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第6話 元婚約者と現婚約者の対面(1)
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「婚約!? どっ、どういうことなんだ!? クリステルっ!! ちゃっ、ちゃんと説明しろっ!!」
「分かりました。全てをお伝え致します」
婚約者と伝えたので、他を隠す意味はありません。そのため早く帰っていただけるように、手短に経緯の説明を行いました。
「…………そ、そんな……!! 先月、婚約をしていた、だって……!?」
「はい。あのあと隣国で、素敵な出会いがあったんです。なのであらゆる意味で、貴方とは復縁できないのですよ」
大嫌い。婚約済み。
感情的にも法律的にも、この人と再婚約を交わす事はできません。
「な……バカな……っ。なぜだ!? なぜ言わなかった!? なぜ黙っていたんだ!?」
「貴方に報告する義務はありませんし、今そうしているように大騒ぎすると確信していましたので。ディオンさんのご迷惑にならないように、前日は伏せていたのですよ」
「おっ、大騒ぎだって!? 当たり前だ!! 大騒ぎするに決まっているだろう!! 赤い糸で繋がっている相手が、誤った選択をしていたのだからな!!」
クロードは顔を真っ赤に染め、頭を抱えて不満を露わにします。
謝った選択。赤い糸で繋がっている相手。間違いだらけの台詞ですね。
「私は貴方とそんなもので繋がってはいませんし、誤った選択ではありません。貴方と時とは、違うのですよ」
「だからっ!! あれは気付いていなかっただけだと言っているだろう!? 今の僕は何もかも分かっているんだよ!! 僕の相手はクリステルっ、クリステルの相手は僕! それが正解なんだよ!!」
彼は自分と私を交互に指さし、ただただ感情的に絶叫。更に語気を荒げるようになり、今度は抱えていた頭を乱暴に掻きむしりました。
「君は間違いを犯さないのか!? 犯すだろう!? それと一緒だ!! あの時と今とは違うんだ!! いいからっ!! いずれ分かるから!! 僕とヨリを戻して共に過ごすんだ!!」
「確かに私も間違いを犯しますが、これはそういうものと同列に扱う問題ではありません。そして何度も申し上げていますが、貴方の傍には居たくないのですよ。お断りします、速やかにお引き取りください」
「クリステルっっ!! 君を幸せにできるのはっ、この世で僕だけなんだ!! 君も生を受けた以上っ、幸せになりたいだろう!? だったら!! その心も体も僕に委ねて――」
「へぇ、すごい自信だ。そして、随分と面白そうな話をしているね。……だからここからは、俺も混ぜてもらおうかな」
馬車を降りたディオンさんがやって来られて、爽やかに一笑。穏やかの中に静かな怒りを宿した彼は、スッと私達の間に――クロードの視線から私を守るように割って入り、
(クリステル。2人の時間を過ごす前に、ちょっと挨拶をしておくね)
私の手をそっと握りながら、優しく微笑んでくれたのでした。
「分かりました。全てをお伝え致します」
婚約者と伝えたので、他を隠す意味はありません。そのため早く帰っていただけるように、手短に経緯の説明を行いました。
「…………そ、そんな……!! 先月、婚約をしていた、だって……!?」
「はい。あのあと隣国で、素敵な出会いがあったんです。なのであらゆる意味で、貴方とは復縁できないのですよ」
大嫌い。婚約済み。
感情的にも法律的にも、この人と再婚約を交わす事はできません。
「な……バカな……っ。なぜだ!? なぜ言わなかった!? なぜ黙っていたんだ!?」
「貴方に報告する義務はありませんし、今そうしているように大騒ぎすると確信していましたので。ディオンさんのご迷惑にならないように、前日は伏せていたのですよ」
「おっ、大騒ぎだって!? 当たり前だ!! 大騒ぎするに決まっているだろう!! 赤い糸で繋がっている相手が、誤った選択をしていたのだからな!!」
クロードは顔を真っ赤に染め、頭を抱えて不満を露わにします。
謝った選択。赤い糸で繋がっている相手。間違いだらけの台詞ですね。
「私は貴方とそんなもので繋がってはいませんし、誤った選択ではありません。貴方と時とは、違うのですよ」
「だからっ!! あれは気付いていなかっただけだと言っているだろう!? 今の僕は何もかも分かっているんだよ!! 僕の相手はクリステルっ、クリステルの相手は僕! それが正解なんだよ!!」
彼は自分と私を交互に指さし、ただただ感情的に絶叫。更に語気を荒げるようになり、今度は抱えていた頭を乱暴に掻きむしりました。
「君は間違いを犯さないのか!? 犯すだろう!? それと一緒だ!! あの時と今とは違うんだ!! いいからっ!! いずれ分かるから!! 僕とヨリを戻して共に過ごすんだ!!」
「確かに私も間違いを犯しますが、これはそういうものと同列に扱う問題ではありません。そして何度も申し上げていますが、貴方の傍には居たくないのですよ。お断りします、速やかにお引き取りください」
「クリステルっっ!! 君を幸せにできるのはっ、この世で僕だけなんだ!! 君も生を受けた以上っ、幸せになりたいだろう!? だったら!! その心も体も僕に委ねて――」
「へぇ、すごい自信だ。そして、随分と面白そうな話をしているね。……だからここからは、俺も混ぜてもらおうかな」
馬車を降りたディオンさんがやって来られて、爽やかに一笑。穏やかの中に静かな怒りを宿した彼は、スッと私達の間に――クロードの視線から私を守るように割って入り、
(クリステル。2人の時間を過ごす前に、ちょっと挨拶をしておくね)
私の手をそっと握りながら、優しく微笑んでくれたのでした。
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