普段から愛用している朱塗りの椅子に腰かけ優雅に茶を口に含んでいる場面だった。
特に緊急性は感じられない。お呼びでございますか? と尋ねてみると、彼女はあら? と首をかしげる。
「呼んだかしら? まあいいわ。丁度美味しいお茶菓子を作ったから休憩がてら頂いていきなさい」
「ありがとうございます。感謝いたします」
(そうだ。お妃様方に関しては皇后様に聞いてみよう)
皇后は皇帝の正妻であり、全ての妃達の頂点に君臨する存在だ。噂を知っている可能性は非常に大きい。
用意された朱い椅子に朝日と共に座り、丸い月餅風のお菓子を口に含んで飲み込んだのち、意を決して口を開く。
「皇后様。少々お尋ねしたいことがございます」
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