なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。

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使用人友達?

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そんな落ち込む日があって早めに寝ても、
起きたらちゃんと異世界。

それを何日も繰り返していると自然と慣れてきてしまって、、。

顔を洗って、髪を整えて、使用人服を着て、、。
いわゆるモーニングルーティンをこなす

「前髪…伸びてきたな」


鏡の前で自分の前髪を掴んでみる

前髪は節約のために自分で切っていたけど、ハサミなんて持ってきていないし勿論切ることができない。

「あ。」

こちらの世界に来た時のジャージはクローゼットにしまっていたのでそれを取り出す。

確かポケットに…あった。


いつも使っていた黄色のピン留めを取り出す。

とりあえず、ルーマスさんにハサミはありますかと聞くまではこのピンつけて過ごすかな。


このピンは小学生の時に仲が良かった友達から貰ったものだった。
その友達は家の都合で遠くに引っ越してしまい、学校も別々になったけれど、すごく仲が良かった。はず。

その時はまた私のせいで。なんて思ってたな。
実際そうかもだけど。


そんな楽しくもない思い出を振り返りながらドアを開ける。


「あー!おはようございますう!」

びくっ
ドアを開けた先に人がいると思ってなくて、
それと朝聞くことのない大音量な声ですごくびっくりしてしまった。


「えと」


「あ!すみません驚かせてぇ。私、同じ使用人のエレナと申します!よろしくお願いします~‼︎」


テンションが高い…



「よろしくお願いします、」


「使用人仲間として、末長くよろしくお願いしますねぇ‼︎」


薄いピンクの髪に、ぱっつん、垂れ目の女の子という感じの子だ。

こういうタイプ、はじめてすぎてどうしたらいいのか。

普通の人だって結構大変なのにレベル高いの来たな(失礼)


「数日前にお見かけしてからどーにか話しかけられないかなって思ってたのに全然話せなくて悲しかったですう」

「えと、どうして探してたんですか」


え、なに
ちょっと本当に人間と話さなすぎて戸惑う。


「あの…お聞きしたいことがあってぇ」


「あ、はい」


ガシィ‼︎


「!!」

なに、なに、

エレナはレイの顔を両手でガシッと掴んで自分に近づける

目を大きく開けてこちらを見てくる様は本当に昨日あったモンスター(ほんと失礼)


「あなた‼︎」


「、はい」


「この顔はなにをしたらこうなるの?肌の保湿は?毛穴はどこに?髪の毛はどうしてこんなに綺麗なの?まつ毛長すぎない?お化粧はしたないわよねぇ!?なにもかもなんでこんなに綺麗なのよ‼︎」


え?

ぽけー、としてしまう。
使用人舐めんなよ、とかあんたうざいから出てけとかそういう類だと思っていた。


「しかも細い、ちゃんとご飯は食べているの?こんな細い腕と手と足と指とで掃除やらなんやらできるわけぇ!?」


「っあ」

あっちこっちとサワサワされて流石にくすぐったくて声が出てしまう。


「なに!可愛いわぁ!」

「ねぇねぇ!私もこっそりお名前で呼んで良いかしら?」

「あと今度休みの日少し合わせてどこか行きません?案内しまするわ!」

「そこで色々聞かせてもらうわねぇ‼︎」


沢山会話をしているように見えるかもしれないが全てエレナの言葉だ。

レイの中では新種すぎてどう対応したら良いか分かず

こくん、と頷くことしかできなかった。

「わぁ!うれしいわぁ‼︎やったー‼︎では日程はまた話し合いましょお‼︎早く行かないと遅刻してしまうわ‼︎行くわよ!」


そう言って腕を軽く引っ張られる


不思議。昨日あんなに思い詰めていたけど
すごい勢いだしよく分からないけど、すごいな


エレナの後ろ姿をみて、そう思う。
そしてなぜかあの時のことを思い出す。


「「黄色のピンすごく似合ってる」」


「ぇ」


「だから、その黄色のピンすごく似合ってるわ!可愛いわね。」

っ!!

前にエレナではない誰かにそう言われたことがあった。
すごくすごく嬉しくて、ピンを貰えたことも、褒めて貰えたことも、そしてその子の可愛い笑顔も。

忘れていたのに、エレナが同じことを言うもんだから。




「ありがとう」



すごく幸せな朝を迎えることができた気がした
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