私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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リナス編 リナスのその後~運命的な出会い~ 俯瞰視点(7)

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「こっちはねっ! ゴミみたいな男の幼馴染を何年もやってあげたのよっ!? なのにゴミ!? 汚物!? ふざけるんじゃないわよ!! それは全部こっちの台詞っ!! ゴミなのも汚物なのもお前よ!!」

 渾身の力でビンタを行った、リナス。彼女はその勢いで床に倒れたケヴィンに馬乗りになり、目を剥いて胸倉を掴みました。

「なっ……っ!? なっっ!? やってあげた⁉ そっ、その口調っ! ま、まさかお前は――」
「ええそうよ!! 久しぶりねケヴィン!! わたしはリナスよっっ‼ アンタのせいで二十代を棒に振ったわっ! どうもありがとうねぇぇっ!!」

 キレてしまったリナスの中からは、すっかり『我慢』が消えてしまっています。そのため大声で正体を明かし、再度ケヴィンの頬を平手打ちをしました。

「こっちはアンタの暴走のせいで人生が滅茶苦茶になってしまったのよ!? だから今度こそ利用してやろうと思っていたのに!! ゴミっ⁉ 汚物っ⁉ よくも好き勝手言ってくれたわね!!」
「っっ、それは俺の台詞だ!! お前のせいで何もかもが転落してしまったんだぞ!? 元凶が生意気な口を叩くな!!」

 ファリス=リナスだと知ったケヴィンもまた、激怒。長年の労働で手に入れた腕力でリナスを突き飛ばし、胸倉を掴み返しました。

「お前さえ近づいてこなければっ、今頃侯爵家の当主だったんだぞ!? ずっと貴族でっっ、安泰な一生が約束されてたんだぞ!! なのにぃぃっ!! なのにぃぃぃっ!! お前のせいでぇぐぁっ!?」
「わたしが近づいてもアンタがバカな真似をしなければ侯爵家に居られたのよ!! 全部アンタのせいでしょ‼ ふざけるなきゃあ!?」

 リナスもまた胸倉を掴まれてもひるまず、もう一度ビンタをします。ですが今度はケヴィンもやり返し、頬にビンタを受けました。

「よくも……っ。わたしの綺麗な肌を傷付けたわね!!」
「お前がやったことをやっただけだ!! それにお前の肌は綺麗じゃない!! 心と一緒で汚ぐぁっ!?」
「うるさい黙れ黙れっ!! そもそもっ!! アンタがエマに心変わりをしなければ何も起きていないのよっ!! この見る目がないゴミ男きゃっ!?」
「心変わりだぁ!? こっちはなあっ!! お前に恋愛感情があるなんて気が付いてなかったんだよ!! 自分の作戦ミスのせいだろぐうっ!?」
「あれに気付かないアンタがどうかしてるのよ!! いくら聡明なわたしでもバカが相手なら支障がぶっ!?」

 ビンタで止めて叫び、その叫びをまたビンタで止める。こういったことが何度も何度も繰り返されます。
 そして――

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