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第71話 急転直下!な結末
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え、ごめんって、なにぃ?
やっぱり、面白そうな小説のふりしたマズい計画書なの!?
どどどど、どおおしよ? 本、持ったままだし! もう、読んでないって言い訳できないよっ!?
「あの本、すっごく面白くて、本好きのサファくんにも絶対読んで~と思って押し付けちゃったけど……」
「……? はい」
「よく考えたら、おちびちゃんってまだおちびちゃんじゃない? 5才だし、いつも読んでるのは絵本だし」
たしかに、ぼくの愛読書はキラキラふわふわの絵本だね。
「子どもも読めるとはいっても、まださすがに君には早かったかなって……今気づいて」
「あ……いま」
だいぶ……時差ありましたね?
「うん、今。チョコレートたべながら急に気づいて」
なんで、チョコレート。
「だからぁ……なんか、難しい本、無理強いしちゃったみたいになって、ごめんね~って、言いにきた」
「あ……じゃあ」
「うん、だから無理して読まなくていいからね。いつか大きくなったら読んでみてほしいけど~」
なるほど!
「ほんとは今すぐ読んで、感想とか語り合いたけどぉ」
なんか、だいぶ未練ありそう。
「え、じゃあこれ、ほんとにお話の本……なんですよね?」
「そうだよ~。今、王宮で大流行してて、街でも流行りはじめてて……印刷が追いつかないくらいなんだ」
「わぁ……じゃあ、王宮の人たちがいろいろこの本のこと言ってたのって……」
「感想話し合ってるんじゃないかな~? 今、ほんと大はやりだからね~」
「なるほど……」
「ぼくもう、読んだ人とは散々話し合ったから、今度はおちびちゃんの新鮮な感想を聞きた~い、って思っちゃって」
「な、なるほど」
あれれ? でもたしか――
「あの、じゃあ……外で出さないで、ひとりになってから見て、って言ってたのって……?」
「だって、今ちょっと手に入れにくい本だし、外で見せびらかすのはね~」
そゆこと?
「部屋に帰って一人でじっくり見てって言ったのも……?」
「せっかくだから、静かなところで集中して読んでほしいし~」
「ほんとにヤバいから、っていったのは?」
「やっばいくらい面白いんだよ、これ~」
「え……っとじゃあ、なにがヤバいかは今は言えない!って言ったのとか……」
「だって! ネタバレなんて絶対ダメじゃないか~」
「それは、たしかに……」
ネタバレへの配慮、ありがとうございま、す……?
「兄様も忙しくて読んでないみたいだし、まだ手に入ってない人もいるから、読んでも、内容は誰にも秘密、って言ったんだ~」
なるほど! ネタバレへの熱い配慮。読書家の鏡。
「次の計画書が出るのももうすぐだし、それまでに読んでもらって、おちびちゃんとも感想話し合いたい~ってちょっと焦っちゃって」
「あの、その……計画書、っていうのは?」
「ああ、この本、タイトルがそれでしょ? 計画書って言われてるんだ」
なるほど、『反逆王子の王国支配:極秘指定・第一計画』だからね?
うん、なるほど……まぎらわしいな、いろいろ。
「それで次の『第に計画』つまり2巻が、もうすぐ出版予定なんだ~」
「なるほどー!」
ぼくの中から、ビクビクとドキドキとおどおどが、ぜーーんぶきれいサッパリとんでいく。
「あの、ハロルドさま!」
「うん?」
「この本、もう少しかりててもいいですかー?」
「え、でも……」
「面白そうだから、ぼく、読んでみたいんですぅ。いいですか?」
「もちろんだよ、サファくん! それは嬉しいな~、ふふふ」
あ、ハロルドさま、下がり眉にこ、じゃなくていつものキラキラのニッコリだ。
「はい! 読んだらお話しましょうねぇ?」
「それはいい! ははは、楽しみにしてるよ」
その晩、ぼくはうさたん片手に、夢中で反逆王子の計画書を読むふけった。
んんん……これはほんとに、やば面白いやつ。
でも、さすがに――
ふはぁぁぁ……ねむむ。
やっぱり、面白そうな小説のふりしたマズい計画書なの!?
どどどど、どおおしよ? 本、持ったままだし! もう、読んでないって言い訳できないよっ!?
「あの本、すっごく面白くて、本好きのサファくんにも絶対読んで~と思って押し付けちゃったけど……」
「……? はい」
「よく考えたら、おちびちゃんってまだおちびちゃんじゃない? 5才だし、いつも読んでるのは絵本だし」
たしかに、ぼくの愛読書はキラキラふわふわの絵本だね。
「子どもも読めるとはいっても、まださすがに君には早かったかなって……今気づいて」
「あ……いま」
だいぶ……時差ありましたね?
「うん、今。チョコレートたべながら急に気づいて」
なんで、チョコレート。
「だからぁ……なんか、難しい本、無理強いしちゃったみたいになって、ごめんね~って、言いにきた」
「あ……じゃあ」
「うん、だから無理して読まなくていいからね。いつか大きくなったら読んでみてほしいけど~」
なるほど!
「ほんとは今すぐ読んで、感想とか語り合いたけどぉ」
なんか、だいぶ未練ありそう。
「え、じゃあこれ、ほんとにお話の本……なんですよね?」
「そうだよ~。今、王宮で大流行してて、街でも流行りはじめてて……印刷が追いつかないくらいなんだ」
「わぁ……じゃあ、王宮の人たちがいろいろこの本のこと言ってたのって……」
「感想話し合ってるんじゃないかな~? 今、ほんと大はやりだからね~」
「なるほど……」
「ぼくもう、読んだ人とは散々話し合ったから、今度はおちびちゃんの新鮮な感想を聞きた~い、って思っちゃって」
「な、なるほど」
あれれ? でもたしか――
「あの、じゃあ……外で出さないで、ひとりになってから見て、って言ってたのって……?」
「だって、今ちょっと手に入れにくい本だし、外で見せびらかすのはね~」
そゆこと?
「部屋に帰って一人でじっくり見てって言ったのも……?」
「せっかくだから、静かなところで集中して読んでほしいし~」
「ほんとにヤバいから、っていったのは?」
「やっばいくらい面白いんだよ、これ~」
「え……っとじゃあ、なにがヤバいかは今は言えない!って言ったのとか……」
「だって! ネタバレなんて絶対ダメじゃないか~」
「それは、たしかに……」
ネタバレへの配慮、ありがとうございま、す……?
「兄様も忙しくて読んでないみたいだし、まだ手に入ってない人もいるから、読んでも、内容は誰にも秘密、って言ったんだ~」
なるほど! ネタバレへの熱い配慮。読書家の鏡。
「次の計画書が出るのももうすぐだし、それまでに読んでもらって、おちびちゃんとも感想話し合いたい~ってちょっと焦っちゃって」
「あの、その……計画書、っていうのは?」
「ああ、この本、タイトルがそれでしょ? 計画書って言われてるんだ」
なるほど、『反逆王子の王国支配:極秘指定・第一計画』だからね?
うん、なるほど……まぎらわしいな、いろいろ。
「それで次の『第に計画』つまり2巻が、もうすぐ出版予定なんだ~」
「なるほどー!」
ぼくの中から、ビクビクとドキドキとおどおどが、ぜーーんぶきれいサッパリとんでいく。
「あの、ハロルドさま!」
「うん?」
「この本、もう少しかりててもいいですかー?」
「え、でも……」
「面白そうだから、ぼく、読んでみたいんですぅ。いいですか?」
「もちろんだよ、サファくん! それは嬉しいな~、ふふふ」
あ、ハロルドさま、下がり眉にこ、じゃなくていつものキラキラのニッコリだ。
「はい! 読んだらお話しましょうねぇ?」
「それはいい! ははは、楽しみにしてるよ」
その晩、ぼくはうさたん片手に、夢中で反逆王子の計画書を読むふけった。
んんん……これはほんとに、やば面白いやつ。
でも、さすがに――
ふはぁぁぁ……ねむむ。
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