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リナス編 リナスのその後~運命的な出会い~ 俯瞰視点(2)
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「……え? お、俺? お兄さんって、俺か?」
「ええ、そうですよ。お隣に座っても、いいですか?」
相手がケヴィンと知らずに声をかけた、リナス。彼女はぱっくりと開いた胸元を強調し、色っぽさを全面的に出して首を傾けました。
「お兄さんが目に入った途端に、『一緒に飲んだら楽しそう』って思っちゃいまして。ご一緒しても、構いませんか?」
「あ、ああ。ああっ、もちろんだともっ。座ってくれっ!」
リナスは口調や所作を変えている上に、十数年の月日が経過しています。そのためケヴィンも相手の正体に気付かず、上機嫌で左隣にある木製のイスを叩きました。
「ありがとうございます。……わぁ。近くで見ると、もっとカッコよくなるんですね……っ」
「そ、そうか? いやぁ、照れるなぁ。あははははっ」
ケヴィンもまた、いつまで経ってもケヴィン。あの頃のようにあっさりと懐に入られてしまい、上機嫌で乾杯。2人は笑顔でグラスをぶつけ合い、満面の笑みと共にビールを飲み干しました。
「おっ、いけるねえ美人さんっ。酒良く飲むの? 酒強いのっ?」
「お酒は、年に数回飲む程度ですね。元々アルコールに強い人みたいです」
収監中は年に2度――現国王の誕生日と建国日に、いつもよりも豪華な食事が出されていました。リナスはその際にビールと出会い、酒に強いと知っていたのです。
「お兄さんも、お酒強いんですね~。わたし、お酒が強い人も、タイプなんですよ」
「へぇ~。じゃあさ、他はどんなヤツがタイプなの? 『も』ってことは、まだあるんでしょ?」
「そうですね。他には…………内面だと、しっかりとしている人、引っ張っていってくれる人、自分に自信がある人、ですね。外見だったら、背が高い人と、ひげが似合う人、ですね」
リナスはワザと、目の前の相手が――ケヴィンが自分の長所だと思っていそうな点と、ケヴィンの容姿に当てはまる点を挙げます。そして意図的にしばらく間を開け、「お兄さんと一致しますね」とはにかみました。
「あ~、そうだね~っ。……ちなみに、さ。俺って今は、フリーなんだよね」
日常の態度や追放貴族といったものにより、ケヴィンに好意を示す女性はいませんでした。彼にとっては、追放後初めてやってきたチャンスでした。
そのためケヴィンはまんまと術中にはまり、上半身を横へと向けました。
「……あの、さ。君は、どうなの? 恋人とか、好きな人、いるの?」
「はい、いますよ。好きな人はいます」
「……そっか。美人だもんなぁ、そりゃそうか――」
「目の前に、いますよ。…………さっきの『楽しそう』は、実は切っ掛けづくりだったんです。わたしは、お兄さんに一目惚れをしています」
嬉しい誤算だわっ。この男は簡単に操れる――。そう感じたリナスは一気に攻め、それによってケヴィンの頬はだらしなく緩みます。
((ふふふ、さすが私。一人目は、楽々ゲットできそうね))
じゅるり。心の中で再び舌なめずりをしたリナス――でしたが。残念ながら、そう上手くはいきません。
やがてリナスにとっては嬉しくない誤算が発生しはじめ、状況は大きく変わってしまうのでした――。
「ええ、そうですよ。お隣に座っても、いいですか?」
相手がケヴィンと知らずに声をかけた、リナス。彼女はぱっくりと開いた胸元を強調し、色っぽさを全面的に出して首を傾けました。
「お兄さんが目に入った途端に、『一緒に飲んだら楽しそう』って思っちゃいまして。ご一緒しても、構いませんか?」
「あ、ああ。ああっ、もちろんだともっ。座ってくれっ!」
リナスは口調や所作を変えている上に、十数年の月日が経過しています。そのためケヴィンも相手の正体に気付かず、上機嫌で左隣にある木製のイスを叩きました。
「ありがとうございます。……わぁ。近くで見ると、もっとカッコよくなるんですね……っ」
「そ、そうか? いやぁ、照れるなぁ。あははははっ」
ケヴィンもまた、いつまで経ってもケヴィン。あの頃のようにあっさりと懐に入られてしまい、上機嫌で乾杯。2人は笑顔でグラスをぶつけ合い、満面の笑みと共にビールを飲み干しました。
「おっ、いけるねえ美人さんっ。酒良く飲むの? 酒強いのっ?」
「お酒は、年に数回飲む程度ですね。元々アルコールに強い人みたいです」
収監中は年に2度――現国王の誕生日と建国日に、いつもよりも豪華な食事が出されていました。リナスはその際にビールと出会い、酒に強いと知っていたのです。
「お兄さんも、お酒強いんですね~。わたし、お酒が強い人も、タイプなんですよ」
「へぇ~。じゃあさ、他はどんなヤツがタイプなの? 『も』ってことは、まだあるんでしょ?」
「そうですね。他には…………内面だと、しっかりとしている人、引っ張っていってくれる人、自分に自信がある人、ですね。外見だったら、背が高い人と、ひげが似合う人、ですね」
リナスはワザと、目の前の相手が――ケヴィンが自分の長所だと思っていそうな点と、ケヴィンの容姿に当てはまる点を挙げます。そして意図的にしばらく間を開け、「お兄さんと一致しますね」とはにかみました。
「あ~、そうだね~っ。……ちなみに、さ。俺って今は、フリーなんだよね」
日常の態度や追放貴族といったものにより、ケヴィンに好意を示す女性はいませんでした。彼にとっては、追放後初めてやってきたチャンスでした。
そのためケヴィンはまんまと術中にはまり、上半身を横へと向けました。
「……あの、さ。君は、どうなの? 恋人とか、好きな人、いるの?」
「はい、いますよ。好きな人はいます」
「……そっか。美人だもんなぁ、そりゃそうか――」
「目の前に、いますよ。…………さっきの『楽しそう』は、実は切っ掛けづくりだったんです。わたしは、お兄さんに一目惚れをしています」
嬉しい誤算だわっ。この男は簡単に操れる――。そう感じたリナスは一気に攻め、それによってケヴィンの頬はだらしなく緩みます。
((ふふふ、さすが私。一人目は、楽々ゲットできそうね))
じゅるり。心の中で再び舌なめずりをしたリナス――でしたが。残念ながら、そう上手くはいきません。
やがてリナスにとっては嬉しくない誤算が発生しはじめ、状況は大きく変わってしまうのでした――。
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