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第3話 ルイーズ視点(3)
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「皆(みな)、落ち着いて考えるんだ! そのチャームには確かに、この俺イザック・リトランと彼女マイリス・タユレスのイニシャルが彫られている。だがこれは、依頼さえすれば誰だって入手できるものなのだっ!!」
デザインを決めて、《I・R love MT》と入れて欲しい。そう依頼すれば、この場に居る全員が手に入れることができる。
反論を始めたイザック様は、そう仰られました。
「被害者側に立つ者が、秘密裏に被害者と関係を持っていた。そうなれば、状況は一気に変わってしまう。ルイーズはそれを目論み、発覚の際の保険としてだ! 用意していたのだよ!!」
「そ、それは……。仰る通りで、その可能性もありますけど……」
「ルイーズ様はスムーズに説明されていますし、ご説明が偽りとも思えな――」
「そこにいる女はずっと、どす黒い本性を隠してきた狡猾な女だ。さっき言ったように、そう感じなくさせることが、ルイーズの狙いなのだよ」
明確な証拠がないにもかかわらず、全員が言い分を信じてしまっている。これは一種の洗脳だ。誰も気付いていないが、恐ろしい状況だ。
イザック様はそれがさも事実であるかのように訴え、目を覚まそう! 一度冷静になろう! と、全員に対して呼びかけます。
「こういった『確証』がない場合は、『印象』『心象』がものを言う。目に見えているものだけを信じてはならないのだよ!」
イザック様は伯爵家の当主を担うべく、様々な教育を施されている御方。そうした経験値をここでも活かし、再び冷静を取り戻して場のコントロールを試み始めます。
――ですが――。
冷静さを取り戻したのは、反論を行っている最中。ですので最初の反論を始めた頃は、酷く焦った状態となっていました。
ですので、大事なことが頭から抜けてしまっています。
「イザック様、熱弁の途中ですみません。お伝えしておきたいものがございます」
「……なんだ? どうせ、必死に否定をして足掻くのだろう?」
「2割正解で、8割はハズレです。……イザック様、皆様。時と場合によりますが、今は目に見えているものを信じても構わないのですよ」
なぜなら。
「なぜならばこのチャームからは、お二人の指紋が検出されているのですから」
デザインを決めて、《I・R love MT》と入れて欲しい。そう依頼すれば、この場に居る全員が手に入れることができる。
反論を始めたイザック様は、そう仰られました。
「被害者側に立つ者が、秘密裏に被害者と関係を持っていた。そうなれば、状況は一気に変わってしまう。ルイーズはそれを目論み、発覚の際の保険としてだ! 用意していたのだよ!!」
「そ、それは……。仰る通りで、その可能性もありますけど……」
「ルイーズ様はスムーズに説明されていますし、ご説明が偽りとも思えな――」
「そこにいる女はずっと、どす黒い本性を隠してきた狡猾な女だ。さっき言ったように、そう感じなくさせることが、ルイーズの狙いなのだよ」
明確な証拠がないにもかかわらず、全員が言い分を信じてしまっている。これは一種の洗脳だ。誰も気付いていないが、恐ろしい状況だ。
イザック様はそれがさも事実であるかのように訴え、目を覚まそう! 一度冷静になろう! と、全員に対して呼びかけます。
「こういった『確証』がない場合は、『印象』『心象』がものを言う。目に見えているものだけを信じてはならないのだよ!」
イザック様は伯爵家の当主を担うべく、様々な教育を施されている御方。そうした経験値をここでも活かし、再び冷静を取り戻して場のコントロールを試み始めます。
――ですが――。
冷静さを取り戻したのは、反論を行っている最中。ですので最初の反論を始めた頃は、酷く焦った状態となっていました。
ですので、大事なことが頭から抜けてしまっています。
「イザック様、熱弁の途中ですみません。お伝えしておきたいものがございます」
「……なんだ? どうせ、必死に否定をして足掻くのだろう?」
「2割正解で、8割はハズレです。……イザック様、皆様。時と場合によりますが、今は目に見えているものを信じても構わないのですよ」
なぜなら。
「なぜならばこのチャームからは、お二人の指紋が検出されているのですから」
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