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【番外編】騎士団長ウィルはいいように使われる
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──私は、今、非常に納得のいかない状況に置かれている。
まず、私は騎士団長である。
王都の名誉ある騎士団に所属し、剣を振るい、国と民を守ることを誇りとして生きている。
つまり、私の本来の職務は“魔物の討伐”であり、“魔物への差し入れ”では断じてない。
それなのに、なぜ今、私は大きな木箱を担ぎながら、森の奥へ向かっているのか。
しかもその箱の送り主が、あの“元蜘蛛の執事”クロードだという事実が、さらに私の理解を超えている。
「……なあ、クロード。この中身は一体何なんだ?」
数時間前、屋敷の庭先で箱を渡されながら、私は彼に尋ねた。彼は相変わらず完璧な姿勢で微笑みながら、端的に答える。
「差し入れです」
いや、それは見れば分かる。
問題は、その“誰に”差し入れるのか、だ。
「……まさかとは思うが、これを渡す相手は……」
「ええ。あの森の大蜘蛛、レンです」
クロードは当然のように言った。
──蜘蛛の森の大蜘蛛、レン。
かつて私は“化け蜘蛛”と間違え、討伐対象にしたものの、実はただの“巣を借りていた普通の大蜘蛛”だったという、今思い返しても私の人生の中でトップクラスに気まずい出会いをしたあの大蜘蛛である。
以来、私はなんとなく彼と妙な縁ができてしまい、討伐どころか、たまに森を見回りつつ雑談を交わすという、騎士団長としての立場を危うくするような奇妙な関係を築いてしまっている。
そこへこの“差し入れ”である。
クロード曰く、彼が自ら森に行くのは色々と“まずい”らしく、「あなたが代わりに持って行ってください」と、なぜか当然のように頼まれた。
──いや、なぜ私が。
そんな不満を抱えながら、私は今、森の奥へと歩みを進めている。
木々の間を抜け、懐かしき蜘蛛の巣が点在する場所へ辿り着いた時、上方から聞き慣れた声が降ってきた。
「おっ、ウィルじゃねえか!久しぶりだな!」
視線を上げると、大蜘蛛のレンが巨大な巣の上でくつろいでいた。
私を見つけるやいなや、彼は八本の脚を器用に動かして降りてくる。
──何度見ても、動きが俊敏すぎて慣れない。
「何だ、今日は狩りの帰りか?」
「いや……そうではない。これを持ってきた」
私はため息混じりに木箱を前に出す。
レンは興味津々といった様子で、鋏角を鳴らしながら箱を覗き込んだ。
「ん? これは……?」
「クロードからの差し入れだ」
その瞬間、レンの全身の動きがぴたりと止まった。
まるで“クロード”という単語を聞いた瞬間、蜘蛛本来の防衛本能が発動したかのようだった。
「……えっ、マジで? あのクロード?」
「あのクロード以外に誰がいる」
「おいおい……冗談じゃねえぞ。何かヤバい呪いでもかかってんじゃねえだろうな……?」
レンはおそるおそる木箱を開け、中身を確認する。
すると、そこには意外にも──
「……あっ、鹿肉の甘露煮だ!」
目を輝かせる大蜘蛛。
「……え?」
私は自分の耳を疑った。
甘露煮? いや、待て。
「お前、食うのか、それ」
「食うに決まってんだろ!うわ、しかも柑橘の風味ついてるじゃねえか!マジかよ!」
レンは驚異的な速さで甘露煮を口に運び、器用に咀嚼しながら感動したような声を上げた。
「やっぱクロードの料理するモンは違うなぁ……」
「おい、なんでお前そんなに馴染んでるんだ」
「いや、たまにクロードの料理の話聞いてたし……まさか、俺のために用意してくれるとはなぁ」
私の知る限り、クロードは“大切なもののためなら手段を選ばない”執事である。
そんな彼が、どうして元・巣借りの大蜘蛛にここまで気を使うのか。
「クロードの狙いは何なんだ……?」
私が呟くと、レンは満足そうに甘露煮を食べながら、あっさりと答えた。
「そんなの決まってんじゃねえか。俺を買収して、森の情報を手に入れるためだろ?」
「……」
私は言葉を失った。
──なるほど。さすがクロード。
どうりで最近、妙に森の情報に詳しいと思った。
「……で、お前はそのことをどう思ってるんだ?」
私が尋ねると、レンは愉快そうに笑いながら、口元についた蜜を器用な脚で拭った。
「最高じゃねえか? うまい飯もらえて、ちょっとした話するだけでいいんだぜ? こんなうまい話、他にねえよ」
──私は改めて思った。
“蜘蛛”という生き物は、やはり人間とは別のロジックで生きている。
そしてクロードという“元蜘蛛”の執事もまた、徹底的にそのロジックを活かしているのだと。
「おい、ウィルも食うか?」
「……いや、遠慮しておこう…」
「何言ってんだ、せっかく持ってきたのにお前が食わねえとか、クロードが悲しむだろ?」
「いや、クロードは別に悲しまないと思うが」
「食えよ」
「……お前な」
私は渋々、差し入れの包みから一切れを取る。レンはすでに食べかけの甘露煮を片脚でつまみ、嬉々として咀嚼している。
あの巨大な鋏角で食事する様は、どう見ても恐ろしいのだが……妙に楽しそうな雰囲気のせいで、もはや気にするのも疲れた。
仕方なく、一口齧る。
「……美味い」
口に広がるのは、濃厚な甘辛いタレの風味。
それだけならよくある甘露煮なのだが、ほのかに香る柑橘が、しつこさを打ち消している。
まるで熟練の料理人が仕込んだかのような、見事な味のバランス。
「クロードの料理はやっぱり一級品だな!」
「……そうだな。」
私は複雑な気持ちで同意する。
彼の執事としての能力は疑いようもなく、料理や贈答品の手配に至るまで完璧だ。
だが、何が問題かといえば、その優秀な執事が、堂々と“元蜘蛛”であることだ。
「クロードってさ、ホント抜け目ねえよな」
レンが甘露煮をつまみながら、愉快そうに言う。
「こうして俺にうまいモン食わせて、情報のついでに気分よくさせて、たぶん団長にも『森のこともっと見てやれよ』って言いたいんだろ?」
「……確かに、あいつならそう考えるだろうな」
私は肩をすくめながら、もう一切れ甘露煮を口に入れる。
……本当にうまい。悔しいが、また食べたくなる味だ。
「それでさ、ウィル」
「なんだ」
「最近、アトラの様子はどうよ?」
レンが気軽に尋ねてくる。
私は思わず眉をひそめた。
「なぜお前がアトラのことを気にする?」
「そりゃ、クロードの嫁さんだからな!」
レンは当たり前のように言い放つ。
「クロードがやたら大事にしてる相手なんだから、俺も気にするさ。……つーか、アイツ、結婚してから落ち着いたか?」
「……いや、むしろ気味が悪いほど穏やかになった」
私は正直に答えた。
以前のクロードは、アトラに関することとなるとあらゆる手段を講じ、時に他人を容赦なく排除しようとするほどの執念を見せていた。
だが、結婚してからというもの、どこか穏やかになり、以前ほど“危険な執事”の雰囲気がなくなったのだ。
「ふーん。そりゃいいこったな」
レンは満足そうに甘露煮を口に運ぶ。
「ま、あいつのことだから、嫁さんがいる限りずーっと機嫌よく生きてくんだろうな」
「そうであればいいがな」
私はまた一切れ甘露煮を食べながら、レンを見た。
こいつは森に住むただの大蜘蛛だ。
人を襲うこともなく、むしろ話してみると妙に気のいいやつで、討伐対象にするのが馬鹿らしく思えてくるほどだった。
そして今、私はそんな大蜘蛛と一緒に、元蜘蛛の執事が用意した甘露煮を食べている。
「……なんか、おかしいよな」
私はぼそっと呟いた。
「何が?」
「お前みたいな蜘蛛と、元蜘蛛の差し入れを食いながら会話してる状況がだ」
「ははっ、そうか?」
レンは笑い、もう一切れ甘露煮を頬張った。
「でもよ、こういうのも悪くねえだろ?」
私はそれを否定しようとしたが、口を開いた瞬間、言葉が止まった。
なぜなら、思った以上に“悪くない”と思ってしまったからだ。
私は軽くため息をつき、最後の甘露煮を口に入れた。
目の前で甘露煮を頬張る大蜘蛛の背後で、クロードの張り巡らせた糸が、この森のどこまで広がっているのか、考えただけで頭が痛くなる。
──私は、間違いなく“面倒なもの”に巻き込まれている。
だが、それでも。
またきっと、私はこの森を訪れるのだろう。
まず、私は騎士団長である。
王都の名誉ある騎士団に所属し、剣を振るい、国と民を守ることを誇りとして生きている。
つまり、私の本来の職務は“魔物の討伐”であり、“魔物への差し入れ”では断じてない。
それなのに、なぜ今、私は大きな木箱を担ぎながら、森の奥へ向かっているのか。
しかもその箱の送り主が、あの“元蜘蛛の執事”クロードだという事実が、さらに私の理解を超えている。
「……なあ、クロード。この中身は一体何なんだ?」
数時間前、屋敷の庭先で箱を渡されながら、私は彼に尋ねた。彼は相変わらず完璧な姿勢で微笑みながら、端的に答える。
「差し入れです」
いや、それは見れば分かる。
問題は、その“誰に”差し入れるのか、だ。
「……まさかとは思うが、これを渡す相手は……」
「ええ。あの森の大蜘蛛、レンです」
クロードは当然のように言った。
──蜘蛛の森の大蜘蛛、レン。
かつて私は“化け蜘蛛”と間違え、討伐対象にしたものの、実はただの“巣を借りていた普通の大蜘蛛”だったという、今思い返しても私の人生の中でトップクラスに気まずい出会いをしたあの大蜘蛛である。
以来、私はなんとなく彼と妙な縁ができてしまい、討伐どころか、たまに森を見回りつつ雑談を交わすという、騎士団長としての立場を危うくするような奇妙な関係を築いてしまっている。
そこへこの“差し入れ”である。
クロード曰く、彼が自ら森に行くのは色々と“まずい”らしく、「あなたが代わりに持って行ってください」と、なぜか当然のように頼まれた。
──いや、なぜ私が。
そんな不満を抱えながら、私は今、森の奥へと歩みを進めている。
木々の間を抜け、懐かしき蜘蛛の巣が点在する場所へ辿り着いた時、上方から聞き慣れた声が降ってきた。
「おっ、ウィルじゃねえか!久しぶりだな!」
視線を上げると、大蜘蛛のレンが巨大な巣の上でくつろいでいた。
私を見つけるやいなや、彼は八本の脚を器用に動かして降りてくる。
──何度見ても、動きが俊敏すぎて慣れない。
「何だ、今日は狩りの帰りか?」
「いや……そうではない。これを持ってきた」
私はため息混じりに木箱を前に出す。
レンは興味津々といった様子で、鋏角を鳴らしながら箱を覗き込んだ。
「ん? これは……?」
「クロードからの差し入れだ」
その瞬間、レンの全身の動きがぴたりと止まった。
まるで“クロード”という単語を聞いた瞬間、蜘蛛本来の防衛本能が発動したかのようだった。
「……えっ、マジで? あのクロード?」
「あのクロード以外に誰がいる」
「おいおい……冗談じゃねえぞ。何かヤバい呪いでもかかってんじゃねえだろうな……?」
レンはおそるおそる木箱を開け、中身を確認する。
すると、そこには意外にも──
「……あっ、鹿肉の甘露煮だ!」
目を輝かせる大蜘蛛。
「……え?」
私は自分の耳を疑った。
甘露煮? いや、待て。
「お前、食うのか、それ」
「食うに決まってんだろ!うわ、しかも柑橘の風味ついてるじゃねえか!マジかよ!」
レンは驚異的な速さで甘露煮を口に運び、器用に咀嚼しながら感動したような声を上げた。
「やっぱクロードの料理するモンは違うなぁ……」
「おい、なんでお前そんなに馴染んでるんだ」
「いや、たまにクロードの料理の話聞いてたし……まさか、俺のために用意してくれるとはなぁ」
私の知る限り、クロードは“大切なもののためなら手段を選ばない”執事である。
そんな彼が、どうして元・巣借りの大蜘蛛にここまで気を使うのか。
「クロードの狙いは何なんだ……?」
私が呟くと、レンは満足そうに甘露煮を食べながら、あっさりと答えた。
「そんなの決まってんじゃねえか。俺を買収して、森の情報を手に入れるためだろ?」
「……」
私は言葉を失った。
──なるほど。さすがクロード。
どうりで最近、妙に森の情報に詳しいと思った。
「……で、お前はそのことをどう思ってるんだ?」
私が尋ねると、レンは愉快そうに笑いながら、口元についた蜜を器用な脚で拭った。
「最高じゃねえか? うまい飯もらえて、ちょっとした話するだけでいいんだぜ? こんなうまい話、他にねえよ」
──私は改めて思った。
“蜘蛛”という生き物は、やはり人間とは別のロジックで生きている。
そしてクロードという“元蜘蛛”の執事もまた、徹底的にそのロジックを活かしているのだと。
「おい、ウィルも食うか?」
「……いや、遠慮しておこう…」
「何言ってんだ、せっかく持ってきたのにお前が食わねえとか、クロードが悲しむだろ?」
「いや、クロードは別に悲しまないと思うが」
「食えよ」
「……お前な」
私は渋々、差し入れの包みから一切れを取る。レンはすでに食べかけの甘露煮を片脚でつまみ、嬉々として咀嚼している。
あの巨大な鋏角で食事する様は、どう見ても恐ろしいのだが……妙に楽しそうな雰囲気のせいで、もはや気にするのも疲れた。
仕方なく、一口齧る。
「……美味い」
口に広がるのは、濃厚な甘辛いタレの風味。
それだけならよくある甘露煮なのだが、ほのかに香る柑橘が、しつこさを打ち消している。
まるで熟練の料理人が仕込んだかのような、見事な味のバランス。
「クロードの料理はやっぱり一級品だな!」
「……そうだな。」
私は複雑な気持ちで同意する。
彼の執事としての能力は疑いようもなく、料理や贈答品の手配に至るまで完璧だ。
だが、何が問題かといえば、その優秀な執事が、堂々と“元蜘蛛”であることだ。
「クロードってさ、ホント抜け目ねえよな」
レンが甘露煮をつまみながら、愉快そうに言う。
「こうして俺にうまいモン食わせて、情報のついでに気分よくさせて、たぶん団長にも『森のこともっと見てやれよ』って言いたいんだろ?」
「……確かに、あいつならそう考えるだろうな」
私は肩をすくめながら、もう一切れ甘露煮を口に入れる。
……本当にうまい。悔しいが、また食べたくなる味だ。
「それでさ、ウィル」
「なんだ」
「最近、アトラの様子はどうよ?」
レンが気軽に尋ねてくる。
私は思わず眉をひそめた。
「なぜお前がアトラのことを気にする?」
「そりゃ、クロードの嫁さんだからな!」
レンは当たり前のように言い放つ。
「クロードがやたら大事にしてる相手なんだから、俺も気にするさ。……つーか、アイツ、結婚してから落ち着いたか?」
「……いや、むしろ気味が悪いほど穏やかになった」
私は正直に答えた。
以前のクロードは、アトラに関することとなるとあらゆる手段を講じ、時に他人を容赦なく排除しようとするほどの執念を見せていた。
だが、結婚してからというもの、どこか穏やかになり、以前ほど“危険な執事”の雰囲気がなくなったのだ。
「ふーん。そりゃいいこったな」
レンは満足そうに甘露煮を口に運ぶ。
「ま、あいつのことだから、嫁さんがいる限りずーっと機嫌よく生きてくんだろうな」
「そうであればいいがな」
私はまた一切れ甘露煮を食べながら、レンを見た。
こいつは森に住むただの大蜘蛛だ。
人を襲うこともなく、むしろ話してみると妙に気のいいやつで、討伐対象にするのが馬鹿らしく思えてくるほどだった。
そして今、私はそんな大蜘蛛と一緒に、元蜘蛛の執事が用意した甘露煮を食べている。
「……なんか、おかしいよな」
私はぼそっと呟いた。
「何が?」
「お前みたいな蜘蛛と、元蜘蛛の差し入れを食いながら会話してる状況がだ」
「ははっ、そうか?」
レンは笑い、もう一切れ甘露煮を頬張った。
「でもよ、こういうのも悪くねえだろ?」
私はそれを否定しようとしたが、口を開いた瞬間、言葉が止まった。
なぜなら、思った以上に“悪くない”と思ってしまったからだ。
私は軽くため息をつき、最後の甘露煮を口に入れた。
目の前で甘露煮を頬張る大蜘蛛の背後で、クロードの張り巡らせた糸が、この森のどこまで広がっているのか、考えただけで頭が痛くなる。
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